前々回の続きです。
前々回は、総務省の「労働力調査」で、旧定年年齢の55歳以降の高齢就業者の「実数」を2002年―2021年2御年間5歳刻みでグラフにして見てきました。
特徴的だったのは団塊の世代の山が5年づつずれて、その高さが次第に低くなって団塊の世代退職による就業人口の減少に大きな役割を果たしている事と、も一つ、年とともに高齢就業者の数が各年代で漸増する傾向が重なって見えているという点でした。
つまり団塊の世代という就業者の山が高齢化する事による就業者の減少という動きと、高齢者の全般的な傾向として、高齢になっても引退せずに働き続ける人の比率が増えるという傾向が併存しているという様子が見られるという事です。
そこで今回は、旧定年年齢55歳以降の高齢者の就業率(労働力人口に占める就業者の割合)を「5歳刻みの年代別就業率」のグラフにしてみました。
高齢者の就業率の推移 (単位:%)
資料:総務省「労働力調査」
結果は上のようで、各年齢層とも一貫して顕著な上昇傾向を示しています。
とくに「60-64歳」の赤い線、「65-69歳」の緑の線の上昇が顕著です。
グラフの左端、2002年は、円高とバブル崩壊の重なった1990年代のダブルデフレがドン底に達し、さてこれから再起というスタートの時期です。
それからの20年間は、2002~2008年の「好況感なき上昇」と言われた時期、2008年リーマンショックによる更なる円高の日本経済の最悪期、2013-4年日銀の円安政策でアベノミクスの時期、更にその後のコロナ禍の時期という20年間です。
この間、非正規従業員の増加といった雇用の質の劣化のあったことは否めませんが、就業率(就業者/労働力人口)の上昇は著しいものがあります。
数字を見ますと
55-59歳の就業率は10ポイント上昇
60-64歳の就業率は20ポイント上昇
65-69歳の就業率は15ポイント上昇
70歳以上の就業率は5ポイントの上昇
大まかにみればこんな状況です。ところでこの原因をどう考えるべきでしょうか。
政府は定年延長、年金受給年齢の延伸をやりました。これも大きな影響を持つでしょう。
特に年金受給年齢の延伸は働く人にとっては絶大な影響を持ったでしょう。
しかしその背後には少子高齢化、年金財政の悪化という国民全体が考えなければならない問題が在っての事なのです。
しかし、それは同時に、日本人の世界トップクラスの平均寿命の伸び、それに並行する健康寿命の伸びという日本国民の人生の長さ、健康でそれを楽しむ時間の長期化という人間にとって、不老長寿に理想に近づくというプラスがあってこその事なのです。
そう考えれば、人間の最も基本的な欲求「不老長寿」が進展しているのに、悩んだり困ったりというのは馬鹿な話で、日本人は、この人間として望む変化に極めて自然に巧みな対応をしていると理解できるのではないでしょうか。
ならば、この現実を、日本社会としていかに活用していくかを、受け身でなく前向きに、「快適な長寿社会をいかに設計するか」という着眼点で考えるのが自然です。
さて、日本と日本人は、国として、企業として、個人として、これから長寿社会という喜ばしい与件をいかに快適な社会という現実に作り上げるかを考えなければならないようです。
前々回は、総務省の「労働力調査」で、旧定年年齢の55歳以降の高齢就業者の「実数」を2002年―2021年2御年間5歳刻みでグラフにして見てきました。
特徴的だったのは団塊の世代の山が5年づつずれて、その高さが次第に低くなって団塊の世代退職による就業人口の減少に大きな役割を果たしている事と、も一つ、年とともに高齢就業者の数が各年代で漸増する傾向が重なって見えているという点でした。
つまり団塊の世代という就業者の山が高齢化する事による就業者の減少という動きと、高齢者の全般的な傾向として、高齢になっても引退せずに働き続ける人の比率が増えるという傾向が併存しているという様子が見られるという事です。
そこで今回は、旧定年年齢55歳以降の高齢者の就業率(労働力人口に占める就業者の割合)を「5歳刻みの年代別就業率」のグラフにしてみました。
高齢者の就業率の推移 (単位:%)
資料:総務省「労働力調査」
結果は上のようで、各年齢層とも一貫して顕著な上昇傾向を示しています。
とくに「60-64歳」の赤い線、「65-69歳」の緑の線の上昇が顕著です。
グラフの左端、2002年は、円高とバブル崩壊の重なった1990年代のダブルデフレがドン底に達し、さてこれから再起というスタートの時期です。
それからの20年間は、2002~2008年の「好況感なき上昇」と言われた時期、2008年リーマンショックによる更なる円高の日本経済の最悪期、2013-4年日銀の円安政策でアベノミクスの時期、更にその後のコロナ禍の時期という20年間です。
この間、非正規従業員の増加といった雇用の質の劣化のあったことは否めませんが、就業率(就業者/労働力人口)の上昇は著しいものがあります。
数字を見ますと
55-59歳の就業率は10ポイント上昇
60-64歳の就業率は20ポイント上昇
65-69歳の就業率は15ポイント上昇
70歳以上の就業率は5ポイントの上昇
大まかにみればこんな状況です。ところでこの原因をどう考えるべきでしょうか。
政府は定年延長、年金受給年齢の延伸をやりました。これも大きな影響を持つでしょう。
特に年金受給年齢の延伸は働く人にとっては絶大な影響を持ったでしょう。
しかしその背後には少子高齢化、年金財政の悪化という国民全体が考えなければならない問題が在っての事なのです。
しかし、それは同時に、日本人の世界トップクラスの平均寿命の伸び、それに並行する健康寿命の伸びという日本国民の人生の長さ、健康でそれを楽しむ時間の長期化という人間にとって、不老長寿に理想に近づくというプラスがあってこその事なのです。
そう考えれば、人間の最も基本的な欲求「不老長寿」が進展しているのに、悩んだり困ったりというのは馬鹿な話で、日本人は、この人間として望む変化に極めて自然に巧みな対応をしていると理解できるのではないでしょうか。
ならば、この現実を、日本社会としていかに活用していくかを、受け身でなく前向きに、「快適な長寿社会をいかに設計するか」という着眼点で考えるのが自然です。
さて、日本と日本人は、国として、企業として、個人として、これから長寿社会という喜ばしい与件をいかに快適な社会という現実に作り上げるかを考えなければならないようです。