一昨日、東京都区部の7月中旬消費者物価指数の速報が発表になりました。マスコミは3.0%の上昇としているものが多いようでした。
正確には、対前年比上昇率で「総合指数」3.2%、「生鮮食品を除く総合」が、3.0%、「生鮮食品とエネルギーを除く総合」は4.0%という事です。
全国と東京のコアコア指数の推移
資料:総務省統計局「消費者物価指数」
図でご覧いただくように、このブログで問題にしている「生鮮食品とエネルギーを除く総合」、いわゆる「コアコア指数」は、6月の3.8%より上がって4%の上昇になってしまいました。そろそろ落ち着くかと思っていた予想は外れました。
東京都区部の数字は先行指標ですから、全国の7月も上がる可能性が大きいように思いますが、一体何が上がっているのでしょうか。
消費者物価10大費目別の対前年上昇率:東京7月速報と全国6月
資料:上に同じ
この図は消費者物価の10大費目について、東京都区部の7月と全国の6月の対前年上昇率を並べたものですがどちらにしても、この所上昇率の高いのは食料、家具・家事用品、それに教養娯楽です。
教養娯楽はコロナの終息で、飲み会やイベント、旅行などの復活によるものと、プラスしてインバウンド活況の影響もあるのでしょう。
をれ以外の2つは、日常的な生活必需品というべきものでしょう。昨年来の家計消費の活発化 (これもコロナの終息の影響?)の中で、長年消費不振で値上げを我慢してきた業界・企業が一斉値上げに踏み切った結果でしょう。
この値上げの波は、昨年春から始まり、秋から今年にかけて上げ幅を広げながらまだ続いています。特に著しいのは生鮮を除く食料で、2022年の 年平均の上昇率は3.8%でしたが、12月には7.4%の上昇と急速に上げ幅を広げ、今年6月には9.2%と1割近い上昇になっています。
個別品目で見ますと6月時点では鶏卵の35%(これは生鮮食品で鳥インフルという特殊事情があります)、酒、炭酸飲料、ハンバーガー、食用油などの17%、アイスクリームの12%、から揚げの10%など、食生活に密着したもの中心に、些か異常な値上がりという感じのある品目が結構みられる状態です。食料以外では洗濯用洗剤の18%などもあって、値上げの波は生活必需品に狙いを定めているようにも感じられるとこです。
ここまで来ると、それぞれに事情はあるとしても、家計のサイドから見れば些か常識を欠いた値上げという感じになるのではないでしょうか。
こうした中に、駆け込み・便乗値上げの色彩を帯びるような感じのものが出て来ますと、一斉値上げムードもそろそろピークという感じもしないでもありませんが、予断を許しません。日銀はようやくインフレの中身にに気づいての金利政策に動き、円高、株価一時暴落といった状況もありましたが、他方では、42円という未曾有の大幅な(4%)最低賃金の引き上げもあり、秋以降、新たなコストアップ要因となるでしょう。
6月から大幅値上げすると言っていた電力料金はどうなったか、統計上の影響はまだ見られませんが、バラバラな方向の違う政策が今後も、為替変動といった海外発の問題も含めて、一体この物価問題をどうしようとしているのか、政府の一貫性のある進むべき方向を見定めた政策がますます必要になって来るような気がするところです。
正確には、対前年比上昇率で「総合指数」3.2%、「生鮮食品を除く総合」が、3.0%、「生鮮食品とエネルギーを除く総合」は4.0%という事です。
全国と東京のコアコア指数の推移
資料:総務省統計局「消費者物価指数」
図でご覧いただくように、このブログで問題にしている「生鮮食品とエネルギーを除く総合」、いわゆる「コアコア指数」は、6月の3.8%より上がって4%の上昇になってしまいました。そろそろ落ち着くかと思っていた予想は外れました。
東京都区部の数字は先行指標ですから、全国の7月も上がる可能性が大きいように思いますが、一体何が上がっているのでしょうか。
消費者物価10大費目別の対前年上昇率:東京7月速報と全国6月
資料:上に同じ
この図は消費者物価の10大費目について、東京都区部の7月と全国の6月の対前年上昇率を並べたものですがどちらにしても、この所上昇率の高いのは食料、家具・家事用品、それに教養娯楽です。
教養娯楽はコロナの終息で、飲み会やイベント、旅行などの復活によるものと、プラスしてインバウンド活況の影響もあるのでしょう。
をれ以外の2つは、日常的な生活必需品というべきものでしょう。昨年来の家計消費の活発化 (これもコロナの終息の影響?)の中で、長年消費不振で値上げを我慢してきた業界・企業が一斉値上げに踏み切った結果でしょう。
この値上げの波は、昨年春から始まり、秋から今年にかけて上げ幅を広げながらまだ続いています。特に著しいのは生鮮を除く食料で、2022年の 年平均の上昇率は3.8%でしたが、12月には7.4%の上昇と急速に上げ幅を広げ、今年6月には9.2%と1割近い上昇になっています。
個別品目で見ますと6月時点では鶏卵の35%(これは生鮮食品で鳥インフルという特殊事情があります)、酒、炭酸飲料、ハンバーガー、食用油などの17%、アイスクリームの12%、から揚げの10%など、食生活に密着したもの中心に、些か異常な値上がりという感じのある品目が結構みられる状態です。食料以外では洗濯用洗剤の18%などもあって、値上げの波は生活必需品に狙いを定めているようにも感じられるとこです。
ここまで来ると、それぞれに事情はあるとしても、家計のサイドから見れば些か常識を欠いた値上げという感じになるのではないでしょうか。
こうした中に、駆け込み・便乗値上げの色彩を帯びるような感じのものが出て来ますと、一斉値上げムードもそろそろピークという感じもしないでもありませんが、予断を許しません。日銀はようやくインフレの中身にに気づいての金利政策に動き、円高、株価一時暴落といった状況もありましたが、他方では、42円という未曾有の大幅な(4%)最低賃金の引き上げもあり、秋以降、新たなコストアップ要因となるでしょう。
6月から大幅値上げすると言っていた電力料金はどうなったか、統計上の影響はまだ見られませんが、バラバラな方向の違う政策が今後も、為替変動といった海外発の問題も含めて、一体この物価問題をどうしようとしているのか、政府の一貫性のある進むべき方向を見定めた政策がますます必要になって来るような気がするところです。