tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

防衛財源にNTT政府保有株の売却も!?

2023年07月26日 14時44分09秒 | 政治
「異次元の少子化対策」という奇妙なキャッチフレーズが岸田内閣によって打ち出された時、国民が聞いて意味の解らない名前を自分の政策に付ける悪い癖も度を超えてきたように感じました。

結局は、「予算の裏付けのない政策」というのが「異次元」の意味でしょうという国民の中にある解釈で、「ああそういう事か」と納得はせずに理解だけする事にしました。

ところで、その前に打ち出した防衛予算の42兆円というのは、予算の裏付けがないわけではなくて、自然増収、税外収入、政府資産の売却その他、可能な手段を総点検し、何とかなるという説明だったように記憶します。

それでも、不確定財源が多いものですから本気で信用できないわけで、そこは「防衛関係費の財源検討に関する特命委員会」に検討させるという事になっているようです。

そこで、今日の新聞報道によりますと、自民党の政調会長の萩生田光一氏が25日の党会合で、「NTT株の売却を選択肢の1つとして検討するとの考えを示したそうです。

確かに政府資産の売却による収入も、上記総点検の中にありました。
それにNTT株も最近値上がりしていますからgood ideaという事かもしれませんが、株価の先行きは解りませんし、問題はいろいろあります。

現状では政府はNTT株の34%ほどを保有しているようですが、30%保有は法律で決まっているとのことですから、その法律を外さなければまともな財源にはならないでしょう。

国策として3割保有を決めたのには、それなりの意味があってのことでしょうが、アメリカに協力するためには、そんなことはどうでもいいという事でしょうか。

それにしても、株価が下がらないように大量の株を売るというのはかなり難しいのではないでしょうか。

冗談はともかく、この売却による収入を、少子化対策に充てるというのなら、子育てを中心に国民生活の活性化に役立ち、将来の発展を担う次世代の国民が育つのですからこれは、NTTへの投資を振り替えてもまあ良いかという事になると国民も考えるでしょう。

しかし、戦闘機やイージス艦を購入すればどうなるのでしょうか。幸い戦争が避けられても、高価な防衛装備は、中古兵器の不良在庫の山になるだけです。
場合によっては、これだけの装備があれば戦争しても勝てる、などという意見が出て、結果は、勝っても負けても、多くの人命の損傷とともに、高価な兵器も海の藻屑と消えるだけでしょう。

国民の意向などにはお構いなく、社会的、経済的な巨大な無駄にしかならないと決まっているものに、社会、経済の今後の発展に役立てるべき財源を無駄遣いするのだということが解っているのでしょうか。

政府の財源と言っても、本当はすべて国民の財産なのです。民主国家は「国民主権」なのです。
国民の財産は、国民の意向に添って使うのが民主国家の政府の当然の義務ではないのでしょうか。