tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

AIを使いこなすために必要なこと

2023年07月01日 14時07分09秒 | 経営
企業で生成AIを使い始めているところも増えてきているようです。

会議の記録や、集めた資料の整理などに使うと驚異的な効率化が可能になるという点が第一です。
午前中の議論百出、喧々諤々の企画会議について、何とか今日中に議事録に纏めるようにと言われて、担当者は昼飯もそこそこ、残業をしてもというのが常識でしたが、生成AI が昼休みの内に立派な議事録を作ってくれた。といったことになるようです。

担当者は自分メモを片手に早速目を通して、一寸気に入らない所を訂正して「生成AI を使いその上で、確りチェックしました。これでいかがでしょか」と上司に提出します。
上司も目を通して「いいだろう。関係者にメールで送ってOKだな。」「午後は、明日予定だった仕事に入ってくれ。」 こんなのは最も適切な活用法です。

担当者も上司も、会議に出ていますから、生成AI の仕事の中に不適切なところがあれば、チェック出来るからです。生成AI を有能な部下として使いこなすという形です。


問題は、自分たちが解らない事についての答えを生成AI に出させる際に起きるのでしょう。
解らないから迷って生成AI に答えを聞いてみるという場合、生成AI はまことしやかに素晴らしい答えを出してくれるかもしれません。
「確かに一見素晴らしいが、自分が考ええいた可能性から考えて、やはり違和感もある。」「ただしこの点は、自分では気が付かなかったが、言われてみれば確かにそうだ。」「なんとか手直しして早く纏めてしまおう。」

といった場合は、自分にもそれなりの知見があって、自分の判断能力の中でそれなりの処理できるというところでしょうか。
生成AI を部下に見立て、叩き台、試案などを、部下に出させるという形での活用です。

本当の問題は、自分に判断する知見のない事について、生成AI にお伺いを立てて、それを単純に信じたり、自分の意見の様に振る舞う事でしょう。

生成AI の知識は、総て、人間の手によって入れられたものです。つまり誰かの意見なのです。今の生成AI では、出てきたものは生成AI の意見ということになるのですが、もともと生成AI のオリジナルの意見というのはないのです。

然し、生成AI の回答に、この部分は誰々の意見、この分は誰々の意見を使って作成しましたという資料出所はついていないようです。

特定の作家や、特定の画家、特定の作曲家などの作品だけを全てインプットして、生成AI にその人の新作を作らせようという試みもあるようで、大変興味ある試みですが、著作権とか何とか問題も多いでしょう。
それをどうするかを生成AI に聞いてみようという意見もあるようですが、最後は人間が決めるしかないのでしょう。

結局生成AI というのは教えたことは全て覚えて忘れず、それを使って命令に従った超高速な情報処理と作業をし、結果を報告する、「優秀な部下」というのが現状ではないでしょうか。

仕事効率的に進み生産性は上がっても、法律的な権利義務関係は、結局は人間が決めることになるので、いろいろ大変のような気がします。