日本は今日から3連休です。3連休が明けて5日の火曜日がアメリカの大統領選挙の日です。
ハリス候補とトランプ候補、民主党と共和党の、まさに勢力伯仲と言われる中で、その決着がつく日です。
事はアメリカだけではありません。世界の覇権国であるアメリカの選挙ですから、その結果は世界に大きな影響を及ぼします。
折しも世界は第二次世界大戦以来の混乱の時期にあります。ロシアのウクライナ侵攻からすでに3年がたとうとしています。
さらにパレスチナ問題は、ハマスの突然の攻撃に対し、イスラエルは、これを機と見たようにハマス殲滅、さらにはパレスチナ排除もと思わせるような徹底した報復攻撃で、戦線はレバノンにも広がり、イランにまで飛び火する情勢にあります。
加えて最近の報道では、トランプ候補の前大統領の時代、トランプ劇場ともいわれた北朝鮮との直接対話があったことも忘れられたように、北朝鮮の兵士がロシアで訓練を受け、対ウクライナ戦線に派遣されるという異常なる風雲急の事態にあります。
世界人類が頼る国連が、安全保障理事会常任理事国のロシアの暴挙以来、これらの人類社会の混乱にほとんど無力である中、頼りにするのはアメリカとも言われる中です。
当のアメリカの選挙戦は、どちらかというとアメリカの国内問題への関心が圧倒的で、いかにアメリカのインフレを抑え雇用を増やし、アメリカ経済を強くするかが関心の中心であるようで、そうした真剣な議論が中心なら内向きでも健全でしょう。
ところが、端から見てもどうにも心配なのは、世界のリーダーのアメリカの選挙戦にしては、議論の内容がいかにも低次元で、トランプ候補の「アメリカを再び偉大な国に」という抽象論に大衆が熱狂したり、具体的な政策論はかみ合わず、相手の中傷や、最後には発言の言葉尻をあげつらう「ゴミ議論」になってしまったりしている所です。
どちらが勝っても、アメリカが自国優先という基本には変わりないとしても、現実に政策の実行を担う人たちには、世界トップレベルの理論家や活動家がいるので、安心という面もあるのかもしれませんが、かつてのトランプ政権の時代のように、周囲に本当に優れた人たちを集めて活用するよりも自分のスタンドプレーがお好みのトランプさんの登場には、この際アメリカが世界のトラブルメーカーになったら大変という危惧が先に立つという見方の人も多いでしょう。
端的に言って、北朝鮮の核開発問題にしても、イランの核開発問題にしても、当時のトランプ政権は、国際的にみて何の貢献もできず、状況のさらなる深刻化をもたらしただけという事だったようです。
今、世界が各地で混乱状態を増している中で、必要とされるのは、トラブルシューターなのです、この上にトラブルメーカーが出て来たのでは、本当に、第三次世界大戦が世界に惨禍をもたらすという事態を招きかねないのではないでしょうか。
世界の覇権国をもって任ずる国は、世界人類社会のガバナンス維持のリーダーとして,世界で最も頼りになるトラブルシューターでなければならないのです。
今回の大統領選挙で、アメリカにはその点が試されているという意識を持ってほしいと思う所です。