トランプさんがアメリカの大統領に就任して1カ月がたちました。
トランプさんは「私の新政権は就任してからのこの4週間でほとんどの政権が4年間で達成した以上のことを成し遂げた」と自画自賛をしています。
日本では安倍さんや菅さんにも自画自賛の気配はありましたが、トランプさんの自画自賛はまた格別です。
思い出せば、トランプさんの前政権の時も自画自賛ぶりを書きました。後からみれば、あの時の米朝会談は「何だったの?」ということです。
今回のメインのプログラムは、差し当たって「米ロ首脳会談」ということですが、評価はあとから「結果」を見て世界の世論がするでしょう。
確かに、トランプさんはいろいろなことをやっているようです。「やっている」というより「言っている」ことの方が多いようですが、先ず、イスラエル・パレスチナ問題は具体化しました。ネタニヤフさんにとってはトランプさんは大事な人ですから良い結果を期待します。
ディールか本音か解りませんが「人質の全員解放」、和平の成立、その後のイスラエル・パレスチナの共存の実現まで行かなければ評価は出来ません。
その途中でガザをアメリカ管理にという「アメリカ・ファースト」が出てきました。誰かアドバイザーがいるのか、この点では、長期か短期か、パレスチナ人の居住など発言内容が次々変わるようです。
より大きな問題は米ロ首脳会談です。良い会談だったかどうかの評価は、米ロの相互理解、平和共存、核軍縮などが具体化してからでしょう。
今は民主主義圏と独裁主義圏の対立の中で、ウクライナが民主主義を守る役割を引き受け民主主義圏の支援を受けてロシアと破壊と殺戮の戦争のさ中です。
そのさなかに「アメリカ・ファースト」が出て来て、ウクライナのレアアース資源の半分以上の権利を、戦費の援助とのディールでアメリカが欲しい、という要求です。
世界の平和と安定の実現のための行動と、アメリカの国益とが同居しているようです。
ゼレンスキーさんもこれには困って返答をしかねているようですが、トランさんは、ゼレンスキーは独裁者と発言、これにはトランプさん率いる共和党の内部にも異論が出ているようです。
トランプさんが、世界全体の重要問題に発言しただけで、それが世界に影響を与えるのはトランプさんの力ではなく、覇権国アメリカの経済力・軍事力によるものでしょう。
トランプさんの積極性は大いに評価するところですが、今のトランプさんには、世界全体の問題とアメリカ・ファーストとが、同じレベルで混在しているようで、それでは自画自賛をしてみても世界は納得しないでしょう。
必要なのは、トランプさんの強烈な発想や行動力を生かしつつ適切にコントロールする知恵者が、トランプさんの近くにいる事でしょう。
そういう人がいないと、トランプさんが独裁者になり、民主主義圏の盟主アメリカが独裁国になってしまう可能性なしとしません。