今朝、厚労省から2024年7月分の「毎月勤労統計」が発表になりました。
賃金動向に関心の深い皆様は、先月から、さて7月はどうなると心待ちにしていた結果が出ました。
ご承知のように毎月勤労統計で明らかになる平均賃金水準の指数の推移と、消費者物価指数で明らかになる物価動向で、両方の対前年同月変化率(通常は伸び率)を比較して、消費者物価指数の上昇率の方が高ければ、実質賃金は前年同月より下がっているといいう事になります。
経済が成長していれば、賃金指数も、物価指数も上がっていて、賃金指数の上り幅の方が大きいから、その分生活が良くなっているというのが結果ですが、日本の場合は、2022年の4月から2024年の5月まで、25か月連続で実質賃金が前年より下がるという異常状態が続いてきました。
それが今年の6月は企業の収益が順調で、ボーナスが良かったことものあり。やっとプラス6.2%に転じました。
賃上げ率も高かったから7月以降もプラスになるという楽観論もありますが、毎月勤労統計の結果がでないとわかりません。
その結果が今日出たわけで、さてどうだったのかと言いますと、微妙なところです。
今年の7月の対前年7月上昇率の数字を並べてみるとこうなります。
<賃金指数の動き>
賃金給与総額・・・・・・・・3.6%(残業ボーナス含む)
(内特別に支払われた給与・・6.2%)
決まって支給する給与・・・・2.5%(残業含む)
<消費者物価指数の動き>
消費者物価指数:総合・・・・2.8%
(注)消費者物価指数には「持ち家の帰属家賃を除く総合」というのもあって、これは3.2%です。(自宅に住んでいる人も相応の家賃を払っていると仮定しない場合)
さて、これをどう読むかです。7月ボーナスという企業もありますから、現金給与総額は3.6%の伸び率で、消費者物価指数の伸び率の「注」の数字より高く実質賃金上昇という結果です。
ボーナスがないと賃金指数の伸びは2.5%ですから、2.8%引いて、実質賃金は0.3%の低下です。
政府が使ってきた「持ち家の帰属家賃を除く総合」では実質賃金低下幅が0.7%になります。
このブログでは上のグラフのように、「現金給与総額」と「消費者物価指数:総合」を使っていますから6月も7月の実質賃金はプラスです。
このブログでは更なる物価の鎮静を読んで、プラスが続くと見ていますが。新米の高値が当面気になるところです。