今回のFOMCでは、パウエルさんは政策金利の引き下げはやめて、もう少し状況を静観するようです。
本来ならばFRBは政策金利を引き下げ、アメリカ経済の健全な成長路線を進める方向で考えていたのでしょうが、トランプさんの登場で、一部の国民が熱狂したり、国の政策決定が先行き不透明になったことがあるようです。
トランプさんは、メキシコとの間には物理的な壁ですが、アメリカの周りに関税という名の壁を建設し、国内では石油やガスをどんどん掘って、世界の石油価格を下げれば、アメリカの経済の活性化は可能と考えているようです。
インフレ問題にしても、アメリカの石油やガスの大量産でガソリンやその他のエネルギー価格が下がれば、物価全体が下がるという見方でしょう。
それでトランプさんは、パウエルさんに対してFRBは自分の創り出したインフレを抑えようとして、それにも失敗した、と批判しているのでしょう。
アメリカの石油やガスの埋蔵量がどのくらいかは解りませんが、アメリカが化石燃料を増産して、世界のエネルギー事情にどの程度の影響があるかも未知数ですし、気候変動を意に介せず、パリ協定を脱したアメリカへの批判も予測不可能です。
FRBは最も重要な仕事である金利政策を駆使してインフレを収め、金利を下げてアメリカの経済力を強くすることを考えっているのでしょうら、当面トランプさんの政策を見るよりしょうがないという事になります。
トランプさんは金利には触れませんし、パウエルさんは、アメリカ経済は現状でも良好だから、更なる物価上昇でもない限り、当分の間、金利は現状で動かすべきではないと、トランプ政策を横目で静観という事なのでしょう。
何時までこうした不安定の上の安定が続くのかはわかりませんが、トランプさんは弱いドルより強いドルの方がお好みに合うのでしょう。しかし、現状でもインフレ抑制の効果はあり、FRBが金利引き下げに動ず、当分現状維持のままでもいいのではないかと急がない事を強調しているようです。
こうした状況は日本にとってはどうなのでしょうか。日銀がどう判断しているかは解りませんが、日銀は金利を上げたい方向、FRBは金利を下げたい方向という客観的な事情を考えれば、これは円高の方向を共に促進することになり、
些か円安に依存し過ぎた日本企業にとっては、急速な円高は望ましくない面もの原所多いでしょう。
政治的にも、経済的にもかなり不安定な要素の多い日本の現状です。出来ればアメリカが当面動かないという事は日本としては政策を取り安くなるという面もあるのではないでしょうか。
日本自身の取るべき政策が、政府と日銀で一致していてくれないと困りますが、金利政策で、徐々に円を強くし、輸出産業は円高への備えを確りやり、アメリカの石油価格を下げるという政策にも便乗し、賃金の引き上げを多少大きくしても輸入物価の下げでコストが相殺されるような状況を作り出す能性も出て来るのではないでしょうか。結果は実質賃金の上昇になります
国際投機資本も動きにくい中で、日本の低賃金と低金利を引き上げるチャンスにすることも可能ではないかなどと考えるところですがどうでしょうか。