tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

改めて付加価値について

2016年01月04日 11時36分16秒 | 経営
改めて付加価値について
 このtnlabo’s blogは、当初から「付加価値」を経済、経営問題を考える際の最も基本的なものとして大切に考えていきましょうという意識を持っていました。
 
 戦後、「付加価値」という概念が入ってきて、当初はマルクスの剰余価値などと誤解され混乱したりしながら、企業でも受け入れられるようになりました。

 経済では、国民所得、GNP、GDPなどが国民経済計算の基本ですが、これらはすべて付加価値そのものですから、国民経済問題では、付加価値が経済価値の基準として定着しています。

 一方、企業でも、付加価値への認識はそれなりに定着しましたが、実際に企業経営について論じる時には矢張り「利益」が中心で、付加価値は定義もいろいろで良く解らないといった状態が続いています。

 特に最近のアメリカ流の考え方では、眼中には「利益」しかなく、利益の極大化が企業の目的のようになっています。
 もともと、欧米では企業というのは資本家が自分の資本の増殖のために考え出したシステムで、したがって会計基準もどれだけ利益が出て、どれだけ資産が増えたかを計るために考案されています。

 ところが、株式会社などの企業というシステムが日本に入ってきますと、これが日本流に改変され、「企業は社会のために存在する」とか「企業は公器」など言う考え方が主流で、利益はさらなる社会貢献をするための原資(肥料)といった考え方が本流となり、どこの企業でも「社是・社訓」は「社会に役立つこと」が中心になっています。

 人気の「下町ロケット」の作者池井戸潤さんが「どんな企業でも、企業の目的は社会貢献ですよ。そんな気持ちに読者の皆さんになって頂けたらというのが私の社会貢献」と言っておられますが、これが日本人の企業観の根底でしょう。

 では、企業の社会貢献の度合いは何によって測られるのでしょうか。それが付加価値です。
 企業が「社会のために生み出した経済価値」、それが「付加価値」なのです。これはその価値を認めて購入した利用者の支払った金額(純売上高)から、その企業が他の企業から買った財・サービス(外部購入費用)を差し引いたもの、つまりその企業が純粋に生み出した経済価値です。まさにGDPの一部、経済的社会貢献の額です。

 企業を構成する生産要素は「人間と資本」です。人間が資本を使って付加価値を生み出すのです。ですから付加価値は人間と資本に分配されます。人件費と資本費(利益は資本費の一部)の合計が付加価値です。

 国民経済計算は全くこの基準で計算されています。企業経営における付加価値は、会計基準が、「利益」算出のために出来ていますからどうしても勘定科目が合わず齟齬が出ます。
それぞれの統計で定義も違います。ということで、企業レベルでは付加価値が使いにくいものとなっているようです。

私自身、この問題では、ずっと苦労してきていますが、その問題はまたの機会にします。

2015年出生数増加

2016年01月02日 09時27分48秒 | 社会
2015年出生数増加
 新年早々明るいニュースが飛び込んできました。人口動態統計の速報で、2015年の出生数が前年を4000人ほど上回るという推計値の発表です。

 2014年の出生数は100万3500人余で、100万人割れが危惧されていましたが、2015年に至って4000人の増加に転じたのは日本にとっての朗報でしょう。
 
 このブログでは、以前から、合計特殊出生率の上昇を指摘してきましたが、それが出生数の増加に結び付いたのは、一歩前進ということではないでしょうか。

 大都市圏で出生が増えたということですが、人口も多く、若い人も多い大都市圏の合計特殊出生率が東京をはじめ最も低位に低迷していたところですから、そこで増えたということは、やはり何か変化の兆しのように感じられます。

 確かにこの3年来の円安転換で、日本経済は様変わりになりました。企業業績や株価が出生数に関係あるとは思いませんが、労働市場の改善、求人倍率の高位安定、学卒求人の青田買いの様相といった、雇用環境の変化、そしてそれが今後も続きそうな状況は、就職氷河期に比べて、国民の多くに生活の安定への希望を持たせたことは明らかでしょう。

 若い人々の将来の生活への安定感が出生数の上昇につながることは、人間の心の自然だと思います。人間も地球上に生きる生命体の中の一つなのです。

 繰り返し指摘していますように、この雇用環境の変化が、格差社会化の阻止に繋がり、下流老人とか子供の貧困とか言われる状況が、今後改善されていけば、出生数、合計特殊出生率も改善を続ける可能性は予見可能なのではないでしょうか。

 政府、地方自治体、企業、経営者がそうした日本の将来を、今日の得票数や今期の利益の増大に増して大切にする『長期的視点』持ち、それを現実の行政や経営の中で実践していけば、かつて「 ジャパンシンドローム」などと言われた日本の問題は雲散霧消していくでしょう。

 今日は1月2日『初夢』でしょう。そんな夢を見たいものです。

明けましておめでとう御座います

2016年01月01日 09時58分41秒 | ご挨拶
明けましておめでとう御座います。
 今年もtnlabo’s blogを通じて、より多くの皆様とのつながりを作っていけたらと願っております。

 目指しているのは、お読みいただいた皆様に、何か、少しでもお役に立つ、あるいはヒントや何かのきっかけになるようなものをお届けできるようなブログになることです。

 Plala broachが閉鎖になりgooに引っ越して、アクセス数が急減しましたが、去年1年、お蔭様で、アクセス数も徐々に回復してきております。
 何年か前のものでも、基本的な物事に触れたようなものへのアクセスも確実に頂いており、本当に有難いと思っております。

 新年も一層真剣に取り組んでいくつもりですので、何卒宜しくお願い申し上げます。 
    tnlabo