お世話になっております。
スナイプスキッパー3年の西尾拓大です。
僕から全日本個人選手権のご報告をします。
7月の頭で行われた関東予選で上位18位までが蒲郡で行われた今大会に出場できました。東大からは僕たち一艇が参戦してきました。
また、先週行われた全日本スナイプにも自艇は出場していたため、2大会続けての長期遠征になりました。
最終成績は以下の通りです。
31308山村/西尾 16位
10-2-18-40-1-39-17-(BFD55)
今大会を通して感じるのは、圧倒的練習不足です。
団体戦の総合入賞を見据え、全日本個人戦での自艇の目標は入賞(6位以内)でした。
大会初日。2位を含め、ある程度のところで3レースをまとめて暫定成績は総合5位。まずまずの滑りだしのように見えました。大会2日目の初っ端。上一を狙うも、入れず…
しかも本船にタッチしてしまい一回転。回転を終えた後には、はるか前にみんながいました。しかも1上で挽回できず、前の艇と20秒ほど離れて最下位で回航。次のレース、気を取り直して、右展開を狙い上5ぐらいでスタート。意図しなかったものの、スタートが半分死にながら即タック。右への道がパァーっと開け、1上を2位で回航。ランニング/リーチングで逆転し、トップフォーン。これで、再び入賞が見えてきました。しかし、3レース目は中盤より少し前を走っていたのに、崩して39位。後がなくなり、迎えた4レース目は10番後半。最終日の1レースを残して、早々に入賞圏外。入賞まで30点差。
「明日は次に繋がる1レースを!」と励まされるけど、やっぱり悔しさが込み上げてくる。最終日を待たずして、入賞争いをする権利がないんだ、同じ土俵で戦えないんだと。
目の前で、壮絶な優勝争い、入賞争いが行われているのに、僕たちは蚊帳の外。あの時と同じだなあと。一ヶ月後の秋インの団体戦では、「次」がないかもしれない。
そして最終日。今までと同じミスはしないと誓い出艇。下からスタートを狙う。やけによく見えてた気がした。スタート5秒前、はっきりとアウターと本船を確認。3秒前、上の集団が高い!、あっ、上が出た。でもこっちはまだスタートラインまで距離がある。自分の周りの船のバウの高さをもう一度確認。これ以上最後の一引が遅れては負ける。カチカチ。最後のひと引き。周りとバウを揃えながら、スタート。
結果、BFD。自信があったはずなのに…実力不足を痛感させられる最後でした。
全スナ、全個で計17レースをやったうち、自分たちのプラン通りのレース展開に持ち込めたのは全個の1日目の2位のみ。17分の1。
今回の成績で褒めてくれる人もいる(その気持ちは嬉しいのですが)けど、これは間違いなく重く受け止めるべきだと思います。
このアップダウンができてしまうのは、一言で言うと「ヨットレース」ができていないから、と某伝説セーラーが教えてくれました。レース前にどれだけ勝利へのプランがあるか?そして、それを実行する意志の強さはどれだけか?そして、それをこなすだけの技術があるか?
こうすれば勝てる!ような、自分なりの明確なイメージを持って、それを実現すること。レースで勝つ「コツ」のようなものを意識して戦う。それこそが「ヨットレース」。
そうすれば、最終レースまで粘り強く土俵に残り続けることができる。そして最後の最後に決着がつく。
それができたら、最高に楽しいよ!とのこと。
その域に達して、ヨットの醍醐味を味わいたいです。
そのためには上達しないと、
冒頭で圧倒的練習不足と書きましたが、これまで通りの練習を続けて良いのかなあ?とも思います。練習不足には間違いないです。じゃあ練習量増やそうか?いや、冷静に考えて無理ですね。部活のオフの日を全て自主練につぎ込んで、台風の1日、遠征の移動日を含めたら、7/29からオフなし。なんと今日で41日連続(整備も含めてだけど)らしいです。この記録はどこまで増えるのかなあ?笑こんなにもヨットができて幸せです。
練習量がダメなら練習の質を高めるしかない。もっと頭を使って乗る。
成功/失敗したことを振り返るとき、コメントで終わってしまうことが僕は多い。今のタック、進まなかったよね。今のスタート、引き遅れたね。こんな感じで終わってしまうことがある。コメントでしかない。だから何?と突っ込まれても仕方がない。
じゃあ、もうちょっと深く考えて、今のタック進まなかったのは、移動後のハイクアウトが遅れたからだよね。でも、これでも失敗した原因についてコメントしたに過ぎない。
コメントの域を出るには、じゃあどうすればもっとハイクアウトに早く出られるのか?を考える必要がある。移動のタイミングがずれている?移動の時にちょいヒールがかかっていのが良くないのか?ハイクアウトベルトの吊り具合が良くないのか?持ち替えで時間ロスがあるのか?
どうすれば改善できるのか?どんな練習をして克服すれば良いのか?まで考えて初めて意味のあるものとなる。
昨日の反省が今日活きたかどうか?を意識して練習したいです。今日よりも明日、明日よりも明後日、どんどん上手くなろう!と小松さんの声が聞こえそうです。
「試す→成功具合の判断→その原因の追求→改善策→試す」
このサイクルをいかに早く回せるのかが重要だと、上手い人は口を揃えて言います。
極当たり前のこと。別にヨット以外でも通じる話です。でも、ヨットに長く乗っていればいるほど、疲れてくればくるほど、マンネリ化してしまい、このことを忘れてしまいがちです。
最後の表彰式の時。
入賞チームが読み上げられていった。
実力不足なのに、それでもやっぱり悔しかった。入賞が一瞬でも頭にチラついたからこそ
感じたのかもしれない。あの激戦を自分も繰り広げてみたい。そして、メダルを、旗を、とる。持ち帰る。そのとき、どんな景色が待っているんだろうなと。
それは間違いなく険しい道だと思う。1位〜3位まで同点。それでも点数差に現れない差で勝ち負けが決まる世界。表彰されてもなお悔しさが滲んでいる。だからこそ、「一位」は特別だし、輝いている。
経験もない、まだ実力もない、僕らにとって、まだ遠いかもしれない。
どんだけ努力したって、どんだけヨットに注ぎ込んだって、そこに到達できないかもしれない。それでもやっぱり、目指したい。それだけの魅力を感じた。
ヨットの上手い選手が全国にたくさんいた。
入賞チームのほとんどは3年生以下。来年も、その次の年も、そしてその次もある選手だっている。
上位を独占していく某大学は、惜しみなく練習に時間を使っている。事前練習でどの大学よりも早く出艇し、誰よりも長く練習していた。これからまだまだ強くなるんだろうなと、一目見れば伝わってくる。
そして、めちゃくちゃ楽しそうにヨットをする。覇気を感じる。
それを打ち崩すには、生半可な気持ちでは到底勝てない。
出直してきます。
全スナも含めて2週間にわたり、ハイレベルな中でヨットができたのは本当に楽しかったです。ここでしか分からない、ここでしか経験できないことが多くありました。
こんな貴重な機会を頂けたのも、練習環境を整えて下さったり、遠征を援助して下さったLB様をはじめ、温かく声援を送って下さった皆様のおかげです。ありがとうございます。
また、チームのみんなが快く送り出してくれ、レース速報を出して盛り上げてくれたり、応援メッセージを送ってくれたりしました。部のみんなからの応援が励みになりました。本当にありがとうございます。ここに書ききれなかったお土産話がまだまだあるので、いっぱい伝えたいです。面白いスクープは入手できていないですが笑
みんなで全日本の舞台に行けるようこれから頑張ります!!
最後にこのような素晴らしい大会を開いて下さった大会関係者の皆様にも感謝を伝えたいです。
非常に楽しかったです!
西尾拓大
わざわざ蒲郡で来てコーチングして下さった矢野さんと一緒に。
ありがとうございました!入賞は次回にお預けですが…