降って来るもの

写真と散文とぽえむ

心訓抄Ⅱ.38

2018-11-20 06:09:14 | 心訓抄.Ⅱ

              38.点火


何が火を点けるのか

不明だけれど

ある瞬間

突然に点火する


暗から明へ

不通から開通へ

無から有へ

switchがONになる


それはきっと

僕が誕生を約束された

天啓の奇蹟と

酷似しているに違いない


其処から

新しいもう一つのイノチが

紡がれてゆくのだ


僕が僕のイノチの旅を始めたように

僕のもう一つの物語は

点火したその瞬間から

紙とペンと分秒で記録されてゆく


               39.天賦の


書くことで生きている

書くことで呼吸している

書けることで

inochiを運ぶ

書いていることが

僕を僕にしている

きっと天賦の

唯一の恩恵に違いない


この一秒が

この一行が

この一編が

僕を前へと動かしてゆく


イノチを刻む一ミリを

その刹那に起因する一片を

僕はwriterとして

書き付けてゆくのだ


それはただ

僕のための絡繰りなのだが

同じ移ろいに

居合わせる数多の同胞harakaraに

共鳴者は居ないかと

手段を駆使しては

同行者を募集するのだ


雑踏のビラ配りのように

些かの虚しさを抱えながら

宛てない同胞の

アナタを探すのだ

コメント
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