発信を
僕はたくさん、たくさんの僕を
書いているので
書いてきたので
凝縮された想いが
その内に、拡散し始めないかと
いつでも
小さな棘のような
危惧を抱えている
けれど
それでも好いのだ
他人の誰かが
その曖昧さで、僕を判断したとて
決して、間違ってはいないのだから
僕の内部にも
数え切れない程の僕が居て
きっと、全部の僕など
知りようもないのだ
僕はただ、どの僕かが書いた
僕の言葉を
誰かの胸に据え付けの
情情受信機に向けて
ひたすらに
発信を続けるのみ
そのうちに、僕自身が
本当の僕に出会えるかも知れないと
ほんの少しの愉しみと
そんな巡り会いに
ほんの些細な夢を付与して・・