Children in museums Award 2024 レポート【美術館・幼稚園訪問編】

こんにちは。東京おもちゃ美術館 運営部 チーフディレクターの貝原です。
Children in museums Award 2024 レポート【前夜祭・プレゼン大会編】 【表彰式編】に引き続き、【美術館・幼稚園訪問編】をお届けします。
今回でレポート最終回です。



■■■ベナキ・トイ・ミュージアム訪問
キプロス共和国から隣国のギリシャに移動しました。
ベナキ・トイ・ミュージアムは、ギリシャを代表するベナキ博物館の分館で、ギリシャのおもちゃを中心に各国のおもちゃを展示・収集しています。

「おもちゃ」に特化して展示する美術館という事で詳しくお話を伺いたく、事前に先方に連絡を取り、キュレーター2名からお話を伺うことができました。
ギリシャで出土した紀元前の人形から、現代のバービーまでのおもちゃの収集理念、展示の工夫、ギャラリーツアーなどの教育普及活動について1時間半にわたりお話することができました。

特に、寄贈を受ける際の工夫は、当館でも取り入れることができそうだと感じました。
おもちゃは生活に寄り添ったもののため、そのおもちゃのオーナーがどのように使っていたのか、誰が作り、誰からもらったなど、そのおもちゃのストーリーを含めてヒアリングし、その情報をギャラリーツアーで話す内容にも組み込んでいるという事でした。




■■■幼稚園訪問
ギリシャの首都アテネから、サントリーニ島に移動しました。
サントリーニ島は人口約2万人、幼稚園は4件あります。
公立と私立(ギリシャ正教が出資している)に分かれているとのことです。

訪問した時間は、ちょうどお迎えで保護者が幼稚園の入口でたくさん待っていました。
お話を伺った所、サントリーニ島は治安が良いので小学生くらいになると1人で登下校も可能との事で、子育てに向いているとの声がありました。

ただし、夏になると気温が45度を超えることもあり、40度を超えると外にはなるべく出ないそうです。
そのためなのか、訪問した幼稚園は2件とも園庭がかなり小規模でした。




■■■プラントイ・ギリシャ店
2024年度のグッド・トイにも選ばれているタイのおもちゃメーカー「プラントイ」のギリシャ店が、宿泊していたホテルの徒歩圏内にありましたので立ち寄りました。
日本未発売のシリーズが置かれていたり、陳列方法に工夫があったり、また、立地が高級ブランド街の一角にあったため、お客様の層の住み分けなど興味深い体験となりました。




■■■最後に
さて、10/2(水)~9(水)までの行程を振り返りましたが、2か月たった今でも昨日のことのように思い出されます。

世界に目を向けると子どもに特化した美術館はいくつもあります。しかしおもちゃ美術館は「多世代」という目線を崩さず、「おもちゃは0歳~99歳まで楽しめる」「おもちゃを介したコミュニケーションを多世代でおこなう」という体験を提供しています。この部分がアワードで評価されたことは、一職員としてとても誇りに思います。

また、行程を共にした杉本は、法人会員の皆様との学びの旅「スタディーツアー」で楽しめそうかという目線でも各施設を見ていました。ベナキ・トイ・ミュージアム(ギリシャ)、The Museum of Solutions –MuSo-(インド)、ソウル子ども博物館(韓国)など、法人会員の皆様も興味がありそうな施設の皆さんと繋がりを持つことができました。世界中のキュレーターと話すことができる機会は、人生でも滅多にあることではありません。前夜祭や後夜祭などのリラックスした状態でざっくばらんに自分の施設の話をできたことも、私にとっては財産になりました。

そして、行程中は「おもちゃの力」を感じずにはいられませんでした。つたない英語でもおもちゃに助けられた場面はたくさんありました。今後はこの度の経験を活かし、館内業務に臨みます。

パワーアップした東京おもちゃ美術館に、是非遊びにいらしてください!

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