しばらくカメラが続いたので、O/Hの時計が増えて来ました。まず、このモデルはセイコーマチック・ウィークデータ 6218-8010(35石)ですね。非常に人気のあるモデル。手巻きはないので、ゼンマイ量が少ないと進み方向です。
キャリバー6218Cで1967年3月製造は最終の頃のようです。
四番車をレバーで止める秒針規正装置付で歩度調整には微動緩急調整装置は歯車式となって微調整が可能となっています。
特徴的なのは、日車と曜車が段付きになっていること。文字盤から見ると、日車が奥まって見えるんですね。以後のモデルでは同一面になるように改良されていきます。
機械の状態は良いと思いますね。輪列を組んでいきます。金色が規正レバー。
マジックレバー式の自動巻き機構をセットして、ケーシングをしたところ。回転錘のベアリングは摩耗気味で、受けに接触した形跡がありますね。
ケースは全体的に研磨をされていて、角が丸くなっちゃってますね。ベルトのラグ幅は19mmですが、この個体には18mmのベルトが装着されています。現在は19mmの選択肢は少なくなっています。
もう1台のモデルは、うちでも良く紹介している56系のキングセイコー5626-7000と定番のケースですが、やりにくいワンピースケースなんですね。ロードマチックの5606A(6振動)を改良して8振動化した5626A(日付曜日付)が搭載されています。
ワンピースケースのため、簡単に歩度調整が出来ないので、ラグ間のネジをを取り去って、ドライバーを差し込むことで、調整が出来るようになっています。
ベゼルを取り外してみましたが、腐食は多めです。風防ガラスを専用工具で取り去って、機械を取り出します。
腕時計の軸配置は基本的にはモデルが異なっても、ほぼ同様の設計が多いのですが、この56系はセイコーの異色作として、全く異なるレイアウトで高機能をコンパクトに纏めることに成功しています。
8振動化のためゼンマイも強化されています。豪華?にゴールドで区別をしています。
輪列を組んだところ。全く配置が異なっています。
8振動化に伴って、ガンギ車、アンクルなども専用部品です。極端に曲げられたアンクルに注意。
日の裏側を組んでいきます。カレンダーを送る日送車をセットします。
日車をセットしました。ピンセット先は日車と曜車を早送りする揺動レバーで、この機械のウィークポイント。ギヤの破損により早送りが出来ない個体が多数あります。幸い、この個体は正常に早送りすることが出来ます。殆ど早送り禁止時間帯(9時~1時)に無理に操作したことが原因でしょうね。でも、調整するのはその時間帯なんですよね。
この個体は、ワンピースケースですが湿気が侵入したようです。56系の文字盤は弱いと見えて、このように腐食劣化しているものが多いです。時分針の中央の黒線はプリントなので、不用意にピンセットでつまむと剥離してしまいます。
自動巻き用の一番仲介車をセットして、ベアリングに注油をした回転錘をセットします。錘の裏側がかなり腐食が激しいです。材質は何なのでしょうね?
ワンピースケースなので裏蓋はありませんが、メダリオンが付いています。しかし、ちょっと輝きが変ですね。左が私所有の同モデルですが、ピカピカ光っています。右は金色の塗料で塗装をしたような輝きの無い濃い金色をしています。最近は、複製パーツも出回っているようですが・・
5振動機と8振動機で作動音は全く異なりますが、どちらも中々優秀な歩度を示しています。ケースは両方とも研磨をされていますが、エッジが立っていないのが惜しいですね。研磨は非常に難しいです。