今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
(お問合せ)tomytmzk@titan.ocn.ne.jp
 

大きな段ボールに色々入ってましたの巻

2014年09月08日 20時58分50秒 | インポート

Img_505822少し前に大きな段ボールが来ていましてね。さて、カメラ1台に大きすぎるなぁと開梱したところ・・あぁ。そうでした。リペイントのご希望でしたかね? まぁ、それ以外のものを先に拝見しましょう。でも、このPEN-FTは30万台のトップカバーが付いていますが、付け替えですよ。たぶん、10万台もずっと初期の個体でしょう。




Img_505665 一緒にプレゼントが入っていました。ありがとうございます。私がヒコーキ好きとご存じで、食玩のプラモデル。九六式陸上攻撃機ですね。開戦劈頭、イギリス東洋艦隊の旗艦、プリンスオブウェールズと?パルスを発見した武勲の索敵機ですぞ。「1145敵主力艦見ユ・・駆逐艦三隻ヨリナル直衛ヲ配ス」作戦緊急信を全軍に打電した。このシリーズは飛龍は持っています。また、ペンのゴム印も市販されているんですね。
https://www.youtube.com/watch?v=vE6_s1Tg0Ps


Img_505967では、ズイコー42mm f1.2から。このレンズは曇りが多いのですが美品ですね。持ってる人は持ってるんだなぁ。。しかし、これも持病。絞り羽根が復帰しません。また、ヘリコイドにガタが多いですね。









Img_506122露出が変ですね。鏡胴を分解しました。変質したヘリコイドグリス(左)が絞り羽根機構(右)に流れ込んでいるのです。すべて洗浄してヘリコイドグリスを交換します。










Img_506015スムーズに作動するようになった絞り羽根。












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殆ど使用感の無いすばらしいコンディションの1本です。















Img_506477次はTRIP 35 ブラックです。PEN-EESをそのまま35mmサイズに直したようなカメラ。ハーフではどうも。というユーザー層の旅行用カメラとして大活躍をしたカメラですね。社内コードはLEE-7。因みにPEN-EE3はHLEE6です。








Img_506299こちらも良いコンディションで、メカは特に問題はありません。露出計の感度が低下ぎみとファインダーの汚れが気になりますので清掃をしています。









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調整抵抗を交換してEE精度を出しておきました。












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旅行用の記録カメラとしてはブラックは少ないのではないでしょうか。その意味では貴重な個体です。


ROLEX DAY-DATEに似ているなぁの巻

2014年09月07日 22時02分34秒 | インポート

Img_503764すみません。ホワイトバランス間違えています。良くは知らないのですけどね。なぜかロレックスに似ている時計ですね。中身の機械はETA2846となっていますが、先日のチュードルと同じはずですけど、何となく作りが良くない気がします。中華ETAなのでしょうかね。まぁ、構造は同じなのでサクサクとO/Hをしています。





Img_503877裏側も全く同じですね。過去に分解歴はないようです。











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はい、ここからホワイトバランス戻りました。要するにロレックスに似せるために改造をしてあるわけですが、まぁ、ETA2846が使われているのはスーパーコビーとか言われるのでしょうか? 日車はオリジナルの上に貼り付けてあるようです。








Img_504002ここで、曜車を止めるEリングを紛失してしまいました。ちょっと梨を口に入れた瞬間に四次元の彼方です。仕方ありませんので、内径1.5mmの汎用Eリングをオイルストーンと砥石で0.35→0.15まで薄く削って作りました。エンジンのタペットシムを作っているみたい。







Img_504226日車のセット方法は、改造されているため知恵の輪的な方法が必要です。文字盤のサイズが大きいため、真鍮のリングにセットしてから地板にはめ込みます。したがって、文字盤は固定されません。









Img_504331針を着けましたが、文字盤が固定されていませんので、すごくやりずらいですね。また、インデックスのダイヤ?の背が高いため、針は不自然に上方に曲げなればなりません。









Img_504453自動巻き機構を着けると歩度調整が出来ないのでまだ着けていません。外周の真鍮リング(ラグ)は機械とは固定されていませんね。機械留めで抑えています。










Img_505361歩度調整をします。素性は悪くはありません。天真の摩耗も少ないようです。












Img_504868一見きれいに出来ていますが、やはりケースの仕上げは粗いです。風防のカレンダーレンズの位置が微妙に上にずれています。文字盤を回転させて、違和感の無い位置に微調整します。その他、裏蓋のローレットの加工も精度が甘く、工具が密着しません。







Img_505203本物だったら100万円以上するのでしょ? ロレックスはコピー品が多いようですけど、ネットで普通に販売していますね。良いのでしょうかね?
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きれいなフジカ 35-EEのO/Hの巻

2014年09月05日 21時08分37秒 | インポート

Img_500254フジカの35-EEという大きくて重いカメラが来ましたよ。重量を測ると810gでした。革ケースに入って保管されていたようで、状態は非常にきれいです。レンズも傷もなく、わずかにカビがある程度。これは、簡単にメンテナンスと思いましたが、いえいえ、結構手間が掛かってしまいましたよ。この時代(1961年)はカメラはまだ高級品で、この重さでは、女性が使うのはちょっときびしい感じです。大きな格子状のセレン光電池が印象的なデザインです。


Img_500384 通常のピントリングはこの位置のダイヤルになっています。PENの巻き上げダイヤルのような感じですが、使い勝手はどうでしょうね? ピントリングは鏡胴の大きな操作部の方が使い易いと思いますね。まぁ、デザイン的特徴を出そうとした設計なのかな?






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絞りリングを左に回してAUTOにセットすると、レリーズボタンがびょこんと飛び出してきます。ヴィテッサのようですね。










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セレン光電池の露出計はほぼ正確に作動します。しかし、さすがにオレンジ色の針の塗料はめくれ上がって剥離しています。










Img_500757_2 距離計連動のファインダーが左にオフセットされている関係で、巻き戻しダイヤルはボディー側面にあって、ウォームギャーで連動されています。









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底部です。このシリーズは巻き上げレバーは下側にあります。真ん中に駒数カウンター。








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トップカバーを分離しますが、そのままでは抜けません。ピントダイヤルのイモネジを緩めて反対にひっくり返します。










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こんな感じに分離できます。











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露出メーターの針です。非常にオリジナル性の高い個体ですので、なるべく修復はしないつもりでしたが、ピンセットで触れるとパラパラと落ちてきますので塗り直すことにします。




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ファインダーはプリズムが奢られています。各レンズ間に汚れが侵入していますので、すべて分離して清掃をします。巻き戻しダイヤルのウォームギャが良く分かります。プレスの安物ですが、作動のフィーリングは良いですね。







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露出メーターの針を塗り直してあります。











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マスクを取付けて・・













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ちょっと見にくいですが、前面下にEE用のギロチンがあります。











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何か長くなりそうだなぁ・・。底部のリンケージ。ネジの緩みがあって、もう少しで作動不良になるところでした。各部のグリスUPをしておきます。










Img_501881シャッターはFUJI SYNCHRO MXL。1/1000秒が搭載されています。したがって、作動バネは非常に強いものが使われています。で、1/15が全く制御されていない(1/15からカム山が変わるため))時があるようです。









Img_503210このシャッターは過去に分解歴がありますが、原因は、12時位置のネジのスリ割りが笑っていますね。スローガバナーの位置が不適当で、ピンセット先のレバーがコントロールできないのです。









Img_501955レンズは大口径フジノン4.5cmf1.9で、非常に解像度と発色が良い名レンズのようです。わずかなカビを清掃して、後玉と共にすばらしいコンディションです。










Img_503041トップカバーを取付けて・。露出メーターは厚いレンズとなっていて、倍率を上げて見やすくしています。











Img_503337清掃したレンズもきれいですね。












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カメラが重量級ですから、専用の革ケースにも金属フレームの補強が入っています。丁寧な作りというか、どんだけ重いんだよ。という感じかな。









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革ケースの上部は革が風化してボロボロの状態であったとのことです。革ケースがカメラを守っていたのですね。ファインダー下のボタン(?バー)は1/15以下にセットする時に↑に上げる。シャッタースピード優先EEを搭載した現在でもマニアさんに人気のカメラです。
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二眼レフflexaret automatジャンクをレストアするの巻

2014年08月31日 21時00分43秒 | インポート

Img_498255最近、一癖あるようなカメラばかり来るような気がするなぁ。。見慣れない二眼レフが来ています。フレクサットというカメラで、チェコスロバキア製です。懐かしいなぁ。共産圏のチャフラフスカ選手の国だね。で、状態は最悪に近い。見事にどこといって稼働するところがなく固着状態です。レンズも前玉が汚れによる曇りというよりは、ガラスがブラストをしたように荒れている感じですね。さて、このカメラ、裏蓋の開け方知ってる?


Img_498394 取りあえずレンズを取り外してシャッターを動かします。レンズはベラーレンズ3.5/80で、シャッターはプロンターSVSが付いていますね。30φのレンチがないのでゴムベルトで外します。







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レンズは後玉にも曇りがありますね。シャッターは過去に分解されています。シャッター羽根が完全に固着した状態で、フリコのピントレバーも固着しています。








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レンズの外周部分が特に荒れていますね。これは軽く研磨することになります。












Img_498715ビューレンズも分離しました。こちらも曇りが多いです。内部のミラーはめっきの劣化が進んでいて、ファインダーはかなり暗そうですね。










Img_499275シャッターは清掃注油で作動状態としてあります。ヘリコイドグリスの劣化による固着を清掃して新しいグリスを入れてありますが、画像のビューレンズのねじ部やレンズ押えにも細かな砂が混入しています。じゃりじゃりの状態。細かい髪の毛が混入していましたが、元のオーナーさんはブラウン色の髪の毛ですね。






Img_499352分解したところ。前玉はすでに研磨してあります。














Img_499425ミラーの劣化もあると思いますが暗いですね。しかし、ピントの山は確認できます。











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ピント用の拡大ルーペも曇りがありましたので研磨してあります。











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裏蓋は親指のノブネジを緩めて押せば開きます。ネジを締め込んでおけば、不用意に蓋が開く事故を防げます。










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現在は存在しない国名ですね。現在はチェコ共和国とスロバキア共和国に分かれています。









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プロンター付は少ないのでしょうかね。仕上がって見れば、特に損傷はない個体でしたが、シボ革はかなり黄ばんでいるようです。










Img_499614巻上げダイヤル側。セルフコッキング式ですが、巻き上げ感触はかなり重いですね。内部のリンケージをO/Hすれば、もう少し軽くなるのかも知れませんが、シボ革が剥離に耐えないと判断して断念しました。レリーズボタン上の丸レバーはロック機構。
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TUDOR プリンスオイスターデイトを修理するの巻

2014年08月28日 19時25分38秒 | インポート

Img_488603_2ロレックスの廉価版の チュードル2846です。使用時とワインダー装着時にも原因不明の止まりが発生するとのことです。









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自動巻きのカレンダー付ですが、機械はスイスETA Cal2846を搭載しています。文字盤は私の好きな落ち着いた紺色ですね。しかし、高級機にしては、文字盤の細部の仕上げが甘い感じがして、こんなものなのかなぁ? もしかしてリダンなどの可能性もあるかも知れませんね。






Img_495584自動巻き機構を分離して点検しながら分解をしていきます。じつは、止まりの原因が10時位置の日送車だったことに気が付いていません。










Img_495853中々仕上げのきれいな機械ですけど、各受けを留めるネジの頭が小さくて、過去の分解でスリ割りが破損しています。











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全て洗浄をして組み立てていきます。止まりがあるので、各歯車に損傷が無いかを注意深く確認しています。











Img_496196特に損傷は見当たりません。













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天真に多少の摩耗がありますが、元気よく動き始めました。しかし・・










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日の裏側の歯車を組んで文字盤と針を着けてエージングで様子を見ました。が、止まりが発生しました。どうも日の裏側に原因がありそうです。










Img_496711不調の原因として目星をつけたのが日送車。回転が一部重くなる場所があります。これによって、ゼンマイのトルクが食われて止まり現象が出るのでは・・回転をスムーズに改善してからは止まり現象は出ていません。








Img_497364ケーシングをして自動巻き機構を取り付けました。本体よりも自動巻き機構に摩耗によるガタが目立ちます。オーナーさんはワインダーを使用されているとのことですが、過度の使用は摩耗を進めることもありますのでお気を付けください。








Img_497411裏蓋のパッキンにシリコングリスを塗布して取り付けました。サブマリーナのようなこれ見よがしでない大人しいデザインが国産時計のようで違和感がありませんね。12時位置に大きなバラが特徴のモデルですね。
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