今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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フィルム回帰のPEN-W

2011年02月18日 22時10分40秒 | インポート

Dscf212932 オーナーさんはお若い方だと思いますよ。お手紙では「半年前にはフィルムカメラに全く興味は無かったが、ハマらせてくれたペン」とのことです。そうですか、毎日修理をしている私としては、そんな魅力があるのかとうれしくなりました。で、半年前からのPENファンさんとしては、程度の良いPEN-W #1250XXを入手されていますね。シャッターは不調ですが、レンズは非常に良い状態ですし、本体も中々よろしい。通常のO/Hで特に問題点や書くこともないと思いますね。

Dscf214077 トップカバーの裏側は塗装はされていないのですよ。私のリペイントは裏側も全て塗装をして真鍮の酸化を防止するようにしています。この個体は過去に分解を受けていますが、ファインダーのカバーを分離してみると、うちに来る全ての個体は再接着時、その前の接着剤を取り除いていません。そのまま接着剤を塗布しているのでファインダーブロックと密着せず、隙間だらけになっているのです。私は、全て必ず清掃をします。こういうところで手を抜くか抜かないかで仕上がりが違ってくるのです。ところで、ガラスやレンズを接着している接着剤ね。茶色ですね。PEN-Wの頃でこれは珍しいですね。この接着剤はPENの初期個体に使われていることが多いのです。すわ、PENのファインダーか? いえ、PEN-Wのファインダーに間違いありません。

Dscf214214 シャッターも分解されていましたよ。その時もシャッター羽根の開閉が不調だったのでしょう。リターンスプリングを弱く曲げられていました。そうじゃないのですけどね。消耗は少ないので今回のO/Hで快調となっています。オーナーさんも「なんとか元気になって欲しいと願っています」とお書きになっていますが、大丈夫、絶好調ですよ。

Dscf214688 この個体も、内部に管理№のシールが貼られていますので中古屋さんで購入されたのでしょう。特に欠点も無く、したがって書くネタもないという平和なカメラですが、私としてはUPしにくいカメラでしたね。まぁ、良品ということで何よりでした。