今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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新年はコダック・シグネット35から

2013年01月02日 11時29分55秒 | インポート

Dscf032805_2 みなさん、新年おめでとうございます。今年もよろしくお付き合いのほどお願いいたします。今年は正月休みが長く取れることから、帰省や旅行に行かれたいる方も多いことでしょう。私はと言えば、特に予定も無く、初詣は人波が収まってからと思い、大晦日から珍しいカメラを手掛けておりましたよ。最近、PENが少なくなって、こういう機種が良く来ますね。PENファンは頑張ってもらわないと。。で、コダックのシグネット35と言うカメラで、ミッキーマウスとの愛称もあるようですが、PENに慣れている目には、なんとも異質な文化を感じさせるデザインでした。コダックがフィルムの拡販目的で製造したような印象もありますが、純アメリカ製のカメラだそうです。しかし、この軽合金の質感はどこかで見たような? あっそうだ。アメリカの古いコルゲートのステンレスバスのような、コーラの自動販売機のような・・シャッターも良いなぁ、アメリカ的というか、大らかで、絶対に故障しない気がします。PEN-Sの繊細なシャッターと比べたら、あぁ、こんなのでも機能は果すんだという見本みたいな機械。下部のレバーは二重露光レバー。

Dscf032904 おぉ、このダイカストのトップカバーはすごいね。厚いところで2.5mmあります。クラシックカーのタペットカバーみたいだ。機構も簡略的ではあるが、ちゃんと距離計連動ファインダーです。三角形のフレームがお洒落。ハーフミラーが不良の個体が多いようですが、この個体はきれいです。途中で入換えられたのでしようか?

Dscf033004 アンダーカバーは黒の樹脂製です。底部のリンケージも簡単な構造ですが、作動は良く考えられたギミックで興味深い機構です。

Dscf033103 面白くて分解している間に画像を撮り忘れちゃいました。全体にコンディションの良い個体ですが、軽合金のヘリコイドはグリスが完全に抜けて、鏡胴がグラグラの状態でした。グリスアップで滑らかになっています。シャッターはアンクルやガンギ車の軸が磨耗ぎみです。洗浄メンテナンスをしてあります。ミッキーの耳に相当する大きなダイヤルはこれが非常に操作性が良いですね。トップカバーをラフにセットすると、中央のカウンターギヤが噛み合わず、作動しないので、私は糸で引っ張りながらカバーをセットしました。レンズはシャープな写りの銘玉エクターで、製造番号の頭がREですので、1954年製ということでしょう。写っている腕時計の方が、ちょっとお兄さんですよ。

Dscf033202 画像が少ないので・・この軽金属の素肌感は無塗装のマスタングみたいだな。

Dscf033302 で、元日は、自分用のセイコースポーツマチックを組んでいました。なかなか素性の良いユニットです。風防ガラスを交換したくて、現在、部品屋さんに手配中ですけど、まだお休み中ですね。因みに、この時計は1964年製ですから、10年の差があります。シグネットは玉数も多く、市場価格もこなれているようですから、1台は所有してみたいカメラでした。飾っておいても良い雰囲気ですね。

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