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カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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SEIKO 61GS不動を何とかするの巻

2015年09月18日 21時22分46秒 | ブログ

グランドセイコーファンのご常連さんから61GS (6146-8050)の不動個体が来ています。製造は1972年のようですから後期型になるようですが、ブルー文字盤と3面カットの風防ガラスと特徴的なケースはGS中でも少数派になりますね。

外観は手垢汚れが激しい、使いっぱなしの状態ですが、メダリオンは磨滅も無くきれいに残っています。なぜ動かないのか?

 

裏蓋が親の仇状態で開けるのに苦労しました。どうも水が入っているようで、回転錘も腐食気味です。calは日曜カレンダー付ですから6146Aで、シリアル№付きです。テンプをアシストしても全く動かない。トルクが来ていないのです。

すべて分解洗浄をして各部品を点検して行きます。致命的な部分はありませんが、全体的に水の影響がありますね。

 

分解不可の香箱は10振動ですから強力なバネが使われています。輪列を組んでザラ回し・・

 

受けも一体式で組み易い機械です。テンプを載せて・・10振動ですから最初の起動性は良くなく、ちょっとピンセットでアシストすると動き出します。ゼンマイも巻き上げていないので・・また、カンギとアンクルへの適切な注油が重要です。

回転錘は腐食です。材質は何なのでしょうね。質量の重い合金でしょうけど、腐食部分から樹脂のようなものが出て来ますね。きれいに磨いておきます。

 

 文字盤と針をつけて機械をケーシングします。自動巻き部分を載せて、回転錘を取り付けます。特徴的な小さなネジ2つです。なんか頼りない気がしますね。

 

どんな状態でも流石にGSです。そこそこ良い感じになって来ましたね。

 

 

 洗浄をしておいたオリジナルベルトを取付けて完成です。ケースはカットを強調したデザインですので、あえて研磨はしないことにします。このケースは尖ったエッジが命ですから。

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