私のところにはあまり来ないリコー・オートハーフですね。E型はS型からセルフタイマーを省いたタイプ。中学生の時の修学旅行でクラスのお金持ち風の女子が持って来て撮影していたのを記憶しています。正直な印象は「変な形のカメラだなぁ」でしたね。鉄道模型を趣味にしていたので、車両の貫通ホロに見えたっけ。作動には特に問題は無いそうですので、軽くメンテナンスということで・・
キヤノンデミと同じもなか構造の前面カバーを外します。上部に露出計AE機構と下部にはゼンマイの巻上げ機構が入っています。小さく決められた空間に良く収まっているものです。PENとは違った意味で感心しきりです。
そのPENと同様なファインダーを分離して清掃します。本体は樹脂製ですが対物レンズはガラス製。
設計者は理研光学の技術者、安宅久憲氏で、このE型は1966年の発売。レンズの製造は富岡光学で焦点距離2.5mにピント固定されています。シャッターユニットと本体とのモルトが劣化しています。
最初の点検で、露出計の針の振れが小さいように感じましたが、どうもセレンは純正以外のものに交換されたようです。カバーの熱カシメがやり直されています。
シャッターに2枚重ねになっているレンズと絞り機構を取り出して清掃します。
精工舎製のシャッターユニットを外します。劣化したモルトの清掃。
劣化したモルトを取り除きました。
洗浄注油をして、新しいモルトを貼ります。
しかし、ミルフィーユのような隙間にスローガバナーの歯車が見えます。
チャージの必要が無いシャッターをロックレバーを解除して作動を見ます。
ゼンマイ機構に注油をして前カバーを付けます。ダミーフィルムを装填して作動を確認します。なかなか調子が良いです。
ね、電車や気動車の妻板に見えるでしょ。前面のアルマイト板は両面テープで貼られているだけで、特注などもあって、いろいろなバージョンがありますね。厚みがもう少し薄ければと思いますが、まぁ、からくりカメラとしては最高傑作ではないでしょうかね。
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