「しばらく使用していなかった」と言うPEN-FV#1100XX、とのことですが、巻き上げのゴリ感と低速が少し? かな。という気もしますが悪い個体という印象はありませんね。圧板のリベットが片方飛んでいます。レンズは汚れがあります。
たぶん未分解でしょうね。接眼プリズムのホルダーがアルミ製ですので、FTで言うと10万台付近の個体です。
この頃の個体は光学系の劣化に気を付けなければなりません。プリズムのコーティングが曇っています。同じように見える場合でも、清掃で剥離する場合とセーフの場合。今回はセーフでした。
すでに洗浄をして組み立てて行きます。スプロケット軸を組んでいます。
シャッターユニットを洗浄しました。特に問題はありませんが、この頃はスローガバナーが改良前なんですね。その場合は注意が必要でして・・
ユニットを洗浄すると・・激しく腐食しているギヤがありますね。
一番の問題はギヤの摩耗。先日FTのオーバーホールをしたオーナーさんから「1/4に回す時に重くなる」とのご指摘がありました。昔から繰り返し書いているのですが、皆さんに周知されないのは私の非力。1/4からギヤが切り替わるので、シャッターダイヤルを1/4へ回す時に無理をするとギヤが欠けてしまいますと言ってますよね。画像のようになります。この個体は何とか作動をしていますが、そのうち低速不調になるでしょう。いえ、なります。
ま、何とか折り合いを付けて安定して作動いるように調整してあります。では、前板側とドッキングします。
ルーペと接眼プリズムを組んでいます。特に問題はない個体と思ったのですが、スローガバナーの調整で思わぬ時間が掛かりました。予期せず後頭部を叩かれる? ことは発生するものです。
すみません。バイクの部品を磨いていたのでUPをサボりました。実際の作業終了してすでにお帰りになりました。で、この頃からアイビース枠の留めビスが頭の大きな専用ネジから頭の小さな汎用ネジに変わったので、殆どの個体でネジ頭がプラの穴に潜り込んで割れています。プラの穴に対して僅かに頭の大きなネジを使えば、こうなることは分かりそうなものですけど・・
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接着補修をしてワッシャーを入れて留めておきます。
全反射ミラーは新品と交換してあります。セルフタイマー及び駒数計部分は初期のタイプが使われています。
圧板の上側のカシメが飛んでいますね。オリンパスの場合はこれが多いのです。部品の設計とカシメ方に問題があると思っています。使用過程で自然に脱落するものもありますが、乱暴に圧板を取り外そうとすると、破損の危険が非常に高いです。お気を付けください。
FV本体は、スローガバナーに問題がありますが、その他は非常にコンディションの良い個体です。付属の38mmを清掃して完成です。