北海道のINOBOOさんから来たのはリコーはリコーでも腕時計の方。ダイナミックワイドというモデルで、現在でも評価が高いです。しかし、秒針はうんともすんとも動きませんよ。だめなんじゃないの?
ダイナミックと言うように、ケースは大柄(ラグ19mm)で立派ですね。致命的な打痕や腐食は少ないですが、風防ガラスにも傷が多いです。
で、自動巻きのローターのベアリングにガタが多く、中心の留めネジの頭が半分折れています。
応急処置をしてもテンプまでトルクが来ませんね。輪列に何か原因があるのかなぁと思いましたら・・これかな? なんと、ローターの折れたネジ頭の半分が二番車に挟まっています。
原因が分かればなんとか動くようになるかな? すべて分解洗浄をしたところ。
ずいぶんと肉厚な地板だこと。もっと肉抜きは出来るでしょうに・・では、組立て行きます。
おもしろい設計の機械ですね。アンクルの形状を見てください。アンクルの丸穴の中にドテピンはなんと1本(通常は2本)の設計です。
組むとこのようになりますね。
口径が29mmと大柄の機械なので、テンプも大きく設計されているため、精度も優秀なようです。耐震装置はちょっと、しょぼい感じですが、分解組立はやりやすいです。
カレンダー機構の部品点数は多い方ですね。最後にバネを飛ばさないように・・
どこかの曜車に似ているなぁ。文字盤は厚くがっちりとした作りですが、曜車はペナペナに薄くて、過去の分解でヨレていますね。
自動巻き機構を組み込んでおきます。
文字盤と針を着けました。ケースはリューターによる研磨はせず、軽く磨いてあります。風防も。
タイムグラファーにセットしてみると・・とんでもなく200秒以上の遅れと片振りがあります。過去にどんな調整をされたのでしょう?
似てますよね。隣はもちろんパチモノのデイデイト。デザインの影響を受けているのでしょうか? おもしろいことに、文字盤にはRICOHの文字は見当たりません。W(ワイド)をブランドにしていてのでしょうかね。なるほど大型でダイナミックな印象。ケースの感じがセイコーで言うと手巻きのチャンピオンの雰囲気に似ています。