その前に、水銀電池型のアルカリ電池がありますよね。消耗した電池から電池アダプターが作れないかと考えていたのですよ。そこで、アルカリ電池を分解しても良いものか知りませんが、暇を見つけて内部を取り去りました。-接点は絶縁体から撤去せず、SR(LR)44がガタ無くセットできるように中心から拡大して行きました。
要するに市販されている電池アダプターからのアイディアです。
市販のものは、電圧降下機能があるわけですが、PEN-FTなどを見ていると、殆どの個体の露出計は感度低下があって、返って1.35Vに変換(なっていませんが)せずに、そのまま使用した方が感度補正になる場合が多いと感じています。ご覧のように電気的接触は完全です。私物の市販のアダプターをお客様のカメラに入れたままでお返しして、何個紛失したか分からないのですが、これなら廃物利用で作れますからね。尚、良い子は真似をしないようにお願いしますね。
OM用のZuiko 40mm f1.4ですが、グリス抜けの補修ご依頼です。しかし、このレンズの特徴か、ヘリコイド部の嵌合がガタガタですね。たぶん、永い期間グリスが抜けた状態で使われて来た結果でしょう。
グリスは完全に抜けている状態で、すべて分解をしてグリスを入れ換えましたが、アウター側は摩耗が進んでいるようで、ガタは止まりませんでした。ガタが出る前にメンテナンスをしてくださいね。
PEN用レンズにはないピントリングのゴムベルト。操作感はぐっと上がりますね。一度分離すると接着剤を着け直さなければなりません。
古い接着剤を清掃して、洗浄したゴムベルトを取り付けます。
次はPEN-F用の25mm f4ですが、殆どデッドストックのような個体ですね。しかし、重大な問題を抱えています。絞り羽根の作動がスムーズでなく、復帰が出来ません。羽根に油の付着は無く、他に原因がありそうです。
もう一つの問題は、ヘリコイドグリスが殆ど流化して抜けてしまって、ピントリングの回転が異常に重い状態。無理をすると損傷の可能性があります。まぁ、油もベチョベチョですけどね。
分離をして見ると内部も油が・・
未分解機でレンズは完璧です。汚れや損傷を与えないように注意。
絞り機構だけにしてみます。25mmの絞り構造はあまり好きだはなくて、どうしてこういう設計かなぁ?と思いますが、まぁ、優秀な技術者さんが考えたものですから、リペアマンが言うことではないですね。
作動不良(引っかかり異音)は絞り羽根の1枚(ピンセット)の作動ピンのカシメによって羽根に変形があって、それが上部カバー(ここには写っていない)と異常な接触をしているためでした。
羽根の修正とすべて洗浄の上組み立てました。スムーズに絞り羽根が開閉しています。
ヘリコイドが噛み込みを少しずつ潤滑して作動するようにしてありますが、殆ど未使用のこともあって、軽いグリスでも回転は重い感触です。しばらく使って頂ければと思います。
http://blog.goo.ne.jp/tomys800