桜の季節なのに天候不良が続いていまして、外に出ない日が続いていましたが、やっと日曜日にバイクに乗りましたよ。近所の公園を回って、辛うじて残っている桜の前で写真を撮りました。プラグ不良により、帰りはエンジン不調となって、古いバイクは日ごろのメンテナンスの大切さを身をもって感じました。
で、すでに作業は終了してお返しをした作業です。まず、PEN-Dですが、ファインダーの清掃のみのご依頼です。PEN-D系はファインダーは汚れているものが多いと感じます。トップカバーを外すと・・裏蓋上側のモルトが無くなっている状態ですね。オーナーさんのご了解を頂き、交換させて頂きます。
過去にファインダーの清掃を受けていますが、殆どの場合は、古い接着剤を完全に取り去らない状態で重ねて接着をするので、どうしても密着が悪く、隙間が空いて静電気の汚れが入りやすくなります。
清掃をしましたが、接眼レンズの内側に劣化があって、黄ばんだように見えます。本来はスカッと抜けたように見えますが、今回はこのまま使用とします。
PES 2.8 #4026XXは1964年4月の製造です。PEN-Sは長く生産されましたので、製造時期によっての仕様変更やコンディションも大きく異なります。この個体は、裏蓋の変質したモルトを長期に取り除かずにいたため、塗装が劣化をしています。
付着した古いモルトを清掃すると・・ご覧のようにすべて剥離をしてしまいました。ダイカスト本体まで腐食が進行しています。リペイントも可能ですが、今回はこのままとします。
巻上げダイヤルカバーの両端が変形していますね。これは過去の分解時の再組立の時に、トップカバーとの面一を考慮せずに組んだのが原因です。
シャッターユニットのオーバーホールをしました。この頃の製造機とすれば、消耗は少ない方です。清掃をしたシャッター羽根をセットして完成。
スプロケット軸、スプール軸を組み立てて行きます。
レンズの状態は過去に清掃を受けていて、コーティングは剥がれ気味ですが、悪くはないですね。
ファインダーのカバーは隙間の開かないように丁寧に接着をしてあります。巻上げた状態で、駒数板の12時位置に0か40が来るのが正規の組み方です。
PEN-Sは製造の途中から巻上げダイヤル軸の設計を変更していますが、この個体は変更前の仕様です。軸のガタを最小とするための調整として、厚さの異なる調整ワッシャーを組み合わせて個体差を調整しています。変更後は調整ワッシャー無しで組立が出来るようになっています。
定価8.300円、現金正価7.800円となっていますね。当時の価格は割賦価格とか、複数の価格表示をしてありましたね。