マミヤスケッチは難しいんだよね。スプールが太いので36枚撮りフィルムが使えないとのことで、改造が知られているようですが、そのご依頼とメンテナンスです。改造に交換するスプールは、なんと我がオリンパスPENだそうです。オーナーさんから部品支給用のジャンク(EE)が付いてきましたが、ナットが樹脂の後期タイプで、それがひどいことになっていて分解出来ません。仕方がありませんので「カニメ」にして分離しました。しかし、これは無駄な作業と分かるのは後のこと・・
しかし、見事なまでに前近代的な設計のため下部軸も含めて簡単には交換出来ませんよ。
巻き上げレバーのリターンスプリングがゼンマイだとか、かなり厄介な分解でここまで来ました。
で、スプール軸のスリップ機構はそのままPEN用にセットは可能ですが、オリジナルの長さは約35mmなのにPEN用は36mmあってカメラ本体にセット出来ません。
支給頂いたスプールはPEN後期のELタイプで下部に1mmの段付きがあります。中央の、それ以前のスプールは段付きは無く、オリジナルとほぼ同じ長さです。ということで、色目も合うしこのグレーのスプール(在庫のPEN-Sのなのに・・)を使うことにします。しかし、下部の軸孔がPEN用では大きくて、偏心して回転すると懸念します。
それではと、本来はブラ板で塞いでから軸と同じ径の孔加工をした方が良いと思いますが、今回は真鍮板から内外径に合わせたスペーサーを作って見ました。
こんな感じ。色が合っていて違和感がないですね。スペーサーによってスプール下部の偏心も全くありません。
それでは元通りに組み立てますが、なんとテーパーピンの圧入ですよ。
やはりファインダーの汚れは年月を感じますね。
残念なことに、繰り出しに同調して動くレンズが接着剥がれで紛失しています。前回の個体も同様でした。剥がれやすいのですね。
前面ガラスは割れていたため、オーナーさんが特注で調達されたようです。このぐらいな私も作れますけど。
すみません。土曜日は定期健診の日でして、新宿の病院まで行ってました。風邪が完全に回復していないので、帰宅後は作業をする気力が無くなってました。で、本体にファインダーを取り付けて、ファインダーの前面保護ガラスを接着しておきます。ここの接着は古い接着剤を完全に取り除いてから接着をしないと、ガラスの位置が高くなってトップカバーと干渉して薄い板厚のガラスですから簡単に割れてしまいます。
ダミーフィルムをセットしてフィルムの巻き取りを確認します。36枚目でスプールはこの太さです。余裕ですね。
非常に状態の良いマミヤスケッチです。シャッターは問題が無いため今回は手をつけていませんが、シャッター分解の時はシボ革を剥がさなくてはならず、薄く劣化しているシボ革ですから、モザイクのようにバラバラに割れる危険性があります。なるべくやりたくないですね。
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