正月早々から難物のPEN-F #1443XX です。まず、巻き上げが異常に重い。また、レンズを装着しなければシャッターは切れるが、レンズを装着するとフリーズしてしまう。トルクが出ていないようです。
トップカバーを開けてみると、過去に分解歴は無いように見えます。(ありました)ということは途中での分解が不具合の原因ではないということか・・
アクセサリーシューを使用されていた個体で梨地メッキに縦筋が入っています。FとFTでは接眼枠とトップカバーの当り部分の設計が変更されていて、Fはカバーに傷がつき易いのですがFTでは改良されています。それでもつきますけど・・
本体の洗浄後にモルト貼り、スプロケット軸、スプール軸を組み立てています。
シャッターユニットを点検して行くと・・あぁこれかな? 巻き上げギヤ列と地板本体との組立ネジが緩んでいます。これは稀にありますね。
レリーズ関係を取り除いてネジを締めます。巻き上げてもシャッターが切れなかったのは、この部分のナットを締めすぎていたため、ロックレバーが作動しなかったためでした。
メンテナンス後にシャッターテストをすると、低速が僅かに不安定なのでスローガバナーを洗浄メンテナンスします。
何とか調子を取り戻しました。ブレーキは特に悪さをしていないのでOリングの交換はしないことにします。
リターンミラーユニットは過去に分離されていました。なぜ? ユニットの作動は非常に重いです。
点検して行くと、↖のネジのスリ割が過去に絞められた跡があり、ぐらぐらに緩んでいます。ここは稀に緩んでいる場合がありますが、本来は裏側からカシメられているので緩まないのですが・・
作動不良の原因でしょう。ドライバーで締め込んだだけではすぐに緩んでしまいますのでカシメておきます。
この個体もリターンミラーユニットのテンションバネが強く張られていましたので標準に戻して組んであります。短絡的に動かないからバネを張るという考え方はよろしくないです。
当方の標準レンズ付けてのテストではフリーズはしませんでした。これでメカの組み立ては終了。無限調整をして行きます。