今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
(お問合せ)tomytmzk@titan.ocn.ne.jp
 

PEN-Fもやっとくかの巻

2024年01月03日 20時00分00秒 | ブログ

正月早々から難物のPEN-F #1443XX です。まず、巻き上げが異常に重い。また、レンズを装着しなければシャッターは切れるが、レンズを装着するとフリーズしてしまう。トルクが出ていないようです。

 

トップカバーを開けてみると、過去に分解歴は無いように見えます。(ありました)ということは途中での分解が不具合の原因ではないということか・・

 

アクセサリーシューを使用されていた個体で梨地メッキに縦筋が入っています。FとFTでは接眼枠とトップカバーの当り部分の設計が変更されていて、Fはカバーに傷がつき易いのですがFTでは改良されています。それでもつきますけど・・

本体の洗浄後にモルト貼り、スプロケット軸、スプール軸を組み立てています。

 

シャッターユニットを点検して行くと・・あぁこれかな? 巻き上げギヤ列と地板本体との組立ネジが緩んでいます。これは稀にありますね。

 

レリーズ関係を取り除いてネジを締めます。巻き上げてもシャッターが切れなかったのは、この部分のナットを締めすぎていたため、ロックレバーが作動しなかったためでした。

 

 

メンテナンス後にシャッターテストをすると、低速が僅かに不安定なのでスローガバナーを洗浄メンテナンスします。

 

何とか調子を取り戻しました。ブレーキは特に悪さをしていないのでOリングの交換はしないことにします。

 

リターンミラーユニットは過去に分離されていました。なぜ? ユニットの作動は非常に重いです。

 

点検して行くと、のネジのスリ割が過去に絞められた跡があり、ぐらぐらに緩んでいます。ここは稀に緩んでいる場合がありますが、本来は裏側からカシメられているので緩まないのですが・・

 

作動不良の原因でしょう。ドライバーで締め込んだだけではすぐに緩んでしまいますのでカシメておきます。

 

全反射ミラーは交換ご希望ですので新品と交換して組みます。

 

 

この個体もリターンミラーユニットのテンションバネが強く張られていましたので標準に戻して組んであります。短絡的に動かないからバネを張るという考え方はよろしくないです。

 

当方の標準レンズ付けてのテストではフリーズはしませんでした。これでメカの組み立ては終了。無限調整をして行きます。

 


意外に来ないローライ35Tの巻

2024年01月03日 11時00分00秒 | ブログ

しかし、今年はどんな年なのでしょう? 元日から地震雷火事親父が次々に起こる。長く生きて来ましたがこんな経験はありません。これ以上の災難が続きませんように・・

で、ローライ35ファンの方に今年初めのUPを簡単にです。ものの本によれば、ローライ35の生産終了が1971年で、3年後の1974年に復刻版としてローライ35Tが登場したとのことですね。ローライも経営が苦しくなったのかな? レンズ製造などこだわる方もいらっしゃるようですが、仕様についてはオリジナルモデルと全く同じで、整備をする人間からすると生産が新しい分、各部の劣化も少ないので整備は比較的楽な個体が多いと思います。電池の電解液漏れがない限り露出メーターは元気です。シャッターの低速不良やファインダーの曇りは定番ですので分解清掃をして行きます。

不良とまでは行きませんが、沈胴の摺動に少しムラが出ているので分解清掃のうえ調整をしておきます。

 

過去に分解歴はありますが、スプロケット軸部の遮光紙が入っっていませんので追加しておきます。

 

製造が新しいだけあってシャッターとレンズは比較的良好です。

 

 

このCHEESE HEAD SCREWは距離リングのストッパーを兼ねているため、この個体のように緩んでいることがあります。距離リングが無限で止まらないという症状はこれが原因です。ヘリコイドグリスも抜け気味ですので清掃の上、新しいグリスを入れて前玉をセットします。

距離目盛リングは彫刻は時期によって異なりますが ftとm併記は文字が小さくなって見難い。また、リングが艶消し仕様となって少し安っぽい印象です。

 

オリジナルのローライ35よりは相場は安いのかなと思いますが、実用重視であれば、各部の信頼性からしてローライ35Tの選択もあるのではと思いますね。

 

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