すみません。半田ゴテで指を火傷してしまってキーボードが打てませんので簡単にです。「モルト貼り替え済み」とのことで購入されたようですがぁ・・ざっと点検すると、・ハーフミラー腐食・稀に2回巻き上げ・メーター振れ過ぎ・裏蓋ロック跳び越し・セルフ不良・フィルムカウンター不良などがありますね。38mmはF用でかなり劣化したレンズです。
FTのロックラッチは強度が弱いので裏蓋側のラッチが飛び越してしまう個体があります。調整をして組みます。
ファインダーはかなり腐食しています。ハーフミラーは確実に交換です。
トップカバーを開けました。モルト貼り替え済みは裏蓋部分(余計な部分にまで貼ってありました)だけで、内部の接眼部分などは貼っていませんね。遮光用のテープもありません。
ハーフミラーですけど、23万台でこのミラーかな? 妙に金色ですね。そもそも右下のミラー固定爪がセットされていないです。
では、本体の洗浄後にモルト貼り、スプロケット軸から組み立てます。
2回巻上げの個体はチャージギヤと軸に摩耗があります。ユニット洗浄後ノギスで計測してみると、軸のギヤとの接触部分が摩耗していることが分かります。大衆カメラレベルの設計では仕方がないと思いますが、潤滑が切れない機構が有ったらとも思います。まぁ、これほど長く使われるとは設計者も考えもつかなかったでしょうから無理な願望ですね。
23万台はシャッターユニットが改良された直後ですので作動は安定しておりラッキーでした。特に問題のところはありませんでした。前板関係もハーフミラーと違ってプリズムは非常に良い状態を保っています。但し、23万台は生産が古いので、右側のリード線半田付けがポロポロと脱落して来ますので再半田(火傷の原因)をしておきます。
接眼プリズムなどルーペの部分を組み立てて行きます。ハーフミラーは当然新品とします。
付属の38mmはF用と古いので、全体に使用感が大きいです。何度も分解清掃を受けていてレンズのコーティングも曇りがちです。問題はヘリコイドグリスが流化して絞り羽根に付着して作動を重くしていることです。
とりあえず全体を分解して洗浄脱脂をしてから組み立てて行きます。
23万台は微妙な時期ではありますが非常に調子は良い個体となっています。シンクロソケット部にアタリがあり少し変形があるのが惜しいところです。(1968年-9月製)