ご常連さんから来ています。随分と美品のPENですね。PENは1959年に発売されましたので、古いという先入観がありますが、PEN-Sが発売されてからも併売されていたわけで、この個体のように#4648XXと1964-11月製の後期製造の個体もあるわけです。しかし、きれいで使用された形跡もあまりありません。作動に問題はなく、このままでも良いのではとも思います。
トップカバーを分離します。ファインダーのカバーが黒い遮光紙ではなく、PEN-Sと同様にアルミ製となっています。
とは言っても、カバーを外すとレンズやガラスの接着剤は機能しておらず、パラパラと落ちて来ました。
シャッターも全く問題はありません。すべて超音波洗浄をして組み立てます。
シンクロターミナルの接片は半田が剥離しているものが多いです。
本体も洗浄済みでスプロケット軸とスプール軸を組み立てます。
唯一残念なところはシャッターリングの一部に腐食があることです。これがなければ完璧なのに・・しかし、使用による磨滅などは殆ど無く、洗浄後はピカピカです。
PENでこのタイプは少ないです。巻き戻し軸はカラーを入れるPEN-Sでも途中から変更になったタイプと同じ仕様になっています。
PENの場合、後玉のコーティング劣化や曇りが多いのですが、新しい?ので、まったく劣化がありません。コーティングに傷をつけないように軽く拭き上げておきます。
PEN-FT用のレンズも来ていますが、70mmですよ。外観などはきれいですが、前群後ろ側に曇りがあります。
ここの曇りは古くなるとガラスが曇って清掃出来なくなりますが、殆ど清掃が出来ました。
これも状態の良い25mmです。しかし、観察すると前玉外周にイヤな傷のようなものがありますね。プレートでレンズを押えている構造なので、分解したらレンズかバラバラなんてことにならないように証拠写真を撮っておきましたよ。(嘘)
幸いレンズはバラバラになりませんでした。ホッ。その他は問題のない良いレンズです。
最後に点検。スプロケットはプラ製黒の後期仕様になっています。
ファインダーの樹脂に多少の劣化(白化)はありますが、研磨するほどでもなく、オリジナルが大切ですのでそのままとしています。PEN-Sが発売されてからは販売量は落ちていたでしょうから、意外に後期で美品の個体は少ないのかも知れませんね。しかし、状態の良いものを見つけるのが上手な方です。
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