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カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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旧ソビエト製ジュピター9/11らしいのだが・・の巻

2015年11月25日 23時08分39秒 | ブログ

ご常連の「茶ぐれ」さんから。。旧ソビエト製のジュピター9 8.5cm f2というレンズが来ています。最近ご常連さんの方々からPEN以外のご依頼が増えていまして・・ちょっと複雑。ゾナーコピーの優秀なレンズだそうですが、ヘリコイドグリス抜けとのことでしたが、回転はかなり重症で、グリスだけのことではない気がします。製造の精度が良くないのかも知れませんが、計測して行くと赤印方向が圧縮されているのかも知れません。

レンズは前玉にキズがありますが、他のレンズは比較的きれいです。しかし、何度も分解を受けていて、イモネジもガタガタです。

 

慣れないレンズなので画像を撮り忘れました。(余裕が無かった)新しいヘリコイドグリスを入れ替えてみましたが、ある角度で回転むらが出ます。グリスだけの問題ではなく、加工精度か使用過程での変形があるようです。まぁ、ラップを繰り返すうちに少しづつ改善しましたが。。閉口したのが、分解時に飛び出してきたスプリング。どのようにセットするのが正しいのか?

まぁ、色々考えて、一番スムーズに回転する組み方としました。その他、レンズと絞り羽根を清掃して終了。しかし、ヘリコイドの回転が、途中でスコッと抜ける部分があって、やはり真円ではないようです。

 

ジュピター11 13.5cm f4と言うレンズです。内部はグリスが多量に塗布されていて劣化をしています。清掃をして行きます。

 

繰り出しは普通のヘリコイドではなく、螺旋溝で送る設計ですね。PENとは送り出し方向が逆です。グリスが切れています。

 

分解可能の部分は分解とグリス塗布、レンズの清掃をして行きます。

 

 

繰り出しは改善しましたが、ヘリコイドネジのような精密感に欠けます。二つのレンズを繋げると・・ボストークロケットみたい。

http://www.tomys800.sakura.ne.jp/

 

 


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5 コメント

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びっくり箱レンズ (茶くれ)
2015-11-26 21:05:48
どうもご無理をお聞き入れくださいまして、ありがとうございます。
恐縮至極でございます。

私は仕事としてアルミニウムやステンレスのTIG溶接をしているのですが、たまに正体不明の材料を溶接してくれと頼まれることがります。
同じアルミニウムでも材質の種類は多岐にわたり、母材と溶剤には適性があって下手に溶接してしまうと取り返しのつかなくなることもあります。
今回のレンズもびっくり箱のようにばねが飛び出して来たり、見た目ではわからないひずみがあったりと、いわば正体不明のレンズだったわけで、トミーさんのご苦労や気苦労がよくわかります。
あまりかかわりたくないレンズだったと思いますが、お受けいただき感謝です。
さすがプロのお仕事だと感心してブログを読ませていただきました。
最後のボストークロケットは笑っちゃいました。

にしても、あのバネは何でしょうね?(笑)
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Unknown (がたぱしゃ)
2015-11-27 00:51:44
ロシア物をやると、「なんじゃこりゃ~」とか「うぁ・・・」とか言いながらやる事が多いです。(^^;)
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お世話になっております (茶くれ)
2015-11-27 14:56:38
さすがはおそロシアですね(;´∀`)…うわぁ…
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Unknown (TOMY)
2015-11-27 17:54:47
いやぁ、プロでも何でもない、これしかやりようがありませんが、ルーツは同じドイツでも、日本とはずいぶん物作りが違うなぁと感じます。北海道の函館空港に亡命飛来したベレンコ中尉のミグ25のように、先端の戦闘機なのに真空管の無線機を搭載しているとか、不思議な国です。そう言えば、ライカ犬を載せたスプートニクもありましたっけ。
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もうロシア物はこないと思いますが・・・ (茶くれ)
2015-12-06 17:18:49
http://pakira3.sakura.ne.jp/wp/?p=11866
こちらの記事にジュピター9について詳しく書かれていました。今回お願いしたレンズとはマウント部は違いますが・・・参考までに。

やはりご苦労されてるようですね。
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