今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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フィルター固着の42mm(PEN-FT)の巻

2015年11月22日 13時38分04秒 | ブログ

大口径で重い42mmですから、装着したフィルターをぶつけるとダメージが大きく、変形をして外せなくなる事がありますね。の部分が変形をしており、アルミ同士ですから噛み込んで絶対に回せなくなります。

 

倍力装置や修正工具を使用しても全く外せないため、最後の手段で本体とレンズにダメージを与えないよう注意をして破壊で取り除きました。

 

PEN-FT(B)はフィルム巻き上げ不良、ファインダー曇り、油切れの症状などの症状があります。タイマーレバーがお辞儀気味ですね。では、FT本体から・・

 

特に問題のない個体と思いましたので、UPは簡単にと予定しましたが、個体によっていろいろありますよね。これも特に問題は無いのですが、たまに見かけます。フィルムカウンターのレバー用の貫通穴の左側。隙間が空いていますね。湯が回っていないようです。過去にモルト貼り替えを受けていて、穴の右側部分。本来はモルトが貼られていない部分まで、乱暴に擦られて塗装が剥離していますので、タッチアップをしました。

スプロケット不良ですので交換をして組み立てて行きます。

 

 

シャッターユニットを分解洗浄して点検をします。ブレーキのナットが緩み気味でした。緩み止めのポンチを打っておきます。スローガバナーは改良タイプなのでギヤの摩耗はありません。

 

シャッターユニットは本体に搭載。調子は良好です。オーバーホールをしたリターンミラーユニットを組み込みます。

 

この個体もアイビース枠が破損していました。取付けネジは頭の大きなタイプに変わっているのですが、破損があることからシューを取付けて負荷が掛かったのでしょう。今回は特に交換のご依頼はありませんので、接着補修で再使用とします。

#2808XXですから、プリズムの腐食やコーティングの劣化は無く(汚れはありました)清掃で再組立をします。

 

ほぼ組み立て終了ですね。セルフタイマーレバーを水平に調整しておきます。

 

UPの順番を間違えました。この個体はかなり使い込まれていて、布製のカメラバックの出し入れを頻繁にされたのでしょう。内部はホコリまみれでした。

 

ハーフミラーは新品交換、フィルムカウンターの戻り不良、ファインダーピントズレ、露出計感度低下など補正をしてあります。

 

一応完成なのですが、シャッターダイヤルの「B」のオレンジ色が退色していますね。

 

オレンジ(黄)系の色は退色しやすいのです。入れ直しておきます。尚、初期型はオレンジではなくです。

 

 

42mmは過去に分解を受けていまして、ちょっと問題ありですよ。

 

 

中玉ホルダーが抜け来ません。工具穴が力を掛けて荒れています。ネジの一部の黒アルマイトが剥離していますね。この部分が変形しているのです。(対極にもあり)これは今回のフィルター変形の以前に、過去にも同じようなダメージを受けていたということです。

工具を掛ける穴が荒れています。無理に分解を試みたようです。

 

 

無理に分解をしない方が良いです。何とかレンズの清掃が終わりました。リングのイモネジが1つ欠落していました。自然に抜けることはありませんので、分解して留め忘れてのでしょう。追加しておきます。ローレット部の手油もすべて清掃してあります。

 

ブラックFT+42mmは羨ましいですね。いろいろありましたが、決して調子は悪くはありません。どんどん使って頂いて結構ですよ。

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