今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
(お問合せ)tomytmzk@titan.ocn.ne.jp
 

残念なローライ35Sブラックの巻

2020年06月19日 20時50分00秒 | ブログ

まぁ、梅雨だから仕方がないけど、今日の関東地方は一日中雨が降り続いて気が滅入るよね。修理のお見積りのため分解をしていますが、レンズが動かないとのことで嫌な予感がしていたんですよね。レンズ回りがいじられているのが分かります。まず、シャッターの連動レバーの緩み止めが外されていてネジがユルユル。の連動ピンが外れそう(外れた)なのが分かりますね。これはレンズ自体が出っ張り気味で連動外れになっているということ。分解は確実です。

の距離リングに隙間がありますね。これもレンズが出っ張り過ぎていることの証明。

 

無理にねじ込まれていて固着しているレンズユニットを何とか取り出しました。ローライ35のテッサーと違い、ゾナーは直進ヘリコイドでヘリコイドリングのインナーとアウターにネジが切られています。この個体はヘリコイドリングが完全にねじ込まれて固着した状態で鏡胴に強引にねじ込まれたため、各ねじ山を壊しているので固着しているものです。このリングがどうやっても緩みません。

沈胴のスリーブ内側のヘリコイドネジも痛んでいます。知識のない方が強引にねじ込んで壊してしまったということですね。オーナーさんはジャンクとして入手したわけではないのでショックでしようね。外観はきれいなブラックモデルなのに勿体ないなぁと思います。しかし、修理にはヘリコイドの関連部分は交換しなければなりませんので、残念ですが修理は断念です。

 

http://www.tomys800.sakura.ne.jp/

 


ローライ35GERMANYのメンテナンスの巻

2020年06月18日 17時40分00秒 | ブログ

通常の作業ですので特に書くことも無いのですけど。中古店様ご依頼のローライ35ジャーマニーを整備します。ジャーマニー製はファインダーがプリズム式ですので基本的に分解清掃は出来ませんが、接眼部に劣化があって交換ご希望でしたので地板から取り外しました。このプリズムは布テープで巻かれていて、地板にがっちりと張り付いているため簡単には外れません。ドライバーなどでこじったりするとプリズムガラスが欠ける危険があります。地板の裏には巻上げのアイドラーギヤがあって、ここは殆ど無給油で動いていますので洗浄注油をしてから戻します。

地板を戻してプリズムをセットします。位置はアイビース兼用ガイドで、固定は板バネでプリズムを押さえます。シンガポール製と大きく設計が異なる部分。

 

シャッターの低速不調は定番ですので手早く直してトップカバーを閉じました。次はレンズの汚れとシャッターの分解清掃、それと定番のヘリコイドグリス抜けがありますのでグリス交換をします。

 

レンズは埃が各面にありますが、幸いカビはありません。シャッター羽根抑えに僅かに赤錆がありました。

 

 

この個体は過去に分解を受けているようですね。合マークがケガかれています。前玉を分離してレンズとヘリコイドの清掃をします。

 

 

幸いレンズは非常にきれいになりました。整備を終えたユニットを鏡胴にセットします。

 

これは海外仕入れですね。距離リングがft表示になっていました。対角がm表示ですのでひっくり返して取付けと無限調整をします。

 

はい、非常に状態の良いジャーマニーとなりましたよ。オリジナルのケースとストラップも付属しての販売となるようです。お勧めの1台。

 

 

http://www.tomys800.sakura.ne.jp

 

 

 

 

 

 

 


リペイントのPEN-S3.5の巻

2020年06月13日 21時10分00秒 | ブログ

地元の病院の各診療科をハシゴして忙しかったです。とりあえず胃カメラは正常でした。で、ご常連さんから「PEN-Sのシャッターが動かなくなったのでO/Hして」とのことでしたが、到着してみると・・あら、リペイント機ですかぁ・・

 

何でもリペイント済の個体を中古で購入されたとのことです。アンスラサイトかガンメタのような色で、塗装は上手いですね。特に、シャッターリングなどはメッキの上から塗装をしてありますが、まったく剥離をしていない。下地処理とプライマーが良いと思います。最近は体調もあってリペイントをやっていないからね。塗装は身体によくないですよ。しかし、ダイカスト本体はオリジナル塗装の上に見える部分のみ塗装をしてあって、裏蓋底部のリベットはネジ式に改造されています。オリジナリティーや細部の仕上げが残念な気がします。

距離リングも黒塗装をしてあります。リング取付のイモネジ3本のうち1本が緩みません。観察すると、元々ピッチの合わないイモネジを強引に締め込んだようです。アルミに噛み込んでいるため、これは取り除くことが出来ません。

 

これでちゃんとピントの合った写真が撮れていましたか? ヘリコイドネジの雌ネジ側の締め込みが甘いために緩んでいます。取り外すとレンズ側について来てしまいました。

 

こういうことね。

 

 

シャッター不動ですけど、内部に油が廻っています。

 

 

なんでこのバネが曲げられているのか? これはシャッター羽根を戻りやすくするためでしょう。これではダメなんですね。個人の感想です。

 

プレートの内側にも油が廻っていますので、かならず分解をして洗浄脱脂をしておきます。

 

 

では、本体側を組み立てて行きます。

 

 

ダイヤルカバーの留めネジも含めて、多くのネジが規格外のものに交換されています。

 

 

完成したシャッターユニットを搭載しました。リング類はメッキの上から塗装されています。ヘリコイドネジ部を緩まないようにしっかりと絞め込んでおきます。

 

以前にも見かけた光景ですが、ファインダーのカバーのベロが開いています。なんの目的でしょうね? 私には考え付きません。

 

何か古い接着剤もそのままで対物レンズもセメダインのスーパーXのような接着剤で留めてあるのでぐちゃぐちゃ。そもそも3.5なのに何でプラ製ではなくダイカスト製のファインダー?

 

ブライトフレーム側の反射ミラーは交換されているようです。古い接着剤を除去してレンズの清掃(墨塗り)と再接着をしました。

 

ピント調整をして完成です。本体の塗装はオリジナルの上からシボ革の上下部分のみを塗装していることが分かりますね。

 

オーナーさんから「チタン塗装だそうです」チタン風ってことでしょ。雰囲気の良い個体に仕上がっていますが、もう少し丁寧な仕上げをしたらもっと良くなると思いますね。

 

 

http://www.tomys800.sakura.ne.jp/

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


部品の製作の巻

2020年06月09日 21時10分00秒 | ブログ

ローライ35の巻上げレバーが当たる樹脂部品とM型ライカのバックドアに付いている樹脂部品の製作依頼です。樹脂の材料はPOM材を使用して卓上旋盤で製作します。

 

まずはローライ35のレバー当て。外形3.5mmで軸は1.6mmで削ります。

 

 

予備を含めて2個製作しました。純正と見分けがつかないでしょ。

 

 

このバックドアはM4のものですけど、M2 M3も一緒ですね。じつは、私の所有できる程度の悪い個体には、すでにこの樹脂部品は欠落しているので純正の寸法と形状が分かりません。最初は本体側の落とし込みが深いと思いましたが、意外に浅くて部品の厚みも1.2mm程度で作りました。そもそも、左右の落とし込みの深さに差がありました。意外にアバウトなんですね。よって、厚み違いで幾つか余分に製作しました。

しかし、この樹脂部品はバックドアをフルオープンするとトップカバーの下端に当たります。すると横筋が入ってしまいます。きれいに作ってもあまり意味はないようです。意外にこの部品はアフターパーツがないようですね。私も面倒なのでローライ35用は作りますけどライカ用はもう作りません。

本体に取付けてみましたが良く見えませんね。

 

 

http://www.tomys800.sakura.ne.jp/


夏用普段使い時計をメンテナンスするの巻

2020年06月07日 13時30分00秒 | ブログ

気温の低い期間は革ベルトを付けたマーベルなどを使用していましたが、ちょっと外へ出ない間に随分と気温が上がっていますね。では、そろそろ夏用の時計に替えようと夏用のセイコーシルバーウェーブを出して来て見ましたら、少し遅れていました。電池切れ予告機能も働いていないし電池の電圧を測っても定格はあります。(電池寿命5年)と言うことは油切れの可能性が高いです。このモデル(7546-8340)は1978年の発売でダイバーまでは行かないけどスポーツ防水仕様として発売されました。Cal.7856で当時の販売価格は3万円程度と安くはありません。私の個体はジャンクを修理したものですけど・・カメラの方は暇なので、メンテナンスをして行くことにします。

この頃のクォーツユニットは、機械式ユニットの動力部分をクォーツに置き換えたという感じで、その他のカレンダー機構などは機械式と同じです。石は4石使われています。今回は分解はせず4石と筒カナ、カレンダー機構、リューズ回りなどの注油をして行きます。

各部の注油を終えて日車をセットします。

 

 

続いて曜車。機械式と全く同じです。

 

 

裏側も注油をします。

 

 

あぁ、この文字盤は脚が無くなっていたのだった・・なら、クォーツ時計特有の秒針ステップ合わせをしても意味はないね。黒文字盤は中々見つけられません。

 

一日様子を見ましたが、ばっちり正確に動いています。この頃のクォーツユニットは丈夫に作られていて注油や分解洗浄も可能なので長く状態を維持することが出来ますね。息子の高いハミルトンなどは中身のユニットは婦人用兼用の小さなユニットで、壊れたらユニット交換の使い捨てですからね。汗をかくシーズンはNATOベルトがさらっとして肌触りが良く、重いSSの金属ベルトよりお気に入りです。殆ど病院への電車通院用ですけどね。オークションなどでは¥1,000程度から出品があるようですから、みなさんも夏場の実用時計としてSilverWaveは相場も安くアナだと思います。

友人から「最近FS1(1969年製と思います)が出てこないな」と言われていましたので午後から久しぶりに見てやりました。やはりメンテナンスをしていないと錆が進行しますね。特にリムとスポークの錆が深刻です。地球上のものは錆との戦いです。実はヤマハから純正部品でどちらも取ってあるのですが、純正でも東南アジア製が出て来てガッカリです。アラヤなど国産は手に入らないかな? いっそのこと東南アジア製アルミホイールという手もありそうです。自転車のルマン号の方はタイヤを換えてやらないとダメです。スポーツ自転車のタイヤは耐候性がありませんね。とりあえず2台共磨いておきました。

http://www.tomys800.sakura.ne.jp/