[舟のない港] (七十七) 2016-07-15 09:17:52 | 小説 生け垣に囲まれた店の入り口に通じる小径は砂利道だった。 アスファルトに慣れきった男にとって、歩きにくくはあるがノスタルジーを感じさせるものだった。 よろよろと歩く男に対して、麗子が笑みを浮かべながら「覚えてらっしゃらないのね」と拗ねた表情を見せた。 . . . 本文を読む