昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

[舟のない港] (八十四)

2016-07-23 11:21:39 | 小説
その言葉が、合図かのようにどちらからともなく、唇を合わせた。 軽く触れただけのキスが、二度目には お互いの舌を絡め合わせた。 男は麗子の服を、麗子は男のシャツを、競い合うがの如くに脱がせ合った。 窓からの月明かりに照らし出されるその肌は、きめ細かく滑らかで吸い付くかの如きその肌は、生活に疲れたミドリの肌にはない、輝きがあった。 しばしの間、男は見とれていた。 「素晴らしい!」 思わず出た男の言 . . . 本文を読む

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