わたしには兄が一人居ます。父親は平成七年に死去しています。
母親は多分ですが他界しているでしょう。多分というのは、両親は離婚していますので。
父親に育てられて、母とは音信不通です。
中学二年の冬でした。母が家出してしまい、そのまま帰らずです。
大正14年生まれです。ですので多分他界しているでしょう。
兄は、わたしの子ども二人を除けば、唯一の肉親です。
言い忘れていました、わたしもまた離婚をしています。
子どもたちとは恥ずかしい話ですが、現在は音信不通です。
正直、良い父親とは言えません。
経済的にも苦労をかけましたが、何より父親としての愛情を注ぐことに失敗した気がします。
わたしのidentity 確立失敗に関わることなのですが。
唐突ですが、お尋ねします。
あなたは、愛情を信じられますか? 感じられますか? お持ちですか? そもそも愛情とは、なんですか?
辞書には、明快に書いてあります。
「好ましく思うこと、慈しむこと」。
「ありのままの相手を受け止め、成長を願うこと」と表現されている方もみえました。
わたしにしても、子どもを好ましく思い、慈しみたいと願い、健やかに成長してくれることを願いしました。
ですが、いつの時もいつの場でも、先ずは自分が一番でした。
いえ、食べるとき、観るとき、触れるとき、殆どのことにおいて、子どもを優先させました。
子どもの意思を確認してから、動きました。
でも、でも、なにかがありました。その前に、いつもなにかがありました。
どう表現すればお分かり頂けるか、非常に悩んでいます。
「子どもを第一に考える」。それは実践をしました。
甘やかしたつもりはありませんし、なんでも言うことを聞いてきたわけではありません。
第一、子どもが、わたしを一番に考えていましたから。
そう! そうなんです!
それこそが、「なにか」だと思います。
わたしがそうでした。父母に対して、どうしても超えてはいけない一線を感じていたのです。
貧乏だからわがままを言えなかった?
共働きで朝から晩まで働き続けていたから甘えられなかった?
確かに。確かにそれはあった気がします。
でも、そんなことは枝葉末節でしょう。
では。ではなにが。なにがわたしを押しとどめたのでしょうか。
そしてそのなにかが、わたしの子どもたちにして、わたしを一番に考えさせるようになってしまったのでしょうか。
なにに脅えさせてしまったのか。
暴力的なことは一切していません。妻に対しても、一度たりとも手をあげたことはありません。
口汚く罵ったこともありません。一番辛い、一番堪えることー無視をしたこともありません。
ただ、稼ぎの悪かったわたしのせいで、貧乏生活をさせてしまいました。
「嘘を吐かれたことが辛かった」。責められました。
確かに吐いた覚えがあります。でも……。
まあ今さらどんな言い訳をしても、詮ないことです。
いえ、その言い訳の中に、また嘘が混じるかもしれません。
母親は多分ですが他界しているでしょう。多分というのは、両親は離婚していますので。
父親に育てられて、母とは音信不通です。
中学二年の冬でした。母が家出してしまい、そのまま帰らずです。
大正14年生まれです。ですので多分他界しているでしょう。
兄は、わたしの子ども二人を除けば、唯一の肉親です。
言い忘れていました、わたしもまた離婚をしています。
子どもたちとは恥ずかしい話ですが、現在は音信不通です。
正直、良い父親とは言えません。
経済的にも苦労をかけましたが、何より父親としての愛情を注ぐことに失敗した気がします。
わたしのidentity 確立失敗に関わることなのですが。
唐突ですが、お尋ねします。
あなたは、愛情を信じられますか? 感じられますか? お持ちですか? そもそも愛情とは、なんですか?
辞書には、明快に書いてあります。
「好ましく思うこと、慈しむこと」。
「ありのままの相手を受け止め、成長を願うこと」と表現されている方もみえました。
わたしにしても、子どもを好ましく思い、慈しみたいと願い、健やかに成長してくれることを願いしました。
ですが、いつの時もいつの場でも、先ずは自分が一番でした。
いえ、食べるとき、観るとき、触れるとき、殆どのことにおいて、子どもを優先させました。
子どもの意思を確認してから、動きました。
でも、でも、なにかがありました。その前に、いつもなにかがありました。
どう表現すればお分かり頂けるか、非常に悩んでいます。
「子どもを第一に考える」。それは実践をしました。
甘やかしたつもりはありませんし、なんでも言うことを聞いてきたわけではありません。
第一、子どもが、わたしを一番に考えていましたから。
そう! そうなんです!
それこそが、「なにか」だと思います。
わたしがそうでした。父母に対して、どうしても超えてはいけない一線を感じていたのです。
貧乏だからわがままを言えなかった?
共働きで朝から晩まで働き続けていたから甘えられなかった?
確かに。確かにそれはあった気がします。
でも、そんなことは枝葉末節でしょう。
では。ではなにが。なにがわたしを押しとどめたのでしょうか。
そしてそのなにかが、わたしの子どもたちにして、わたしを一番に考えさせるようになってしまったのでしょうか。
なにに脅えさせてしまったのか。
暴力的なことは一切していません。妻に対しても、一度たりとも手をあげたことはありません。
口汚く罵ったこともありません。一番辛い、一番堪えることー無視をしたこともありません。
ただ、稼ぎの悪かったわたしのせいで、貧乏生活をさせてしまいました。
「嘘を吐かれたことが辛かった」。責められました。
確かに吐いた覚えがあります。でも……。
まあ今さらどんな言い訳をしても、詮ないことです。
いえ、その言い訳の中に、また嘘が混じるかもしれません。
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