昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空・第一部~(二) 淫靡な世界に入り込んだ気が

2014-09-24 08:41:25 | 小説
店内には、十人足らずのお客が居た。 カウンターに陣取りバーテンダーと話しに興ずる者、何やらボソボソと話す三人連れ、ボックスでホステスの嬌声に戯れる四人連れ、様々だった。 井上と彼は、奥まったボックスに案内された。 淡いピンク系の照明が、壁際に掛けてあるボックスだった。 . . . 本文を読む

長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空・第一部~(二) 初めて見る井上の嬌態

2014-09-23 12:50:06 | 時事問題
二月も終わる或る日、井上係長の声掛かりでクラブに、お供することになった。 麗子との突然の別れから、なかなか立ち直れずにいた彼だった。 いつもの覇気がない彼だった。 井上としても、今までの彼の精勤ぶりからは想像の出来ない状態に、苦言を呈してはみた。 しかし 「すみません。ちょっと疲れが…」と言葉を濁す。 「失恋でもしたか?」と、冗談交じりの声にも、 「はい? ええ。あ、いえそんなことは」 と、力な . . . 本文を読む

「お母さんのキレイなところ」小学生篇&高校生篇

2014-09-22 23:07:08 | 宣伝
「あなたは母親のことを美しいと感じていますか?」 [日本人は、母親の美しさに厳しい] 小学生たちは、はにかみながらも嬉しそうに、お母さんがキレイなときを教えてくれています。 「嬉しいときが、喜んでいるときが、キラキラとしてキレイ!」なんだそうです。「PR by conecc」 . . . 本文を読む

長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空・第一部~(一) イエスマン過ぎたとは思うんですけど

2014-09-20 11:47:58 | 小説
「麗子さん、結婚するんですよ。卒業後に、すぐにでも、らしいです」 「えっ!?なんだい、それ。それって、おかしいぜ。だって、御手洗くん。どういうことなの?遊びだって、ことか!許せんな、君みたいな純な男を弄ぶなんて」 . . . 本文を読む

長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空・第一部~(一) 結婚するわ

2014-09-19 08:45:31 | 小説
彼女と別れた今、彼は放心状態に陥っていた。 「結婚するわ」 その一言が彼の心に、憧れとしての麗子ではなく、生身の麗子としての存在を植え付けた。 今にして思えば、彼の目に映っていたのは麗子には間違いないのだが、麗子の瞳に映る己を見ていたような気がしてならなかった。 . . . 本文を読む

長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空・第一部~(一) 憂さ晴らしに苛めていたのよ

2014-09-18 09:34:04 | 小説
麗子は、彼からの言葉を拒んだ。言いかける言葉を遮って言う。 「何も言わないで、わかっています。聞きたくない、それは。 ごめんなさいね、今まで。 彼に抑え続けられる毎日の、憂さ晴らしに貴男を苛めていたのよ、きっと。 そういうことにしておいて」 . . . 本文を読む

長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空・第一部~(一) 貴男と居るとイライラするの!

2014-09-17 08:50:15 | 小説
彼は、一気に吐き出した。途中、口を挟もうとした麗子を制してまくし立てた。 「でも、僕には怒れない。麗子さんの気まぐれに振り回されても、僕にはどうすることもできない。 麗子さんは、ぼくの、ぼくの、その、何ていうか…」 彼は耳たぶまでも赤くしながら、最後は呟くように、小声となった。 . . . 本文を読む

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