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人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

前橋汀子+飯守泰次郎指揮東京シティ・フィルでブルッフ「ヴァイオリン協奏曲」を聴く

2013年02月22日 07時00分15秒 | 日記

22日(金)。昨夕、池袋の東京芸術劇場で東京シティ・フィルのコンサートを聴きました これは「2013都民芸術フェスティバル」参加公演です。プログラムは①ムソルグスキー「はげ山の一夜」、②ブルッフ「ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調」、③ベートーヴェン「交響曲第5番ハ短調”運命”」の3曲、指揮は飯守泰次郎、②の独奏は前橋汀子です

 

          

 

自席は1階M列10番。左の島の前の方です。会場は9割方埋まっている感じです 東京シティフィルを聴くのは本当に久しぶりです。舞台に向かって左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという配置は変わりません。コンサートマスターの戸澤哲夫も変わりません。ただ、メンバーが多少入れ替わったような気がします

1曲目のムソルグスキーの交響詩「はげ山の一夜」は、総譜に「地下にこだまする不気味な声。闇の精が現われ、黒ミサが執り行われる。魔女たちの宴が始まる。教会の鐘が響き、闇の精たちは消える。夜明けーー」という説明が書かれています

飯守泰次郎のタクトで魔女伝説の幕が開けられます。キビキビした指揮のもと、不気味な夜の世界が描かれます。飯守の指揮は”寄らば切るぞ”といった日本刀”正宗”のような鋭さがあります オケもコンマスの戸澤氏のリードで応えます

2曲目のブルッフ「ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調」はブラームスより5歳年下のブルッフが20代の終わりに作曲した名曲です 前橋汀子が鮮やかな朱色のロングドレスで登場します 1736年製のヴァイオリン”グァルネリウス”の深く美しい音色が会場一杯に響き渡ります 彼女の演奏を生で聴くのは初めてのことですが、その堂々たる演奏姿を見ていて、なぜか演歌の女王・美空ひばりを思い起こしました

彼女はテンポに敏感なのか、第1楽章では指揮者に、第2楽章ではコンマスに向かって、テンポ上の合図を送っていました。もっと速めに、あるいはもっと遅めに、という具合に。神経質な面もあるのかな、と思いました

第3楽章フィナーレを終え、会場一杯の拍手に応えて、アンコールにバッハの無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第3番から「ガボット」を弾きました

前半が終了し休憩時間になったのでロビーに出ましたが、観客が私の方をじろじろ見ているので、おかしいなと思って後ろを振り返ったら、演奏を終えたばかりの前橋汀子がサイン会に向かうところでした 多くの人が並んでいたのにはびっくりしました。かなり年配の男性が多いようです。昨年、演奏活動50周年を迎えた彼女には昔からの根強いファンがいるのでしょう それにしても、15分間しかない休憩時間にサイン会を開くのはちょっと無理があるのではないかと思いました。多分サインをもらいそこなった人もいたと思います

後半はベートーヴェン「交響曲第5番ハ短調”運命”」です。特徴は8分休符で始まり、4音による動機が全楽章を通じて展開し、音による巨大な建造物が造り上げられることです

飯守泰次郎の指揮は、ベートーヴェンでますます冴えわたり、終始集中力に満ちた力強い音楽が構築されていきました 彼の意志は気迫溢れるコンマスの戸澤氏に受け継がれ、彼からオケ全体に伝えられ、迫力のあるベートーヴェンとなって結実しました 生まれて初めてこの演奏を生で聴いた人は幸せです。今後、この日の演奏がベートーヴェンの第5を聴くときの”基準”になるでしょうから

アンコールに弦楽セクションによるバッハの「エア」(G線上のアリア)が演奏されました。前橋汀子と作曲者を合わせたのでしょうか 飯守氏が東京シティ・フィルの常任指揮者だった間の2年間ほど定期会員になっていましたが、常任を降りて振る機会が少なくなった今は魅力が少なくなってしまいました。オーケストラの”顔”である常任指揮者の存在は大きいのです

 

          

      

コメント (2)
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