goo blog サービス終了のお知らせ 

人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

バッハ・コレギウム・ジャパン「カンタータ・シリーズ」ついに完結!

2013年02月25日 06時59分29秒 | 日記

25日(月)。昨日、東京オペラシティコンサートホールでバッハ・コレギウム・ジャパン(B.C.J)の第100回定期演奏会を聴きました 今回の演奏会でBCJが1995年から続けてきた教会カンタータ全曲演奏シリーズが完結することを記念して、演奏会に先立ち、バッハ研究の権威ロビン・A・リーヴァ―氏(ジュリアード音楽院等の客員教授)による「世界におけるバッハのカンタータ発見とバッハ・コレギウム・ジャパン」と題するプレ・レクチャーがありました

「LPレコードの出現によってバッハのカンタータは世に知れ渡るようになった。エリザベート・シュワルツコップやハンス・ホッタ―によって歌われたカンタータは1枚のレコードの片面に1曲を収録することが可能となった。しかし、その後はなかなか演奏されるようにはならなかった。その後、2000年のバッハ没後250周年に先立ち、1995年にトン・コープマンがアムステルダム・バロック管弦楽団とカンタータ全曲録音の第1巻をリリースした 奇しくもその年はBCJが教会カンタータの1枚目のCDを出した年だった。2000年にはジョン・エリオット・ガーディナーがモンテヴェルディ合唱団とイングリッシュ・バロック・ソロイスツとともに世界各地を回りながら1年間ですべての教会カンタータを演奏した トン・コープマンは結局8年かかった それに比べ鈴木雅明はBCJとCD収録と同時進行の形で20年近くをかけてやっと全曲演奏にたどり着いた しかし、明瞭で正確なドイツ語の歌詞によって極めて高い水準の演奏を繰り広げ、世界的に認められる存在になっている

通訳を交えて1時間の公演でしたが、細かい歴史的な話なので途中で眠くなってしまい、膝の上のプログラムを落としてしまいました ちなみにプログラムは通常1,000円ですが、今回はカンタータ全曲演奏完結のため増ページで1,500円でした

1階の中央後部座席に1台、舞台上の左サイドに1台、2階右バルコニー席に1台、オルガンの左サイドに1台、テレビカメラが設置されています NHKで録画放送するのかも知れません

コンサートのプログラムは①「プレリュードとフーガ変ホ長調BWV552」(独奏:鈴木雅明)、②カンタータ「主を讃えよ、わが魂よBWV69」、③カンタータ「喜べ、贖われた者たちの群れよBWV30」、④カンタータ「いと高きところには神に栄光あれBWV191」です

ソリストはBCJ”レギュラー”のゲルト・テュルク(テノール)、ペーター・コーイ(バス)、ハナ・プラシコヴァ(ソプラノ)、ロビン・ブレイズ(カウンター・テナー)です いつもは会場の後方席に空きが目立つのに、この日はほぼ満席です

最初に鈴木雅明のパイプオルガン独奏で「プレリュードとフーガ変ホ長調BWV552」が演奏されますいつもは今井奈緒子か鈴木優人が演奏しますが、この日は特別です パイプオルガンの音を聴くと何故か敬虔な気持ちになり”にわかクリスチャン”になります

2曲目のカンタータ「主を讃えよ、わが魂よBWV69」を演奏するため、拍手の中、オケの面々が登場します 中央のチェンバロをはさんで、左にトランペット(3)、ティンパ二、ヴァイオリン・ヴィオラのセクション、右にチェロ、コントラバス、オーボエ(3)、ファゴット、オルガンという配置、その後ろに横一列で男女コーラスがスタンバイします この中にはいつものようにソリスト達が混じっています

 

          

 

コンマスはいつもの若松夏美に代わり寺神戸亮です。彼は「マタイ」や「ヨハネ」などの大曲の時にしかコンマスをやりません。この日は特別です トランペットの3人は片手を腰に当て、片手でトランペットを吹きます。BCJは一人一人の実力が高い音楽集団です このBWV69のカンタータでもその実力を十分に発揮していました。とくにカウンターテナーを歌うロビン・ブレイズのバックの演奏を付けたコンマスの寺神戸亮、オーボエの三宮正満、チェロの鈴木秀美の3人はまさに黄金のトリオです 思わず聞き惚れてしまいました

休憩後の1曲目「カンタータ”喜べ、贖われた者たちの群れよ”BWV30」はトランペットの代わりにフラウト・トラヴェルソが2本入ります この曲では、やはりロビンの歌にバックを付けた管きよみのフラウト・トラヴェルソが冴えわたっていました

最後の曲目、カンタータ第191番では、再びトランペットとティンパ二が加わり”フル・オーケストラ”で華やかに演奏されました

全曲を通して、前述のアーティストたちのほかにも、フラウト・トラヴェルソの前田りり子、ファゴットの村上由紀子、オーボエの尾崎温子、ヴィオローネの西澤誠治(読売日響の首席コントラバス奏者)、ヴァイオリンの高田あずみといったBCJでお馴染みの人たちもレベルの高い演奏を展開していました

カンタータ191番が終わり、拍手の中、鈴木雅明が舞台に呼び戻されマイクであいさつしました

「われわれはバッハのカンタータを全曲演奏するのに18年かかりました つい先日、神戸松蔭女子学院大学チャペルで95枚目のカンタータのCDを録音したばかりです しかし、これでわれわれの演奏活動が終わった訳ではありません。新たな第一歩を歩み始めたとも言えます 最後に神と人との平和を、人と人との平和を祈ってアンコールを演奏したいと思います

そして、穏やかな祈るような曲を演奏しました。残念ながら曲名は判りません。拍手が鳴り止まない中、オケの面々が退場していきました。記念すべきコンサートの記念すべき演奏でした

ところで”私はいつからBCJを聴くようになったのだろうか”と思い、プログラムの巻末に載っている演奏記録を調べてみたら、2000年7月の第43回定期演奏会からであることが分かりました 演奏曲目にBWV201があったからです。BWV201は世俗カンタータで「急げ渦巻く風ども」というタイトルがついています。初めてこの曲を聴いた時は、まるで楽しいオペラだと思いました ずれにしても、私はバッハ没後250周年の記念すべき年からBCJを聴きはじめ、今年で13年目を迎えたことになります

 

          

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする