14日(日)。昨日、すみだトリフォニーホールで新日本フィル”クラシックへの扉”コンサートを聴きました プログラムは①シューマン「ピアノ協奏曲イ短調」、②ベートーヴェン「交響曲第5番ハ短調”運命”」で、指揮はカナダ生まれのデリック・イノウエ、①のピアノ独奏は1979年アメリカ生まれのアンドリュー・フォン・オーエンです
席は公演間近にチケットを買ったため良い席が取れず、1階10列33番、右ブロックのど真ん中です。私はどうも通路から奥に入った真ん中の席が苦手です。何となく落ち着かないのです
ステージ中央にはグランドピアノが鎮座しています 楽員が配置について、コンマスの西江辰郎が拍手で迎えられます
ソリストのオーエンがデリック・イノウエと共に登場しますが、長身のオーエンに並ぶとイノウエが小さく見えます
冒頭の衝撃的な開始、それに続く泉のように湧いてくる曲想に、思わず引き込まれます さすがはロマン派を代表するピアノ協奏曲です。私はロマン派のピアノ協奏曲の中では、シューマンのコンチェルトが最も好きです。特に第3楽章
第2楽章はピアノと弦楽のひそひそ話のような曲想で始まります。そして、待望の第3楽章に勢いよく突入します 特に終盤のピアノがグングン前に進むパッセージはたまりません
そして、急に速度を落としたかと思うと、再びスピードを上げフィナーレになだれこみます。シューマンはいいな、と思う瞬間です
終演後、イノウエはチェロ・セクションを立たせました。管楽器でなく弦楽器というのは珍しいと思いました 会場一杯の拍手にオーエンは、バッハのパルティータ第1番の「サラバンド」をしみじみと弾きました
休憩後はベートーヴェンの”運命”交響曲です。この曲は第1楽章冒頭の4つの音(運命のモティーフ)が、すべての楽章に現われるという恐るべき交響曲です オーボエが良い音を出しています。いつもの古部賢一ではないようなので、出演者一覧を見ると岡北斗という客演奏者でした
ついでにチェロの首席を見ると、川上徹と並んで元新日フィルの木越洋が演奏していました
またまたついでに、第1ヴァイオリンを見渡すと、山田容子の奥に見慣れない女性奏者が居るので、出演者一覧を見ると古日山倫世とありました。あとでプログラムを見ると「正団員のお知らせ」欄にこの人が8月1日付で正団員になったと紹介されていました。桐朋学園の出身だそうです。頑張ってほしいと思います
ということで、「運命」に戻ります。イノウエの演奏は、「現代のベートーヴェン」と言うべきスピード感に溢れる引き締まった演奏です ベートーヴェンをチンタラ演奏されてはガッカリですが、いつも同じような高速テンポの演奏で聴いていると、たまには大指揮者フルトヴェングラーがベルリン・フィルを振った第5番のように、悠然としたテンポによる堂々たる演奏を聴いてみたくなります。無いものねだりですが
終演後、イノウエは今度もチェロとヴィオラを、次にチェロとコントラバスを、そしてオーボエ、フルート、クラリネットを立たせました 弦楽奏者優先は、この人の特徴でしょうか
アンコールが演奏されましたが、ロビーの掲示板に曲名が掲示される前に会場を出たので、曲名が判りませんでした。当日会場にいらっしゃった方でお判りになる方は、お教えいただけれると嬉しいです