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人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

クァルテット・プロメテオ初来日公演を聴く~日経ミューズサロン

2014年09月23日 07時35分35秒 | 日記

23日(火・祝)。昨夕、大手町の日経ホールで第428回日経ミューズサロン「クァルテット・プロメテオ初来日公演」を聴きました コンサートを聴くのは9日ぶりです クァルテット・プロメテオは1998年「プラハの春」国際音楽コンクールで優勝したイタリアの弦楽四重奏団です プログラムは①プッチーニ「菊の花」、②ヴェルディ「弦楽四重奏曲ホ短調」、③ショスタコーヴィチ「ピアノ五重奏曲ト短調」の3曲。③のピアノはクラシックはもちろん、現代音楽からロックまで幅広く活躍する黒田亜樹です

 

          

 

自席はE列8番、前から5列目の左ブロック右通路側席です。会場は前半分がほぼ満席、後ろ半分が6割位の入りでしょうか 拍手の中、クァルテット・プロメテオのメンバーが登場します。左から第1ヴァイオリンのジューリオ・ロヴィーギ、第2ヴァイオリンのアルド・カンパニャーり、ヴィオラのマッシモ・ビーヴァ、チェロのフランチェスコ・ディロンという並びです

1曲目のプッチーニ「菊の花」は、作曲者が32歳の1890年の1月から2月にかけて作曲された単一楽章の小曲です 3部形式ですが、聴いていて思い浮かべた言葉は「哀愁のアダージョ」です それもそのはず、この作品はサヴォイア家のアメーデオ公を哀悼して書かれました。オペラ「マダム・バタフライ」に通じる静かな感動を覚えます

2曲目はヴェルディの「弦楽四重奏曲ホ短調」です。1873年の春にわずか2週間で書かれました その時、ヴェルディはオペラ「アイーダ」を上演するためナポリに滞在していたのですが、プリマドンナの急病により上演が延期されてしまったため、ひつまぶしを食べながら、もとい、暇つぶしのために弦楽四重奏曲を書いたのでした

第1楽章「アレグロ」は第2ヴァイオリンから入り、第1ヴァイオリンに受け継がれます。途中でオペラのアリアのような美しいメロディーが表れます 第2楽章「アンダンティーノ」は冒頭の優しいながらもメランコリックなメロディーが色々な形で展開していきます そして第3楽章「プレスティッシモ」では、ヴァイオリンとヴィオラのピチカートに乗せてチェロが奏でる美しいメロディーが印象的です これもオペラのアリアのようです

最終楽章は「スケルツォ」です。冒頭は第1楽章と同様に第2ヴァオリンから入り、第1ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラへとスタッカートで主題が受け継がれていきます この楽章でもオペラのアリアのようなメロディーが聞こえます

初めて聴く曲でしたが、「気まぐれで作曲された」とはとても思えない力作でした

休憩後はショスタコーヴィチの「ピアノ五重奏曲ト短調」です。正式には、ピアノを弦楽と同じに位置づけるように「2つのヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、ピアノのための五重奏曲」と名付けられています それは実際に聴くと良く分かります。1940年に作曲され、同じ年にショスタコーヴィチのピアノ独奏、ベートーヴェン弦楽四重奏団により初演されました

藤色のサマードレスに身を包まれたピア二スト黒田亜樹がプロメテオのメンバーと共に登場します 軽くチューニングを済ませてさっそく第1楽章に入ります。冒頭、ピアノ独奏による強奏はインパクト抜群です 最初から聴く者の心を鷲づかみします。ショスタコーヴィチはピアノにメロディーの美しさを求めません ピアノを鍵盤楽器ではなく打楽器として捉えています。切れ目なく続く第2楽章はアダージョです。弦楽がニュアンス豊かに美しいメロディーを奏でます

第3楽章「スケルツォ」はショスタコーヴィチの面目躍如といった感じの力強く躍動感に溢れる音楽です ここでもピアノは打楽器として使われます。第4楽章「間奏曲」は美しい抒情的な曲です。切れ目なく第4楽章に移るところではピアノがジャズのインプロヴィゼーションのように響きます そして、チェロのピチカートに乗って第2ヴァイオリンが美しいメロディーを奏で、第1ヴァイオリンが加わり、次いでピアノが加わり、第1楽章や第2楽章で現われたメロディーが回想され、静かに曲を閉じます

この曲を生で聴くのは2回目だと思いますが、20世紀の誇る名曲だと思います この曲が1941年に第1回スターリン賞第1席を受賞したのは、「分かり易さ」ではないか、と思います 4人の弦楽奏者、ピアノの黒田亜樹は力演でした

 

          

 

4人はアンコールにタルキニオ・メルーラの「シャコンヌ」を、次いでメキシコ民謡から「サンドゥガ」を演奏しました 鳴り止まない拍手に、チェロのディロンが「これ以上レパートリーはないので、次の曲が最後のアンコールです」と言って笑わせ、「ショスタコーヴィチ、スケルツォ」と言って、黒田亜樹を交えて「ピアノ五重奏曲ト短調」の第3楽章「スケルツォ」をもう一度演奏しました これがまたエキサイティングな演奏で、拍手喝さいを浴びました

これだけの演奏が全席指定3,500円というのは格安です。おまけに休憩時間にはスポンサーのファンケルから無料ドリンクのサービスがあり、帰りにはファンケルの試供品のお土産まで付いてきました。日経ミューズサロンはハイ・コストパフォーマンスです

これからの日経ミューズサロンでお薦めのコンサートのチラシをご紹介します。いずれも開演は午後6時半で、入場料は全席指定3,500円です。もちろん私はすでにチケットを買いました

 

          

          

          

 

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