23日(金).「暑さ寒さも彼岸まで」と言われます 小雨が降り肌寒かった昨日,思い切って衣替えをしました 半そでシャツにアイロンをかけてタンスにしまい,代わりに長袖シャツを出しました 「これで一仕事終わった」と自己満足に浸っていたら,夜の天気予報で「来週は『暑さ寒さは彼岸まで』とはいかず,また30度台の暑さがぶり返すします」と言っていました もういいよ,衣替えしちゃったよ,今更どーすんだよ
話は360度変わりますが,昨日の日経朝刊・社会面に「ポケモンGO お台場混乱」という記事が載っていました.記事を要約すると
「東京・お台場でスマートフォン向けゲーム『ポケモンGO』の利用者数百人が集まり,一部が赤信号を無視して車道に出るなどし,警察官が誘導後も混乱は1時間以上続いた 周辺で珍しいポケモンのキャラクター『ラプラス』が出現し,捕獲しようと集まったとみられる 警視庁はゲームの運営会社の担当者を呼び出して対策を協議したという」
この記事から得られる教訓は,「そんな危険なゲームは法律で取り締まるべきだ」とか「『ポケモンGO』ではなく『バカモンGO OUT』と名称を変えるべきだ」ということではなく,「レアなポケモン・キャラクターが出没するところには多くの人が集まる」ということです これを逆手にとって,全国のシャッター通り商店街や過疎地に『ラプラス』などのレア・ポケモンを出没させて,ツィッターでつぶやかせたらどうでしょうか そこに集まった人たちに『ピカチュウ饅頭』や『ラプラス・サブレ』を売りつけるのですよ どうでしょう,このアイディア えっ,警視庁が運営会社の担当者を呼んだのはそのアイディアを話すためだったって? 嘘だあ~ 軽すぎね? それじゃ 軽視庁じゃん
ということで,わが家に来てから725日目を迎え,目の前に自分に似た存在がいるのに気が付いて,頭に疑問符を浮かべるモコタロです
キミは誰? 誰でもいいけど,ぼくのマネは止めてくれる!
閑話休題
昨日,サントリーホールで「第25回Kissポートクラシックコンサート」を聴きました プログラムは①チャイコフスキー「ロココの主題による変奏曲」,②ベートーヴェン「交響曲第9番ニ短調”合唱付き”」です ①のチェロ独奏はサントリーホール館長でもある堤剛,②のソリストは,ソプラノ=森麻季,アルト=八木寿子,テノール=福井敬,バリトン=福島明也.合唱=ミナトシティコーラス,管弦楽=東京交響楽団,指揮=大友直人です
このコンサートの冠である「Kissポート」というのは,港区が「都心に相応しいコミュニティ」の活性化をめざして設立した「公益財団法人 港区スポーツふれあい文化健康財団」のことです 区民に気軽にクラシック音楽を親しんでもらおうと,港区にあるサントリーホールを会場にクラシックコンサートを毎年開催,今年設立20周年を迎えるとのことです Kissポートの「ポート」というのは多分 港区の港=ポートにひっかけて付けた名称だと思います
自席は1階20列16番,センターブロック左通路側,私にはお馴染みの席です 会場は合唱団が座るP席を除いて9割くらいの入りでしょうか 周囲の会話などを聞いている限り,合唱団員の家族・友人・知人などが多いように見受けられます
東京交響楽団のメンバーが配置に着きます.「おやっ?」と思ったのは,コンマスのグレヴ・二キティンが入場しても拍手が起こらなかったのです この日のお客さんは東響の定期演奏会の会員とはまったく違う客層だな,と思いました
チェロの堤剛が,いつものようにタクトを持たない大友直人とともに登場します このブログをいつもご覧いただいている方なら良くお分かりになると思いますが,大友直人はタクトでなく,手と目で合図します.そう「アイコン・タクト」で合図を送ります
さっそく1曲目のチャイコフスキー「ロココの主題による変奏曲」の演奏に入ります この曲は1876年~77年に作曲されました.チャイコフスキーは協奏曲では,共に有名なヴァイオリン協奏曲とピアノ協奏曲第1番を書いていますが,チェロのためにはこの変奏曲を書きました チャイコフスキーはモーツアルトを意識して,18世紀のロココ風の自作の主題を基に8つの変奏を書きました
堤剛の演奏で聴く変奏曲は優雅な曲想の中,時に感傷的に,時に明るく,チェロ特有の豊かな響きを堪能させてくれました
ここで20分の休憩に入りました.私はいつも通りロビーに出ましたが,在京オケの定期演奏会と違ってロビーが閑散としています 圧倒的多数の人は席を立たないでずっと座り続けているのです これも”いつもと違う客層だな”と思った点です 私は腰痛気味なので,出来るだけ座る時間を短くしたいと思い,休憩時間には必ず席を離れ,ロビーでも立ちっぱなしでプログラムやチラシを読んでいます
休憩が終わり席に着くと,まず,コーラス陣が入場し2階のP席にスタンバイしました.男声55人を真ん中にして,女声138人が左右に分かれます メンバー全体を見渡して ひと言で言い表すと「老老若男女女」といったところですが,もちろん歌に年齢は関係ありません 実力と熱意の世界です その点,メンバーの顔を見渡すとやる気満々の前向きの姿勢が窺えます
ミナトシティコーラスは,2000年5月 港区在住・在勤・在学のメンバーを中心に結成された男女混声合唱団で,このコンサートには連続して出演しており,今回が14回目となるそうです
大友直人が登場して指揮台に上がり「第九」の演奏に入ります 大友は少し速めのテンポで軽快に音楽を進めます.東響はほぼベストメンバーをそろえています 冴えていると思ったのはフルートの甲藤さち,オーボエの荒木奏美,ファゴットの福士マリ子といったいつものメンバーです
「フルートがいつもより柔らかい音がする」と思って,フルート奏者の3人を見ると,いつもは金色に輝くピカピカの楽器を吹いているのに,この日は3人とも黒のボディのフルートを吹いていました フルートは木管楽器なのでこの方が木管に相応しいな,と思ったりしました(実際に,3人が使用していたフルートの材質が銀製なのか,木製なのか,それ以外なのかは不明ですが).
第2楽章が終わると,舞台左袖からソリストの4人が登場しオケの後ろにスタンバイします この時も拍手がありませんでした.これも「いつもと違う」と思いました 第3楽章は天国的ですね.私が「第九」で一番好きな楽章はこの第3楽章「アダージョ・モルト・エ・カンタービレ」です
そして間断なく最終楽章に移ります.居眠りしていた人は第4楽章冒頭の管弦楽の咆哮で起こされたことでしょう いよいよバリトン独唱が「おお友よ,こんな音楽はよそう!~」と歌いますが,福島明也は高音がちょっときつかったようです 次いで混声合唱が力強く入ってきます
テノールの福井敬は絶好調です この人は安定感があります.そしてソプラノの森麻季の美しい高音が華を添えます アルトの八木寿子も頑張っています
独唱と合唱によって「歓喜のテーマ」が様々に変奏され,トルコ行進曲風の音楽に移ります ここで私の悲劇が起こりました この場面ではトライアングルが弱音で叩かれるのですが,私の耳にはまったく聴こえないのです 自席は前から20列目なので,後ろから数えた方が早いほど舞台からは遠いのですが,まったく聴こえないというのは流石にショックです 先日の人間ドックの聴力検査で,高音(4000ヘルツ以上)の音が聞き取れていないという結果が出ていたので,他の人には聴こえているのに,私には聴こえていないのかも知れません もし同じ会場でこの公演を聞いた人がいらっしゃったら是非,トライアングルの音が聴こえたかどうか教えてください.お願いします
そんな個人的なショックをものともせず,「第九」は迫力のある合唱と,それに次ぐ管弦楽の熱演によりフィナーレを迎えました 会場からは大きな拍手が,ソリストと合唱団,そしてオーケストラに寄せられました
合唱団員の皆さん,お疲れ様でした 楽しい打ち上げが待っていたことでしょう ご家族,友人,知人の皆さん,良かったですね.合唱団頑張りましたね 合唱団員は歌えて得する,家族や友人・知人は喜びを分かち合って得する,聴いている聴衆は感動をもらえて得する・・・・皆得,さすがは港区
でも,私はトライアングルと4000ヘルツが頭から離れません.ショックです