26日(水).わが家に来てから今日で758日目を迎え,フィリピンのドゥテルテ大統領が来日するニュースを見て感想を述べるモコタロです
この人 国策として人を殺しているみたいだけど 信用できるの?
閑話休題
昨夕,サントリーホール「ブルーローズ」でクァルテット・エクセルシオの「弦楽四重奏の旅~#4 浪漫の風に帆をまかせ」公演を聴きました プログラムは①ヴォルフ「イタリアン・セレナーデ」,②ヴェルディ「弦楽四重奏曲ホ短調」,③プッチーニ「弦楽四重奏曲『菊』嬰ハ短調」,④シューマン「弦楽四重奏曲第3番イ長調」です
メンバーは第1ヴァイオリン=西野ゆか,第2ヴァイオリン=山田百子,ヴィオラ=吉田有紀子,チェロ=大友肇です
全自由席なので早めに会場に行って並びました その結果,センターブロック前から2列目右通路側席を押さえました
会場は,プログラムがポピュラーでないせいでしょうか,残念ながら5~6割程度の入りです
エクセルシオの面々が登場します.女性陣はパープル系の衣装で統一しています この日聴く曲はいずれも初めて聴くに等しい曲ばかりです
というのは,ヴェルディとプッチーニの曲はCDを持っていてどこかにあるはずなのですが,例によって見つからず予習できなかったのです
1度聴いてどこかにしまい込んですっかり忘れていました
1曲目のヴォルフ「イタリアン・セレナーデ」は本来,弦楽四重奏曲のつもりで書いたようですが,単一楽章の曲として終わってしまったようです エクセルシオの演奏で明るく軽やかな曲を聴いていると,スロヴェニア出身のヴォルフは太陽の国イタリアに憧れていたのではないか,と思いました
2曲目のヴェルディ「弦楽四重奏曲ホ短調」は,1873年冬に「アイーダ」のナポリ上演へのリハーサルが延期され,空き時間が出来たときに思い立って作曲した唯一の弦楽四重奏曲です 4つの楽章から成りますが,全体を通して聴く限り,ところどころオペラのアリアのようなフレーズが現れたりしますが,弦楽四重奏曲としてはどうなんだろう? という疑問が湧きます
どうも流れがスムーズに思えません.これは演奏の問題ではなく曲自体が孕んでいる問題だと思います
休憩時間にロビーに出ると,元 東京シティ・フィル事務局長Yさんにお逢いしました 1年ぶりくらいです.彼が事務局長だった頃は私も東京シティ・フィルの定期会員でした
「どうです,最近コンサートの方は?」と訊かれたので,「年180回程度です」と答えると,「相変わらずですねえ
」と半ば呆れられました.正確に言うと,今年は200回を超えます
私が「4,000ヘルツ以上の高音が聴こえにくい
」という話をすると,Yさんも同じようで,「でも,会場によっても,その時の体調によっても聴こえる時と聴こえない時とありますから
」と慰められました.それはそうだよな,と納得しました
休憩後の1曲目はプッチーニ「弦楽四重奏曲『菊』嬰ハ短調」です この曲は3部形式で書かれた単一楽章の短い曲です.エクセルシオの演奏で美しいメロディーが会場に響き渡ります.どこかで聴いたことのあるメロディーだと思っていたら,オペラ「マノン」終幕への間奏曲に転用されているとのことでした
ヴェルディとプッチーニとを弦楽四重奏曲に限って比較すると,個人的にはプッチーニの方が作曲技術は優れているのではないか,と思います
とにかくプッチーニはオペラでも弦楽四重奏曲でも ”聴かせます” ”泣かせます”
最後の曲はシューマンの「弦楽四重奏曲第3番イ長調」です シューマンは3曲の弦楽四重奏曲を作曲しましたが,その最後の作品です.ヴォルフ,ヴェルディ,プッチーニら,オペラや歌曲を”本業”とする作曲家による弦楽四重奏曲と比べると,確かにシューマンの作品はある意味ロマン派の弦楽四重奏曲らしい曲です
1度聴いただけなので,まだ十分理解するには至りませんが,何度か繰り返し聴けばきっと好きになる作品だと思います
演奏後の拍手を受けて,チェロの大友肇氏があいさつしました
「今日はお出でいただきありがとうございました.この『弦楽四重奏の旅』は一昨年の3月に津田ホールで開始し,今回第4回目を迎えるわけですが,津田ホールが閉館となり,文字通り『放浪の旅』に出ることになりましたが(会場 ),サントリーホール『ブルーローズ』では2回目の公演となりました.第1ヴァイオリンの西野ゆかが約半年間,腕の故障のため休養を余儀なくされましたが,今日はこの通り元気に演奏をしております(西野 会場に一礼.聴衆
)これからもよろしくお願いいたします(聴衆
)それではアンコールに,シューマンの『トロイメライ』を弦楽四重奏曲版でお送りします
」
この「トロイメライ」がまた素晴らしい演奏でした 西野ゆかさんが完全復帰したので これからの活動を一層期待したいと思います