人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

クロード・ルルーシュ監督「愛と悲しみのボレロ」「男と女」を観る~ヌレエフ,ピアフ,カラヤン,グレン・ミラーがモデルの「愛と悲しみ~」:早稲田松竹

2017年10月05日 08時33分11秒 | 日記

5日(木).息子の就職先の内定式も終わったので,昨夕家族でお祝いをしました   総菜セットを買ってきて(したがって,料理はお休み),31年前に会社の上司から頂いた英国土産のRORAL  SALUTE(21年もの:したがって現在時点で52年もの)を初めて開けました   何しろ31年前に頂いたのでコルクがボロボロで,破片がウイスキーに浮いてしまいました   取りあえず氷も水も入れずストレートで乾杯しました   さすがに52年の歴史は”強い”です

 

     

 

ということで,わが家に来てから今日で1100日目を迎え,ホンダが国内の四輪車の生産体制を再編し,2021年度をメドに狭山工場(埼玉県狭山市)の車両生産を寄居工場に集約し,狭山工場は閉鎖を検討する というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

                   ご主人は学生時代 狭山工場で車の組立のアルバイトをしてステレオを買ったって 

 

                                           

 

昨日,早稲田松竹でクロード・ルルーシュ監督「愛と悲しみのボレロ」と「男と女」の2本立てを観ました

「愛と悲しみのボレロ」はクロード・ルルーシュ監督・製作・脚本による1981年フランス映画(デジタル・リマスター版・185分)です

 

     

 

この映画は,1930年代から1960年代にわたり,モスクワ,パリ,ベルリン,ニューヨークを中心に2世代4つの家族の辿った数奇な人生を描いています   それぞれ,ソ連のバレエダンサー,ルドルフ・ヌレエフ,フランスのシャンソン歌手エディット・ピアフ,オーストリア生まれの音楽界の帝王ヘルベルト・フォン・カラヤン,アメリカのジャズ・ミュージシャン,グレン・ミラーといった世界的に活躍した芸術家たちをモデルにしています

最も印象に残るのはジョルジュ・ドンが踊るラヴェル「ボレロ」です   映画の冒頭,そして終盤でエッフェル塔をバックに踊られますが,これこそ芸術でしょう   引き締まった肉体で踊られるモーリス・ベジャールの演出による「ボレロ」は人々の興奮と熱狂を呼び起こします   中盤ではパリ・オペラ座でベートーヴェン「交響曲第7番」の第4楽章「アレグロ・コン・ブリオ」が踊られますが,スピードを伴う躍動感あふれるバレエは人間の能力の限界です  ジョルジュ・ドンは凄いと言わざるを得ません

ドイツでは若きピアニスト,カール・クレーマーがヒトラー総統の前でベートーヴェンの「ピアノ・ソナタ第14番”月光”」を演奏し,総統から賞賛されます   不思議なのは,第1楽章が終わったところで聴衆が拍手を始めて演奏が終わってしまったことです   彼はその後,軍楽隊の隊長になり,指揮者に転向します   アメリカで初めて開くコンサートのチケットは売り切れ状態でしたが,幕を上がると広い会場にいたのは新聞社の批評家2人だけでした   クレーマーは覚悟を決め,ブラームス「交響曲第1番ハ短調」の怒りのタクトを振り下ろします   演奏が終わると,舞台の天井からたくさんの紙片が降ってきました.それは,若きクレーマーがヒトラーと笑顔で握手している写真でした   要するに,ユダヤ人たちが当日のチケットを買い占めたうえ,だれも聴きに来なかったのです

その後,クラーマーは音楽界で認められるようになり,パリの凱旋門の屋上でリスト「前奏曲」を演奏する機会が与えられます   世界に,少なくともフランスに認められたという意味で,凱旋門での演奏は象徴的です

2世代4つの家族は,お互いに交流はありませんが,最後のパリでのチャリティ公演で一堂に集結します

この映画では,音楽が流れていないシーンの方が少ないと思うほど,音楽に溢れています   音楽を担当しているのはフランスを代表する音楽家フランシス・レイとミシェル・ルグランです   フランス映画界が総力をあげて制作した作品と言えるでしょう

 

                                           

 

「男と女」はクロード・ルルーシュ監督・製作・脚本・撮影による1966年フランス映画(デジタル・リマスター版・104分)です   約50年前の映画ですが,初めて観ました.ダバダバダ~ダバダバダ~ のテーマソングしか知らなかったので,こういうストーリーだったのか,というのが率直な感想です

 

     

 

映画製作のスクリプターをしながらパリで一人暮らしをするアンヌ(アヌーク・エーメ)とカーレーサーのジャン(ルイ・トランティニャン)は,ドービルにある同じ寄宿舎に娘と息子を預けていることから知り合いになり惹かれ合う   ジャンがレース中の事故で生命の危機を迎えた時,妻はショックで自殺していた.一方,アンヌは夫がスタントマンの仕事の最中事故で死んだこと,夫の思い出が断ち切れないことを告白する.そして二人は別れることにするが,ジャンは諦めきれず行動に出る

 

     

 

意外だったのは,モノクロだと思って観ていたらカラーになり,またモノクロになり,と画面が切り替わったことです   ジャンとアンヌが二人でいるところがモノクロなのかと思ったらそうでもないようです   あるいは,「女」が過去に生きるところを「モノクロ」で表し,「男」が現在に生きるところを「カラー」で表したのか,本当のところは分かりません  もう一つ,不可解に思うのは,ジャンに「子どもに会わせて」と懇願する第2の女の存在です.彼女はジャンとどういう関係にあるのか,最後まで明かされません

どうでもいいことですが,冒頭の場面で,ジャンが息子に自動車の運転を任せるシーンがありますが,今では考えられないことです

世界中の映画ファンから熱狂的に迎えられたこの映画を もっと早く観ていたら少しでも人生観が変わっていたか,と自問してみましたが結論はでませんでした

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