人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

東京交響楽団モーツアルト・マチネでモーツアルト「交響曲第39番」,ハイドン「チェロ協奏曲第1番」を聴く~イェンス=ペーター・マインツ(Vc)

2017年10月15日 08時10分08秒 | 日記

15日(日).わが家に来てから今日で1110日目を迎え,米ワシントンで開かれていた主要20か国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が13日閉幕したが,会議で財政健全化目標の先送りを表明した日本の取り組みの遅れが浮き彫りになった というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     日本は 政府と日銀が結託して 財政再建を先送りしてるから 無責任極まりない!

 

                                           

 

昨日,ミューザ川崎シンフォニーホールで,東京交響楽団の第31回モーツアルト・マチネ公演を聴きました   プログラムは①ハイドン「チェロ協奏曲第1番ハ長調」,②モーツアルト「交響曲第39番変ホ長調K.543」です   ①のチェロ独奏はイェンス=ペーター・マインツ,指揮はジョナサン・ノットです

開演30分前に会場に着いてトイレに行ったら,偶然,昔の仕事の上司 K氏にバッタリ出会いました   新聞関係団体で新聞広告の活性化のために働いていた頃の上司です   話によると 自宅が隣の蒲田にあり 奥さまが東響の定期会員とのことでした   これだから いつ どこで 誰が見ているか分かったものではありません.ヘタなことは出来ませんね

 

     

 

1曲目はハイドンの「チェロ協奏曲第1番ハ長調」です   この曲はハイドン(1732-1809)がハンガリーの貴族エステルハージ家で副楽長を務めていた時期,おそらく1761~65年の間(ハイドン29~33歳)に作曲されたと考えられています   第1楽章「モデラート」,第2楽章「アダージョ」,第3楽章「アレグロ・モルト」の3楽章から成ります

チェロの独奏者イェンス=ペーター・マインツはドイツ出身で,1994年にミュンヘン国際音楽コンクールのチェロ部門で17年ぶりの優勝者となり一躍脚光を浴びました   2006年から世界の実力者が集結するルツェルン祝祭管弦楽団のソロ・チェリストを務めています

オケはいつもの東響の配置をとりますが,管楽器はホルンとオーボエが各2本のみです.コンマスは水谷晃です

ノットと共に長身のイェンス=ペーター・マインツが颯爽と登場します   さっそくノットのタクトで第1楽章が開始されます.冒頭の第1ヴァイオリンの演奏は軽やかで優雅です   独奏チェロが入ってきますが軽快です.なかなか良い感じだな,と思って聴いていたら コンマス水谷氏の弦がプツンと音を立てて切れてしまいました   ”お約束”通り,彼のヴァイオリンは隣のフォアシュピーラー廣岡氏のそれと交換され,すぐ後ろの女性奏者の楽器が廣岡氏に渡され,故障したヴァイオリンを持った女性奏者が舞台袖に引き上げました   そして,第1楽章が終わったところで修理後のヴァイオリンが本人に戻されました   たまにこういう”事故”がありますが,演奏者は慣れたものです.それにしても,演奏が始まったばかりなのにどうして弦が切れるのでしょうか? 午前中の川崎の天気は霧雨でしたが,ホール内の湿度なども関係あるのかも知れませんね   いずれにしても,コンサートは何が起こるか分かりません

第2楽章は,ほとんど独奏チェロの独壇場です   終始穏やかなメロディーを気持ちよさそうに奏でます   一方,この楽章では管楽器は暇そうです.まったく出番がありません   一転 第3楽章は冒頭から速いテンポの小気味の良い演奏が展開します   もしモーツアルトがチェロ協奏曲を作曲していたら,こんな感じの曲を作っていたかも知れないな,と想像しました

会場いっぱいの拍手にイェンス=ペーター・マインツはバッハの「無伴奏チェロ組曲第3番」から「ブーレ」を穏やかに演奏し,聴衆のクールダウンを図りました

 

     

 

プログラム後半は,モーツアルト「交響曲第39番変ホ長調K.543」です   この曲は前日 「クラリカル・プレイヤーズ東京」の演奏で聴いたばかりです   第1楽章「アダージョ ー アレグロ」,第2楽章「アンダンテ・コン・モート」,第3楽章「メヌエット:アレグレット」,第4楽章「フィナーレ:アレグロ」の4楽章から成ります

オーボエ奏者が退席し,代わりにクラリネット,フルート,ファゴット,トランペット,ティンパニなどが入ります   オーボエがいないので,クラリネットがチューニングの音頭をとりますが,エマニュエル・ヌヴ―の音があまりにも大きく 他の楽員が苦笑していました

ノットのタクトで第1楽章が荘重な序奏で開始されます   そして活気のある曲想に転じ躍動感あふれる演奏が展開します   テンポ設定は,前日聴いた「クラシカル・プレイヤーズ東京」とほとんど変わらない小気味の良いものですが,オーケストラから出てくる音や音色は,前者が古楽器特有の18世紀的色彩の強いものだったとすれば,後者は最新の機能的な楽器による豊かなボリュームと現代的な明快な音色が特徴だと言えるでしょう

前日のブログにも書きましたが,私が注目するのは第3楽章「メヌエット:アレグレット」をどのように演奏するか,です   ノットらしいやや速めのテンポでグイグイ進めます   中間部のトリオはクラリネット,フルートに優美に歌わせていましたが,やはり,現代のモーツアルトを感じました

第4楽章「アレグロ」は,1つのテーマが多様に変形しながら展開していきます   小林秀雄はエッセイ『モオツァルト』の中で,このテーマについて,楽譜を紹介しながら,次のように書いています

「今,これを書いている部屋の窓から,明け方の空に,赤く染まった小さな雲のきれぎれが,動いているのが見える.まるで,【※テーマの楽譜】の様な形をしている,とふと思った.三十九番シンフォ二イの最後の全楽章が,このささやかな十六分音符の不安定な集まりを支点とした梃子(てこ)の上で,奇跡のようにゆらめく様は,モオツァルトが好きな人なら誰もが知っている」

このテーマについて,これ以上の表現は不可能です   ノット+東響の演奏を聴きながら,小林秀雄のこのエッセイを思い出していました

 

     

 

実は,今日も「東響オペラシティシリーズ」で同じ曲を聴きます   3曲のうち2曲が「モーツアルト・マチネ」とダブっているのです   どちらもセットで買っているのでダブりはやむを得ない面もあります   今回はモーツアルトの大好きな第39番なので,同じ演奏者でも喜んで聴きたいと思いますが,主催者側には,出来るだけダブらないプログラミングを心がけて欲しいと思います

コメント
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