人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

ウェールズ弦楽四重奏団でハイドン「弦楽四重奏曲第41番」,ベルク「弦楽四重奏曲」,シューベルト「弦楽四重奏曲第14番”死と乙女”」を聴く~第一生命ホール / 恩田陸さんの「栞へのこだわり」

2017年10月30日 07時52分56秒 | 日記

30日(月).昨日の日経朝刊 文化欄に小説家・恩田陸さんが「栞の救出」というエッセイを寄せていました   超訳すると,

「本の栞が大好きだ.スピン(紐)が付いている本は便利だが,スピンが付いていない本に,どの栞を使うか考えるのは楽しい   使う栞はだいたいいつも決まっているので,『これ,栞になるな』と加工したものや,洋服のタグを転用したものは引き出しに詰め込まれたままになってしまう.たくさん栞を持っているくせに,旅先で読む本には栞は使わない   以前,お気に入りの栞を持って旅に出たのだが,旅先で落としてきてしまったからだ   『本を読む』ということ,本という物体を手に取って開き 著者と対峙するのは,とても個人的で能動的な行為なのだと思う.一冊一冊が,まさに著者との一対一の真剣勝負   ガチンコ勝負は,いつだって面白い

読書はまさに個人的で能動的な行為だと思います   私の場合は恩田さんのようにガチンコ勝負まではいきませんが    恩田陸さんといえば,音楽コンクールを扱った直木賞受賞作「蜜蜂と遠雷」をまだ読んでいません   目下 一日も早く文庫化するよう念じているところです

栞の話に戻りますが,現在 私は下の栞を使っています   これは数年前にHさんから瀬戸内海の犬島にある精錬所美術館に行った時のお土産としていただいたものです   精錬所の建物のレンガをデザインしたものだということです.もうボロボロですが,捨てることが出来ません  これまでいったい何冊の本に挟まれてきたことでしょう   声が聞こえてきます.疲レンガな

 

     

 

ということで,わが家に来てから今日で1125日目を迎え,オシッコを決められた場所でしないでリビングの絨毯にすることがあり シミだらけになってしまったことから,新しいのを買ってもらい 感想を述べるモコタロです

 

     

        シッコ猶予をもらいました 今度の絨毯は同色系で 甲賀流”隠遁の術”で隠られそう

 

                                           

 

昨日,晴海の第一生命ホールでウェールズ弦楽四重奏団のコンサートを聴きました   プログラムは①ハイドン「弦楽四重奏曲第41番ト長調 作品33-5」,②ベルク「弦楽四重奏曲作品3」,③シューベルト「弦楽四重奏曲第14番ニ短調『死と乙女』」です

ウェールズ弦楽四重奏団は2006年に桐朋学園の学生により結成され,2008年のミュンヘン国際音楽コンクールで東京クァルテット以来38年ぶりに入賞を果たした(第3位)ほか,内外のコンクールで入賞経験のある若手メンバーによるクァルテットです   﨑谷直人は神奈川フィルのコンマス,三原久遠は東京都交響楽団のヴァイオリン奏者,横溝耕一はNHK交響楽団のヴィオラ奏者,富岡廉太郎は読売日響の首席チェリスト(予約済み)です

 

     

 

自席は1階8列12番,左ブロック右通路側です.会場は6割程度の入りでしょうか.ちょっと寂しく感じます

1曲目はハイドン「弦楽四重奏曲第41番ト長調」です   ハイドンは弦楽四重奏曲作品33(第37番から第42番までの6曲)をロシアのペドロヴィッチ大公に献呈してたことから,「ロシア四重奏曲」と呼ばれています   この曲はその5番目の曲です.この時すでにハイドンは弦楽四重奏によって全4楽章形式のスタイルを確立させています.交響曲の父であるとともに,弦楽四重奏曲の父でもある所以です   第1楽章「ヴィヴァ―チェ・アッサイ」,第2楽章「ラルゴ・エ・カンタービレ」,第3楽章「スケルツォ:アレグロ」,第4楽章「フィナーレ:アレグレット」から成ります  

第1ヴァイオリンの﨑谷氏を中心に,モーツアルトにも影響を与えたハイドンらしい明快な音楽が奏でられます   富岡氏のチェロは聴くたびに素晴らしいと思います

2曲目はベルク「弦楽四重奏曲作品3」です   プログラム・ノートによると,この曲は 師であるシェーンベルクの無調音楽から強い影響を受けて書かれた作品で,ベルク自身の言葉によれば,恋人の両親に結婚を反対されていた忸怩たる思いが反映しているとのことです   第1楽章「ゆっくり」,第2楽章「適度な速さで,4分音符で」の2楽章から成ります.はっきり言ってこういう曲は苦手です   また咳が出てきました   曲想としては師のシェーンベルクよりはるかに聴き易いと思いますが,曲を楽しむまでには多くの修業が必要のようです.私は降ります

 

     

 

プログラム後半はシューベルト「弦楽四重奏曲第14番ニ短調『死と乙女』」です   シューベルトは20歳頃に歌曲「死と乙女」を作曲しましたが,その7年後にそのメロディーを使って弦楽四重奏曲を書いたのがこの作品です   第1楽章「アレグロ」,第2楽章「アンダンテ・コン・モート」,第3楽章「スケルツォ:アレグロ・モルト」,第4楽章「プレスト」の4つの楽章から成ります

第1楽章冒頭はいつ聴いても衝撃的です   死神がいきなり現れたような恐怖を感じます.第2,第3楽章を経て,第4楽章がまた死の恐怖を感じさせる音楽です   タランテラの音楽に乗って死神が少女を誘い出し,連れ去っていくような不穏な雰囲気を感じさせます   4人の演奏はそういう雰囲気を良く出していたと思います

鳴りやまない拍手に4人は,ハイドンの「弦楽四重奏曲第1番」から第3楽章「アダージョ」を演奏し,聴衆のクールダウンを図りました

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