28日(土).昨日は風邪も回復基調になってきたので 映画を観に行こうかと思ったのですが,まだ時々咳も出るし,今日から4日連続コンサートを控えているので,大事をとって外出は避けることにしました
昨日 BGM代わりに聴いたのは「ロマン派ピアノ協奏曲の黄金時代」(20枚組CD)です このCDにはロマン派の作曲家45人のピアノ協奏曲(「ピアノと管弦楽のための曲」を含む)が収録されていますが,一般的に知られた作品は含まれていません
このアルバムは新宿のタワーレコードで買ったのですが,いつ買ったかは覚えていません 20枚のCDは個々に紙ジャケに収容されていますが,曲目解説は付属のCD-ROMに英文で収録されているだけで,プリントアウトされたものはありません
有名な作曲家の作品ではウェーバー(「ピアノ協奏曲第1番,第2番」),ショパン(「アレグロ・デ・コンチェルト」),シューベルト/リスト(「さすらい人幻想曲」),シューマン(「イントロダクションとアレグロ アパショナート」),チャイコフスキー(「ピアノ協奏曲第3番変長調作品75/79」,「コンチェルト・ファンタジー」),ラロ(「ピアノ協奏曲ヘ短調」),ガーシュイン(「協奏曲へ調」)等が収録されています
それ以外で名前が知られている作曲家の作品では,フンメル(「ピアノ協奏曲ト調」,「ピアノ協奏曲ホ調」),カルクブレンナー(「ピアノ協奏曲第1番」),フィールド(「ピアノ協奏曲第2番」),ルビンステイン(「ピアノ協奏曲第4番」),メトネル(「ピアノ協奏曲第3番」),グラズノフ(「ピアノ協奏曲第2番」),バーバー(「ピアノ協奏曲」)等が収録されています
逆に言えば,上記以外はクラシック音楽愛好家でも あまり馴染みのない作曲家や作品だということが出来ます しかし,実際に聴いてみると 知られざる名曲が まだまだあることを知らされます このアルバムのタイトルは「ロマン派の~」ですが,それぞれの作品が個性に溢れ,文字通り「ロマンティックな~」と言えるような曲想に溢れています
例えば,6枚目に収録されているヘンゼルトの「ピアノ協奏曲ヘ短調」を聴いてみると,第1楽章冒頭などは,ベッリーニのオペラ「ノルマ」序曲のようにドラマティックです
ところで,13枚目に収録されているチャイコフスキー「ピアノ協奏曲第3番変ホ長調 作品75/79」を聴いてみたら,「ピアノ協奏曲第1番変ロ短調作品23」と3つの楽章とも曲想がまったく同じでした 何かの間違いではないかと 念のため各楽章を比べてみました
【 第1番変ロ短調作品23 】 【 第3番変ホ長調 作品75/79】
第1楽章 アレグロ・ノン・トロッポ・エ・モルト・マエストーソ アレグロ・ブリランテ
第2楽章 アンダンティーノ・センプリーチェ アンダンテ
第3楽章 アレグロ・コン・フォーコ アレグロ・マエストーソ
全楽章とも違いますね しかし,曲想(メロディー)は同じです ウィキペディアで「チャイコフスキー『ピアノ協奏曲第3番』を調べてみたら,概要次のように書かれていました
「チャイコフスキーのピアノ協奏曲の一つ.ただし,全曲の完成には至らず チャイコフスキーは初めは『人生』と銘打った交響曲を構想していたが,それを破棄してピアノ協奏曲として生まれ変わらせようとした.しかし完成以前に死去したため,完成したのは第1楽章『アレグロ・ブリランテ』のみで,それが死後に遺作として作品75という番号付きで出版された 彼の死後,弟子のタネ―エフが第2楽章と第3楽章のスケッチを補筆・編集し,『アンダンテとフィナーレ』とした(出版に当たって『作品79』とされた)」
第1番は1874年11月~75年2月に作曲され,第3番は1893年10月に作曲されていることも分かってるので,2つの曲がまったく異なる作品であることが再確認できましたが,依然としてなぜ同じ曲想(メロディー)なのかが不明です
いよいよ怪しくなってきたので,付属のCD-ROMで曲目解説を見ると,やはり「ピアノ協奏曲第1番」ではなく「ピアノ協奏曲第3番」の解説が載っていました
そこで今度はYouTubeで「ピアノ協奏曲第3番」を検索して,ゲイリー・グラフマンのピアノ,ユージン・オーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団による演奏(1965年録音)で第1楽章を聴いてみたら,まったく違うメロディーが流れてきました
結論です このアルバムの13枚目に収録されているチャイコフスキー「ピアノ協奏曲第3番」の中身は「ピアノ協奏曲第1番」だったのです どうしてこういう間違いが起こるのか不明ですが,常識的には あり得ないことです
このアルバムは 「BRILLIANT CLASSICS」というレーベルで出ていますが,安売り専門のレコード会社です EUで製造されているようですが,具体的にどこの国で造られているか分かりません まあ,買う方はそれを承知で買っているわけですが,表示と中身が異なるのは困ったものです 風邪が治りかけていたのに,一気に悪化しそうです それでもなお,普段 馴染みのない隠れた名曲を発見する喜びには代えがたいものがあります
ということで,わが家に来てから今日で1123日目を迎え,麻生太郎副総理兼財務相が衆院選の勝利を「北朝鮮のおかげ」と発言した問題で,菅義偉官房長官が「政府・与党の北朝鮮への対応が選挙戦で評価された」と発言の真意について釈明した というニュースを見て感想を述べるモコタロです
正確には 北朝鮮の(脅威を煽った)おかげで自民党は圧勝したと言うのが正しい
昨日,夕食に「豚肉と大根の炒め煮」「生野菜と生ハムのサラダ」「肉団子とシメジと人参のスープ」,さらに 大根の葉の茎の部分を湯がいて「お浸し」を作りました 大根は捨てるところがありませんね
読売日響から「2018年度会員券継続手続き確認案内」のハガキが届きました 会員を①そのまま継続するか,②コースや席を変更するか,③継続しないか,について10月20日までに通知することになっていたのですが,まだ申込書を郵送していなかったので届いたものです もともとの会員継続案内には「現在の席は11月19日まで取り置きする」旨が書かれていたので,放っておいても大丈夫だろうと勝手に思っていたのですが,取りあえず①②③のいずれかを選択して10月30日までに返信しなければならないようです さっそく②を選択して申込書を送付しておきました 方針としては現在の「定期演奏会」はそのまま継続し,座席を変更することを考えたいと思います.良い席がなければ取り置いた現在の席にしようと思います そもそも 現在のシーズンはサントリーホールの全面改修工事に伴って上半期の読響定期演奏会が東京芸術劇場で開かれていたので,まだ1度もサントリーホールの自席で下半期の公演を聴いていないのです それでも次シーズンの席を決めなければならないので迷うのです 今回は特殊な事情だったので仕方ありませんが,出来るだけ迷わずに済むようにして欲しいものです
誉田哲也著「インデックス」(光文社文庫)を読み終わりました 誉田哲也の作品はこのブログで数多くご紹介してきましたね この作品は2014年11月に単行本として刊行された短編集を文庫化したものです このブログでもご紹介した「インビジブルレイン」事件後,池袋警察署の刑事課強行犯捜査係担当係長を拝命する姫川玲子を主人公とする8つのストーリーが収録されています
「アンダーカヴァー」「女の敵」「彼女のいたカフェ」「インデックス」「お裾分け」「落としの玲子」「夢の中」「闇の中」の8つのストーリーのうち,3編目の「彼女のいたカフェ」と6編目の「落としの玲子」は前後2作品の間に挟まれた「間奏曲」的な一息つくような作品になっています
「アンダーカヴァー」では,玲子は自腹で高価な時計や衣装を身に着け,女バイヤーに成り切って犯人をおびき寄せて逮捕につなげます
「女の敵」では,姫川玲子が5年前に捜査一課殺人犯十係主任を拝命した直後に遭遇した,女同士の嫉妬がからんだ薬物使用がらみの事件を振り返ります
「インデックス」では,ヤクザの親分が失踪したと見せかけた妻を追い詰め,事実を突き止める話です
「お裾分け」は,74歳の地主に39カ所もの傷を負わせ殺害した意外な犯人に玲子が迫ります
「夢の中」と「闇の中」は,通り魔的な犯行と目されていた殺傷事件から,複雑な親子関係をめぐるやりきれない真相を突き止める姫川玲子の活躍を描きます
そして,間奏曲的な「彼女にいたカフェ」は,池袋の大型書店に勤務する加地未冬が,客として喫茶スペースに来て難しい法律関係の本を読んでは机に突っ伏す 憧れの髪の長い女性について語ります その女性とは,刑事になるために猛勉強していた若き日の姫川玲子でした モデルとなっている書店は,記述内容から 明らかにジュンク堂書店池袋本店です
同じく間奏曲的な「落としの玲子」は,居酒屋で上司が落とした写真をもとに上司をからかう話です
今から遡ること11年前の2006年に誉田哲也著「ストロベリーナイト」が刊行されました ここで初めてヒロインの姫川玲子が登場し,捜査に当たる「姫川班」が結成され,数々の難事件に挑むことになるわけですが,この「インデックス」には当時の姫川班のメンバーが登場するので,「ストロベリーナイト」を読んだことがある人には懐かしく,ストーリーがすんなりと入ってくると思います しかし,そこは語り口の上手い誉田哲也のことですから,いきなり「インデックス」を読んでも十分楽しむことができます