11日(水).昨日の朝,パソコン(ウィンドウズ10入り)のスイッチを入れて暗証番号を入力したら,画面の隅に「タップして『金曜日に歯医者の予約を入れる』と言ってみてください」と表示されたのでビックリしました というのは,手帳の当日の予定欄に「歯医者予約」と記入しておいたからです もちろん,パソコンにそういう情報は一切入力してありません さらに驚いたのは,行きつけの歯医者で予約を入れた時「早くて金曜日です」と言われたのです 早い方が良いので金曜日に予約を入れましたが,偶然とは言え こういうことってあるんだな,わが家のパソコンは 使用者の予定を読むA I 機能付きか と一瞬疑いました
ということで,わが家に来てから今日で1106日目を迎え,第48回衆議院選挙が10日公示され,12日間の選挙戦が始まった というニュースを見て感想を述べるモコタロです
今 争点とすべきは「消費税」「原発」「第9条」以前に財政再建じゃないのか?
どの党も「当選ファースト」で 若者たちの将来の負担を考えていない 無責任だ!
昨日,夕食に「塩だれ豚丼」と「生野菜とタコのサラダ」を作りました 「塩だれ~」はレシピでは長ネギを使うとありましたが,大量の在庫があるニラも入れました.サラダにのっているタコは,一昨日 娘が海釣りに行ったとき,仕掛けてあった蛸壺にかかっていたタコです
来年1月27日(土)午後3時から紀尾井ホールで開かれる「紀尾井ホール室内管弦楽団アンサンブルコンサート『知られざるモーツアルト ”教会ソナタ”の楽しみ』のチケットを取りました プログラムはモーツアルトの①教会ソナタ14曲,②バッハの平均律クラヴィーア曲集から「5つのフーガ K.405」,③アンダンテK.616,④アダージョとフーガK.546です
周知のとおり1月27日はモーツアルトの誕生日(1756年生まれなので来年が生誕262年)です 主催者はわざわざこの日を選んだのでしょうね チラシのどこにもその旨が書かれていませんが,奥ゆかしいと言うべきでしょうか
来年の手帳を購入したので,コンサート日程を書き入れているのですが,2月16日(金)に4つのコンサートがあり,このうち3つが同じ時間帯で重なっていることが(今さらながら)判明しました
午後2時からの新日本フィルの「アフターヌーン・シリーズ」はそのままで良いのですが,
①N響C定期(サン=サーンス「ヴァイオリン協奏曲第3番」,フォーレ「レクイエム」他:ヤルヴィ+樫本大進)
②読響定期(レスピーギ「ローマの松」「ローマの噴水」,ラフマニノフ「パガニーニの主題による狂詩曲」他:テルミカーノフ+ルガンスキー)
③新国立オペラ(細川俊夫「松風」)
の3公演が夜7時開演ということで重なっています 演奏者とプログラムを比較検討した結果,N響定期を最優先としてそのまま聴くこととし,取りあえず,新国立オペラの「エクスチェンジ・サービス」を利用して「松風」を2月18日(日)午後3時からの部に振り替えるよう手配しました このサービスは年3回利用できます
あとは読響を振り替えることになりますが,2月公演は来年1月4日が振り替え開始日なので,それまで待つことになります しかし,読響の場合は「定期演奏会」の他に「名曲シリーズ」「土曜マチネシリーズ」「日曜マチネシリーズ」とあり,振り替え先も1月から3月までの公演から選択できるので助かります 1~3月の「都民芸術フェスティバル」などの日程と重ならないように手配したいと思います
佐藤正午著「恋を数えて」(角川文庫)を読み終わりました 佐藤正午氏の作品は何冊もこのブログでご紹介してきましたね 念のため簡単に略歴をご紹介しておきます.1955年長崎県生まれ.北海道大学文学部中退.1983年「永遠の1/2」ですばる文学賞を受賞しデビュー.2015年「鳩の撃退法」で第6回山田風太郎賞を受賞,2017年「月の満ち欠け」で第157回直木賞を受賞しています
佐藤正午の小説は1行目に大きな特徴があります 最近読んだ本で言えば,
「失業したとたんにツキがまわってきた」(永遠の1/2)
「今年40歳になるタクシー運転手,武上英夫は秘密を3つ持っている」(事の次第)
「男にとってこの世でいちばん頭の痛い存在は妊娠した女である」(個人教授)
「ぼくはネクタイを結べない男である」(夏の情婦)
「幸地家の幼い娘は父親のことをヒデヨシと呼んでいた」(鳩の撃退法)
といったところですが,どれもが「果たしてこれからどういう展開になるのか?」と期待が湧いてきます
この「恋を数えて」は次のように始まります
「賭け事をする男とだけは一緒になるな」
物語は,バーのホステスとして働く秋子の7年間の遍歴をつづったものですが,この言葉は母親の遺言で,秋子の人生に大きな影響を与えます しかし,ギャンブルで身を崩した父親の姿をそばで見ていたがために,その遺言は重い意味を持っているはずなのに,何故か秋子はそういうギャンブル好きの男と付き合ってしまうのです
この小説は,冒頭に堀口大學の「数へうた」が載っています
うそを数へて ほんまどす
めくらを数へて あんまどす
ととを数へて さんまどす
とんぼを数へて やんまどす
まぬけを数へて とんまどす
くとうを数へて コンマどす
したを数へて エンマどす
秋子の同棲相手,尾崎恒夫は翻訳と雑誌への投稿を仕事にしていると言いますが,いつしか競輪場通いがバレてしまいます 唯一の兄は金を貸してくれと頼みにくるような頼りない男です 秋子はつくづく薄幸で男運の悪い女性だと思いますが,男たちと違って女は強い したたかに生きていきます.秋子にとって男どもは「まぬけ数へて とんまどす」の部類なのでしょう
この小説の最後に,秋子の友人なつみがゴロ合わせで作った句が紹介されます
「恋を数えて としまどす」
秋子は「久しぶりでおなかをかかえたけれど,あとでちょっぴり寂しい気がしたのも覚えています」と語ります
ところで,佐藤正午氏は「あきこさまーあとがきにかえて」(1987年1月)の中で,この小説を書くキッカケになった出来事を披瀝しています それによると,この小説を書く3年前のある日,バーのカウンターで飲んでいた時,佐藤氏の持っていた競輪新聞を見て,誕生日がくれば28歳になる隣り合わせた女性が「賭け事をするでしょう?」と訊いたことから,佐藤氏が「競輪で大穴を当てたから思い切り贅沢できる」と言って女性を誘ったところ,「母の遺言で賭け事をする男とはつきあうな と言われている」と返した,そのことが3年経っても忘れられずにいたーということです
この小説は次の1行で終わりを迎えます
「この秋には30歳をむかえます」
佐藤氏は最初の1行「賭け事をする男とだけは一緒になるな」と最後の1行「この秋には30歳を迎えます」の間を埋めることが仕事だった,と語っています さらに「いま書店でこの頁を開いている人がきみであればと願っています」と書いています 果たしてその彼女はこの本をレジカウンターに持っていっただろうか? 今から30年前のことだけれど