人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

イタリア弦楽四重奏団によるモーツアルト「弦楽四重奏曲全集」を聴く習慣 / 佐藤正午 著・牛尾篤 画「花のようなひと」を読む

2017年10月26日 07時57分21秒 | 日記

26日(木).風邪が長引いていて 体調が思わしくないので 昨日も一日中家で過ごしました 昨日BGM代わりに聴いたのはイタリア弦楽四重奏団によるモーツアルト「弦楽四重奏曲全集」(8枚組CD・1966 ~1972年録音)です

 

     

 

私がイタリア弦楽四重奏団の演奏を初めて聴いたのは,30数年前にオーディオ・マニアOさんの家で聴いたハイドン「弦楽四重奏曲第67番ニ長調”ひばり”」のLPレコード(1965年録音)でした   タンノイのスピーカーから流れてくる弦楽四重奏の何と明るく伸びやかな演奏だろうか  と即座に気に入ってしまいました   翌日にはLPレコードを購入していました

※下の写真は同じ演奏によるCDです.

 

     

 

それ以来,このモーツアルトの「弦楽四重奏曲全集」をはじめ,ベートーヴェン「弦楽四重奏曲全集」などイタリア弦楽四重奏団によるLPやCDを購入するようになりました(余談ですが,O氏宅で聴いたタンノイ・アーデンは,「JBLを買うので,安く売る」と言われ,今わが家にあります).

モーツアルトの全集を買って間もなく,風邪で1週間くらい会社を休むことがありました   その時,この際良いチャンスだと思って,連日第1番から第23番まで,8枚のCDを繰り返し聴くことにしました   そのことがきっかけで,風邪が1週間くらい長引くときはモーツアルトのこの全集を聴くのが慣例になってしまいました   というわけで,今回も聴くことになったのです

60年代から70年代にかけての録音なので今でこそ古めかしく感じますが,ステレオ録音で音質も良く,演奏はいずれも明快で伸びやかです   ハイドンとモーツアルトの弦楽四重奏曲はイタリア弦楽四重奏団の演奏が一番だと思います

ということで,わが家に来てから今日で1121日目を迎え,岩波書店が広辞苑を10年ぶりに改訂し来年1月に発売すると発表した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

                    今やグーグルで検索する時代だけど  さすがに「ググる」は収録しないようだね

 

                                           

 

昨日,夕食に「鶏のみぞれ煮」「生野菜と生ハムのサラダ」「いわし団子,チンゲン菜,エノキダケのスープ」を作りました   「鶏の~」は大根を15センチくらい使いました

 

     

 

                                           

 

佐藤正午 著,牛尾篤 画「花のようなひと」(岩波現代文庫)を読み終わりました   正午さんについては何冊もこのグログでご紹介してきましたが,「月の満ち欠け」で今年の第157回直木賞を受賞した長崎県在住の小説家です   また,この本では下の写真のような挿画が文章に添えられていますが,作者は牛尾篤さんです   牛尾さんは1958年生まれの画家で1984年 多摩美術大学油画科卒.1984-88年,国立ウィーン応用美術大学で学んでいます

 

     

 

「花のようなひと」は2005年9月,岩波書店から刊行され,今年8月に文庫化されたものです

この作品は,日常生活の中で起こる何気ない出来事や,それにまつわる心象風景を,”小説の名手”佐藤正午が様々な花々に託して描き出し,その世界を牛尾篤が洗練された挿画で鮮やかに映し出したものです

3ページで1つの物語になっていて,1ページ目と3ページ目がストーリーで,真ん中の2ページ目に挿画が挟まれています   「姉の気持ち」「バラの刺」「Eメール」「マフラー」「花束」などのタイトルで28の小さな物語が書かれています

一番 藤正午さんらしいな,と思ったのは「マフラー」です.概略こういう話です

「ある女性が空港のコーヒーショップで,左隣の空いた椅子に鞄とマフラーをおき,コーヒーを飲んでいると,ひとつ置いた右隣の椅子に鞄とマフラーを持った男が来て腰かけた   バスの乗車案内のアナウンスがあったので退席しようとマフラーに手を伸ばすと,それが右側の椅子のマフラーだと気が付いた   彼女は男に誤りバス乗り場へ歩いた.やや遅れて男が後ろを歩いてくるのがわかった.男は車中でまた話しかけてくるだろうか?  同じ柄のマフラーを話題のきっかけにして   彼女はそのときを想像して,なかば鬱陶しい気がした.同時に,なかば心が弾むような感じをおぼえながらバスへ急いだ

こういうちょっとしたことは誰もが経験することだと思いますが,正午さんはその時の人の心の機微を掬い取ります   そして,この後,男は彼女に声をかけるだろうか? 佐藤正午の小説なら絶対にかけるだろう,と思わせます   さらに言えば,一本のマフラーから500ページに及ぶ長編小説を書き上げるかも知れない,と思わせます

この本には2009年2月に岩波書店から刊行された「幼なじみ」が収録されています

1時間もあれば読み終わってしまいます.超短編集なのでどこからでも気軽に読めます.お薦めします

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