人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

日経ミューズサロン「ハンガリー国立ブダペストオペレッタ劇場専属歌手によるニューイヤーコンサート」のチケットを取る / 米澤穂信著「満願」を読む

2017年10月17日 08時04分55秒 | 日記

17日(火).今は昔,7月18日(火)の午後,都内で雹(ひょう)が降りましたが,その時マンションの各戸の網戸が破れたため,管理組合加入の保険で対応することとなりました  それに基づいて,昨日午前,業者が来て網戸の修理を行いましたが,2本で約1時間半かかりました   そんなこともあり,寒かったこともあり,逆にコンサートも映画も予定がなかったので,昨日は一日中 家で過ごしました

ということで,わが家に来てから今日で1112日目を迎え,15日のオーストリア下院選で中道右派の国民党(クルツ党首)が第1党になり 右傾化が鮮明になった一方,同日のドイツ ニーダーザクセン州議会選挙で,メルケル氏が率いるキリスト教民主同盟がドイツ社会民主党に敗れ,メルケル氏への逆風がさらに強まった というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

       米国から始まった反移民・反難民主義がヨーロッパに蔓延してきた  困ったものだ

 

                                           

 

昨日,夕食に「クリームシチュー」と「生野菜とツナのサラダ」を作りました   寒い時はシチューが食べたくなります.ジャガイモと人参は皮付きのままなので煮崩れしていません

 

     

 

                                           

 

来年1月9日(火)午後6時半から大手町の日経ホールで開かれる「第468回日経ミューズサロン~ハンガリー国立ブダペストオペレッタ劇場専属歌手によるニューイヤーコンサート」のチケットを取りました   チケット代が3800円と手ごろな料金でコンサートが聴けることで人気のある日経ミューズサロンですが,当たり外れがあります   出演者の誰一人知りませんが,私の感では,このニューイヤーコンサートは”当たり”だと思います

 

     

 

                                           

 

米澤穂信著「満願」(新潮文庫)を読み終わりました   この作品は「このミステリーがすごい!」(2015年版),「週刊文春ミステリーベスト10」(2014年),「ミステリが読みたい!」(2015年版)でそれぞれ第1位となたった話題の本です

米澤穂信の作品はこのブログでも数多くご紹介してきました   簡単に経歴を紹介しておくと,1978年岐阜県生まれ,2001年「氷菓」で角川学園小説大賞奨励賞を受賞しデビュー,2011年に「折れた竜骨」で日本推理作家協会賞を,14年には「満願」で山本周五郎賞を受賞しています

 

     

 

この本は,「夜警」「死人宿」「柘榴」「万灯」「関守」「満願」の6つの短編から成ります

「夜警」は,ベテラン警察官のかつての部下が,男が刃物を持って暴れている現場に駆け付けたとき,部下が相手を射殺したものの,自らも切りつけられて殉職してしまった事件を振り返るもので,そもそも射殺する必然性があったのかと疑問に思うところから,隠された真相が浮き彫りになる物語です   「死人宿」は,別れた恋人との復縁を希望する主人公の心理と推理を,人里離れた山奥の一軒宿を舞台に描いたもの  「柘榴(ざくろ)」は,美しい中学生姉妹とその父親をめぐる,官能的で危険の匂いがする物語です   「万灯」は,バングラデシュの資源開発に携わるサラリーマンの生きるか死ぬかの危機的状況を描いた物語   「関守」は,伊豆半島のある峠にまつわる都市伝説を取材するため,峠の小さなドライブインを訪れるライターが危機に陥るというストーリーです   「満願」は,借金の取り立てを受けていた畳屋の夫人が貸金業者を殺した事件で,第1審では犯行の計画性が判決に盛り込まれなかったのに,夫人は第2審を前に控訴を取り下げてしまった.どうやら犯行現場にかけられていた掛け軸に飛び散った血液がその理由だと考えられたが,夫人はどうして取り下げたのか,と若き日に夫人に世話になった弁護士が振り返るというストーリーです

「満願」というのは,証拠品の写真に写された達磨の写真について語ったものです

「小さな達磨には目が片方だけ入れられている.するとこれは,鵜川妙子が私と買った達磨だったのかもしれない   私が買った達磨は満願成就して両目が入り,寺に供養してもらった.しかし,鵜川妙子の達磨がどうなったのか,聞いたことはなかった

ここで,「私が買った達磨は満願成就して両目が入り」とあるのは,ストーリーを語っている弁護士が,若き日に苦学の末,弁護士になることが出来たことから達磨に両目が入ったということです   「鵜川妙子の達磨がどうなったのか,聞いたことはなかった」というのは,被告人の女性が控訴して第2審で勝訴すれば両目を入れることが出来るであろうが,控訴を取り下げることによって,守るべきものを守り通せれば,隠したいことを隠し通せれば,両目を入れることが出来る,ということを暗示しています   弁護士は「彼女が守りたいこと,隠したいこと」を推理し,確信をもっています  しかし,すべては終わっています

この本に収録された6つの作品は連作短編とは異なり,それぞれがまったく趣向の異なった筆致で描かれ,著者のエンターティナーとしての才能を強く感じます   6つの中で一番印象が残ったのは「関守」でした   ライターと峠の小さな店のおばあさんとの のんびりした会話のやり取りだと思っていると,ライターが いつの間にか抜き差しならない怖い状況に追い詰められていることに気が付きます  

一気読み必至の短編集です.お薦めします

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