22日(日).昨日はマンションの管理組合の臨時総会があったので,小雨の中,風邪で体調が悪い中,近所の集会所に出向きました いつものことながら計算上は86世帯あるはずが,理事・監事を含めて本人出席はたったの7人という体たらくでした 幸い1時間もかからずに終了したので体力的には助かりました
というわけで,わが家に来てから今日で1117日目を迎え,トランプ米大統領が20日,米連邦準備理事会(FRB)の次期議長にパウエル理事,テイラー元財務次官,イエレン現・議長の3氏を軸に考えていることを明らかにした というニュースを見て感想を述べるモコタロです
パワフル・パウエルにしようかな・・・・・
注文仕立てのテイラーにしようかな・・・てか チーズの位置 変わってね?
まだ決めてないから この場では言えれん てか 何でチーズ? プロセスおかしくね
昨夕,サントリーホール東京交響楽団第654回定期演奏会を聴きました プログラムは①リスト「バッハの名による前奏曲とフーガ」,②シェーンベルク「管弦楽のための変奏曲」,③ラフマニノフ「パガニーニの主題による狂詩曲」,④ラヴェル「ボレロ」です ①のパイプオルガン独奏は石丸由佳,③のピアノ独奏は児玉桃,指揮はジョナサン・ノットです
開演にあたり「指揮者の希望により1曲目と2曲目は続けて演奏される」旨のアナウンスがありました
オケのメンバーが入場し配置に着きます.態勢はいつもの東響の並びでヴァイオリン・セクションが左右に分かれる対向配置をとります コンマスはグレヴ・二キティンです.ステージ正面2階のパイプオルガン席に石丸由佳さんがスタンバイ,同時に1階のステージにノットが登場します 石丸さんは東京藝大大学院修了,2010年にシャルトル国際オルガンコンクールで優勝しています
最初にリスト「バッハの名による前奏曲とフーガ」がオルガン独奏で演奏されます 超絶技巧ピアニストとしても名声を博したフランツリスト(1811-1886)は,1848年にピアニストとしての活動から身を引き,かつてバッハが楽長を務めていたドイツのワイマールに移り住み,新たな作曲・指揮活動に専念しました バッハ所縁の地で作曲された作品の一つがこの曲で,曲のタイトルにある「バッハの名による」というのは,「BACH=シ♭ラドシ」の音型によるという意味です
石丸さんの演奏は足から入ります.つまり,低音部から力強い音楽が奏でられます 曲を聴く限り,バッハの名前を借りてはいるものの,懐古的な曲想とは正反対のアプローチの曲で,不協和音も頻繁に現れます 浅井佑太氏のプログラム・ノートによると,「リストは不協和音の表出にこそバッハ作品の真価を見たと述べている」とのことです.確信犯ですね 確信犯リストに載せておこう
石丸さんの素晴らしい演奏が力強く閉じるとオルガン奏者に当てられていた照明が暗転,同時に今度はステージに照明が当てられ,ノットの指揮でシェーンベルク「管弦楽のための変奏曲」の演奏に入ります この曲は1926年5月~8月に作曲され,1928年12月2日にフルトヴェングラー指揮ベルリン・フィルによって初演されました 曲はシェーンベルク,指揮するのはタクトがブルブル震えて 曲の出だしが分かりずらいと言われていた巨匠フルトヴェングラーということで,ベルリン・フィルの連中が「振ると面喰う」と言ったかどうかは分かりません
この曲は,「導入部」に続く「主題」と「9つの変奏」「フィナーレ」から成りますが,シェーンベルクにとって十二音技法による初の大規模管弦楽曲という位置づけにあります 驚くのは,複雑怪奇なこの曲が,この日 演奏されるラヴェルの「ボレロ」と同じ1828年に作曲されたという事実です これはベルリオーズの「幻想交響曲」が,ベートーヴェンの「第九」の初演(1824年)からわずか6年後の1830年に初演されたという事実と同じくらい衝撃的です
実を言うと,この曲が始まった直後あたりから,風邪の影響で咳が出そうになり,涙が流れ落ち,鼻汁が流れてきて,落ち着いて音楽を聴く気分ではなくなってきました どうもシェーンベルクには拒否反応が起こるみたいで困ります 一種のアレルギーでしょうか.単なる風邪でしょうか
終演後,ものすごい拍手とブラボーが起きましたが,皆さんどこまでわかっていらっしゃるのでしょうか この曲のどこが良いのか,だれでもいいから教えてくれ
プログラム後半の1曲目はラフマニノフ「パガニーニの主題による狂詩曲」です この曲はラフマニノフ(1873-1943)が4つのピアノ協奏曲を書いた後の,1934年7月~8月にルツェルン湖畔の別荘「ヨーロッパの家」で作曲され,1934年11月7日にラフマニノフのピアノ独奏,ディズニーの「ファンタジア」でお馴染みのレオポルド・ストコフスキー指揮フィラデルフィア管弦楽団によって初演されました
タイトルにある「パガニーニの主題」というのは,19世紀のヴァイオリンの奇才パガニーニの「無伴奏ヴァイオリンのための”24のカプリス”」作品1の第24曲の主題のことです
ソリストの児玉桃さんが朱色の鮮やかな衣装で登場,ピアノに向かいます この曲は「導入部」「第1変奏」「主題」「第2変奏~第10変奏」,「第11変奏~第18変奏」「第19変奏~第24変奏」という順に演奏されます 曲の冒頭から,児玉さんとノット+東響との丁々発止のやり取りで火花が散ります このコンビで聴いていると,あたかもこの曲がたった今生まれたばかりの作品のように新鮮に感じます 特に児玉さんは,音符に書かれている音を再現していることには違いないのですが,刺激的で まるで即興演奏のように感じます これは彼女の音楽作りの大きな特徴かも知れません
鳴りやまない拍手とブラボーに,児玉さんはラヴェルの「鐘」から「悲しい鳥たち」を繊細かつ抒情的に演奏し,さらに大きな拍手を受けました
最後の曲はラヴェルの「ボレロ」です あまりにも有名なこの曲は,もともとモーリス・ラヴェル(1875-1937)がバレエ・ダンサーのイダ・ルビンシュタインの依頼によって作曲した「バレエ音楽」です この曲で思い出すのは,このブログでもご紹介したクロード・ルルーシュ監督による1981年公開映画「愛と悲しみのボレロ」におけるジョルジュ・ドンが踊った「ボレロ」です まさにバレエは芸術だということを証明しています 小太鼓による4分の3拍子を基調とするスペイン舞踏のリズムにのって演奏される息の長い旋律は,まったく変化することなく,楽器を変えて執拗に繰り返され,最後にどんでん返しを迎えて一気に終結します
ピアノがステージ右サイドに移動され,ステージ中央のチェロとヴィオラの中間に小太鼓の女性がスタンバイします 文字通りフル・オーケストラ態勢で「ボレロ」に臨みます
弦の小さなピッツィカートと小太鼓の刻むリズムに乗って,フルート⇒クラリネット⇒ファゴットというように楽器を変えて同じメロディーが奏でられます 最初は演奏する楽器も少なく小さな音だったのが,だんだん楽器の数が増えていき音が大きくなっていきます これが聴く側の高揚感を呼び起こします 単純なメロディーがしつこく繰り返されるだけの15分足らずの曲が,なぜこれほどまでに人々の興奮を呼ぶのか? それは各楽器のもつ機能を最大限に発揮させ色彩感溢れる音の大伽藍を築き上げるからでしょう しかも,最後のどんでん返しで,その大伽藍を一気に崩壊させてしまうところがまた,興奮を呼び起こします
この日の東響は,ソロを担当する木管楽器群がベストとはいいがたい出来だったように思います 満席近い聴衆の前でミスすることなくソロを吹くのは相当度胸のいることだと思いますが,そこはプロです ノー・ミスまでいかなくても,スムーズな演奏を期待したいと思います
4曲を聴き終わって感じるのは,前半の無調を中心とする何だかわからんちんの音楽のモヤモヤを,後半の調性音楽が吹き飛ばした,といった感じです 「ただし,これはあくまでも個人による感想で,個々人によって異なります」ってサプリメントの通販広告かい