人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

ノット+イェンス=ペーター・マインツ+東響でハイドン「交響曲第86番,チェロ協奏曲第1番」,モーツアルト「交響曲第39番」を聴く / オペラシティコンサートホールの不可解なアナウンス改善される

2017年10月16日 08時01分52秒 | 日記

16日(月).わが家に来てから今日で1111日目を迎え,22日投開票の衆院選に関する各紙世論調査で 希望の党(代表:東京都知事 小池百合子)が伸び悩んでいる というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

       「都民ファースト」は良かったけど  国政選挙じゃ小池ファーストが露呈してね?

 

                                           

 

昨日,初台の東京オペラシティコンサートホールで東京交響楽団のオペラシティシリーズ第100回演奏会を聴きました   プログラムは①ハイドン「交響曲第86番ニ長調」,②同「チェロ協奏曲第1番ハ長調」,③モーツアルト「交響曲第39番変ホ長調K.543」です   ②のチェロ独奏はイェンス=ペーター・マインツ,指揮はジョナサン・ノットです

昨日のブログをご覧になった方はお気づきと思いますが,②と③は前日 ミューザ川崎で聴いた「モーツアルト・マチネ」と同じプログラム・演奏者です   共にセット券で購入している関係でダブってしまいました  この結果, モーツアルトの「交響曲第39番K.543」に至っては「クラシカル・プレイヤーズ東京」の公演から3日連続で聴くことになりました

 

     

 

1曲目はハイドン「交響曲第86番ニ長調」です   ハイドンは長年務めたエステルハージ家の楽長を辞した後,1785年から86年にかけて6曲の交響曲を作曲しました   これはコンセール・ド・ラ・オランピクというパリの演奏会組織からの委嘱によって書かれたもので,第82番から第87番までの6曲セットで「パリ交響曲」と呼ばれています   6曲は,第82番 ハ長調「熊」,第83番 ト短調「めんどり」,第84番 変ホ長調,第85番 変ロ長調「王妃」,第86番 ニ長調,第87番 イ長調です

第86番 ニ長調は第1楽章「アダージョ~アレグロ・スピリトーソ」,第2楽章「カプリッチョ:ラルゴ」,第3楽章「メヌエット:アレグレット」,第4楽章「アレグロ・コン・スピリート」の4楽章から成ります

ノットのタクトで演奏が開始されますが,全体的に軽快なテンポで演奏を進めます   とくに第4楽章のアレグロは,高速スピードに裏打ちされた躍動感あふれる演奏で 聴衆の心を熱くしました   まるでロッシーニの喜歌劇の早口言葉によるアリアを聴いている時のようなワクワク感を感じました

全体を通して聴いて感じたのは,4つの楽章の作り方がモーツアルトの「交響曲第39番変ホ長調K.543」に似ているな,ということです   ちなみにK.543は第1楽章「アダージョ~アレグロ」,第2楽章「アンダンテ・コン・モート」,第3楽章「メヌエット:アレグレット」,第4楽章「フィナーレ:アレグロ」となっています 単なる偶然とは思えません

この曲はアンタル・ドラティ指揮フィルハーモニア・フンガリカのCD(1971年録音)で予習しておきました

 

     

 

2曲目はハイドン「チェロ協奏曲第1番ハ長調」です   ハンブルク生まれで,ダヴィド・ゲリンガスに師事したイェンス=ペーター・マインツが登場し,スタンバイします   前日のミューザでの演奏と同様に,軽快な演奏を展開しますが,楽器そのものの音色が素晴らしいので,プログラム冊子のプロフィール欄を見たら,使用楽器は1697年製のジョヴァンニ・グランチーノとのことです   また,第1楽章と第2楽章の終盤でカデンツァが演奏されますが,解説によると第1楽章はマインツの師匠ゲリンガスの,第2楽章はベンジャミン・ブリテンのものが用いられたようです   カデンツァともども素晴らしい演奏でした   前日のように演奏中にコンマス・水谷氏のヴァイオリンの弦が切れることもなく無事に終わったのが何よりでした

ソリストのアンコールはバッハの「無伴奏チェロ組曲第3番」から「サラバンド」でしたが,しみじみと良い演奏でした

 

     

 

プログラム後半は,モーツアルト「交響曲第39番変ホ長調K.543」です   昨日も書きましたが,後期三大交響曲(第39番~第41番)は1788年の夏に一気に作曲されました.この第39番は同年6月に完成しています   3曲の作曲の動機は不明ですが,同じ時期に書かれたハイドンの交響曲第82番~84番(1785~86年作曲)と調性が一致していることから,モーツアルトが師と仰ぐ(師事したということではないが)ハイドンを意識して作曲されたことはほぼ間違いないでしょう

    ハイドン 交響曲第82番 ハ長調   モーツアルト 交響曲第41番 ハ長調

     〃   交響曲第83番 ト短調      〃   交響曲第40番 ト短調

     〃   交響曲第84番 変ホ長調     〃   交響曲第39番 変ホ長調

演奏される第39番の大きな特徴はオーボエがない代わりにクラリネットが2本使われるところです   チューニングの要であるオーボエ不在のため,この日もクラリネットのエマニュエル・ヌヴ―氏が音頭を取りましたが,前日同様,その音が大きすぎて,主に楽団員の笑いを誘っていました 小さい音で良く聴こえないより 大きい音の方がベターだとは思いますが

ノットのタクトで演奏に入ります   テンポ設定など演奏スタイルは前日と変わるところはありませんでしたが,会場の違いからか,ミューザの時より直接的に音が迫ってくるように思いました   ミューザの場合はヴィンヤード方式のため客席がステージを囲むので,音が四方八方に分散し,マイルドなホールトーンになりますが,オペラシティの場合はオケの後方が壁なので1階正面の席で聴くと,壁に反射した音が直接的に跳ね返ってくるからだと思います

肝心の第3楽章「メヌエット:アレグレット」では,クラリネットのエマニュエル・ヌヴ―,フルートの甲藤さち,ファゴットの福士マリ子の演奏が楽しく聴けました   3日連続でK.543のメヌエットが聴けて幸せでした

ところで,東響音楽監督ジョナサン・ノットについては,現代音楽の演奏で有名な「アンサンブル・アンテルコンタンポラン」の音楽監督を歴任していることもあって,現代音楽が得意だと言われることが多いようですが,私は断然ベートーヴェンを中心とする古典派音楽が一番良いと思います.今回,ハイドンとモーツアルトを聴いて その感を強くしました   「ノット現代 バット古典」といったところですが,要するにノットはレパートリーが広いということでしょう

 

                                           

 

東京オペラシティコンサートホールで開かれるコンサートの休憩時のアナウンスについて,改善を要する箇所があったため,8月3日付で公益財団法人東京オペラシティ文化財団あて概略次のような手紙(当日付の当toraブログで紹介しています)を出しました

「東京オペラシティコンサートホールで開催されるコンサートの休憩時のアナウンスは,『開演中にケータイ電話の着信音が鳴りますと,他のお客様のご迷惑になる場合がございます.電源をお切りくださいますようお願いいたします』としているが,演奏中のケータイ電話の着信音ほど迷惑なものはない.『迷惑にならない場合』などないのだから,アナウンスは『他のお客様のご迷惑になります.電源をお切りください』と断言すべきである」

当方は「クレーマー」ではないので,住所・氏名・メルアドを明記して手紙を送付しました   しかし,現在に至るまでメールでも手紙でも一切反応がありませんでした   これについて,9月3日に当ブログ読者 みなみさん から,3日に東京フィルのコンサートを聴いたが,友人が「『ご迷惑になります~』とアナウンスしていたと思う」と言っていた とのコメントをいただきました   私も8月28日に「読響三大協奏曲」公演を聴いた時,そのようにアナウンスしていたように思いましたが,確信がもてなかったので,次の機会を待っていたのです

そういう経緯があったので,昨日は 休憩時のアナウンスに耳を傾けていたのですが,「ご迷惑に~」のフレーズはなく,「アラーム付時計,ケータイ電話等の電源はお切りください.補聴器の取り扱いには十分ご注意ください」とアナウンスしていました

同財団から何の反応もないので,私の指摘に応じてアナウンス内容を変えたのかどうかは分かりません   しかし,指摘した当人のことは無視して,シレっと変えたということは想像に難くありません   まるで「誰かから指摘されるまでもなく,われわれは以前からそのように変えるように検討していたのです」とでも言うように   もしそうであるとすれば,同じ財団法人でも東京交響楽団の対応とは天と地ほどの違いがある,と思います

東京交響楽団のプログラム冊子「Symphony」の中で,演奏曲目の前半と後半の間に「休憩」の表示がないことに関し,公益財団法人東京交響楽団あて「休憩」を表示して欲しい旨の手紙を書き,その結果,同財団が速やかな対応を図り9月号から休憩表示に踏み切ったことについては7月22日付の当toraブログ(7月17日,9月17日も参照)に経緯を書きました

同じ公益財団法人であっても,一般聴衆からの要望に対して こうも対応が違うのは,東京交響楽団の場合は全収入に占めるチケット売上収入の占める割合が高い関係で,一般聴衆からの要望に対しては 出来ることは実行しないと定期会員を中心とするリピーターを失う恐れがあるという事情があり,それがコンプライアンスに繋がっているのではないかと思います

一方,東京オペラシティ文化財団の方は,コンサートホールを主催者側に貸しているに過ぎず,コンサートを聴きにくる聴衆とは直接的な利害関係がないので,誰が何を言おうが自分たちの都合で何もかも決めてやっているのだと思われます   「なに,アナウンスの内容について要望がきた?言葉を変えるだけの簡単なことなら変更しておけばいい.要望者にいちいち返事する必要などない.われわれの仕事じゃない」といった具合に   コンプライアンスはどこに

今回の件は,「他のお客様のご迷惑になる場合がございます」といった不可解なアナウンスを二度と聴かないで済むようになったので,精神的に良かったと思います   その点では公益財団法人東京オペラシティ文化財団にお礼を言わなければなりません   さらに,今回 同じ公益財団法人でもコンプライアンスがしっかりしている法人と,まったく出来ていない法人があることが分かった点でも勉強になりました   両公益財団法人にお礼を申し上げます

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