8日(日).わが家に来てから今日で1103日目を迎え,今年のノーベル平和賞が,核兵器の非合法化と廃絶を目指す非政府組織「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)に決まった というニュースを見て感想を述べるモコタロです
「北朝鮮から核を排除できる?」オバマ「YES I CAN」トランプ「YES YOU CAN」
昨日,晴海の第一生命ホールで「トリトン晴れた海のオーケストラ メンバーによる室内楽」を聴きました プログラムは①ベートーヴェン「七重奏曲変ホ長調」,②シューベルト「弦楽五重奏曲ハ長調」です 演奏はヴァイオリン=矢部達哉,松浦奈々,ヴィオラ=篠崎友美,チェロ=山本裕康,原田禎夫,コントラバス=池松宏,クラリネット=三界秀実,ファゴット=岡本正之,ホルン=西條貴人です
チェロの原田禎夫氏が元東京クァルテットの創立メンバー,山本裕康氏が神奈川フィルの首席,ヴィオラの篠崎友美さんが新日本フィルの首席,ヴァイオリンの松浦奈々さんが日本センチュリー響のコンマスで,他のメンバーは東京都交響楽団の首席クラスです
自席は1階9列14番,センターブロック左から2つ目です 会場は7割くらいの入りでしょうか
1曲目はベートーヴェン「七重奏曲変ホ長調」です この曲は9月24日に「サントリーホール チェンバーミュージック・ガーデン」のフィナーレ・コンサートで聴いたばかりです この作品は1799年に作曲され1800年に初演された,ベートーヴェン29歳の作品です 第1楽章「アダージョ~アレグロ・コン・ブリオ」,第2楽章「アダージョ・カンタービレ」,第3楽章「テンポ・ディ・メヌエット」,第4楽章「テーマ・コン・ヴァリアツィオ―二:アンダンテ」,第5楽章「スケルツォ:アレグロ・モルト・エ・ヴィヴァーチェ」,第6楽章「アンダンテ・コン・モート・アラ・マルチア~プレスト」の6つの楽章から成ります
演奏メンバーが配置に着きます.左からヴァイオリン=都響ソロ・コンマス矢部達哉,ヴィオラ=篠崎友美,チェロ=山本裕康,コントラバス=池松宏,ホルン=西條貴人,ファゴット=岡本正之,クラリネット=三界秀実という並びです
コンマスの矢部氏の合図で第1楽章に入ります 冒頭の矢部氏のヴァイオリンの何と美しく洗練された演奏でしょうか 「都響は弦が素晴らしい」とはよく耳にする言葉ですが,この演奏を聴くと この人が引っ張っているのだということが良く分かります また,隣でヴィオラを弾く篠崎さんとのコンビネーションの何と素晴らしいことか まさに洗練された演奏です これは後に続く他のメンバーにも言えることで,一人一人が洗練された演奏に徹し,美しいアンサンブルを奏でます 第2楽章も見事なアンサンブルです.第3楽章は「ピアノ・ソナタ第20番」第2楽章のメロディーの転用ですが,クラリネットと弦楽器との対話が楽しく聴けます
第4楽章はベートーヴェンの十八番「変奏曲」です ここではヴァイオリンはもちろん,ヴィオラ,チェロ,管楽器がそれぞれ主役となってメロディーを奏でますが,洗練の極みです 池松氏のコントラバスがピッツィカートで支えますが,これが絶妙です ピッツィカートだけで音楽的に聴かせる演奏はそうあるものではありません 第5楽章冒頭では西條氏によるホルンが冴え,中盤では山本氏によるチェロのソロが朗々と鳴り響きました 最後の第6楽章では,終盤のヴァイオリンのカデンツァでコンマスの矢部氏が美しくも力強い演奏で聴衆を魅了しました 一番最初に感じた「洗練された演奏」を最後まで堪能できました
プログラム後半は,シューベルト「弦楽五重奏曲ハ長調」です この曲はシューベルトの死の年(1828年:31歳)に作曲されました この曲の特徴は,当時の弦楽五重奏曲が,モーツアルトの作品に見られるようにヴァイオリン2,ヴィオラ2,チェロ1という編成が標準的だったのに対し,ヴィオラの代わりにチェロを2本採用していることです 第1楽章「アレグロ・マ・ノン・トロッポ」,第2楽章「アダージョ」,第3楽章「スケルツォ:プレスト~トリオ:アンダンテソステヌート」,第4楽章「アレグレット」の4つの楽章から成ります
演奏メンバーが配置に着きます 左からヴァイオリン=矢部達哉,松浦奈々,チェロ=原田禎夫,山本裕康,ヴィオラ=篠崎友美という並びです
さっそく第1楽章の演奏に入ります シューベルトの作品はとにかく主題の反復が多いので「長い」「しつこい」いう印象が強いのですが,5人の演奏でこの曲を聴く限り,「長い」とは感じるものの,「しつこい」とは感じませんでした それは響きが微妙に変化するように書かれているのに加え,演奏が集中力に満ちていたからでしょう 全体的には,松浦奈々さんと原田禎夫氏が加わったことにより「洗練された」というよりも「力強い」演奏に変わったように感じました 特に後半の第3楽章と第4楽章は重厚感のある演奏が展開しました
いい演奏で聴く室内楽は最高です 大好きなベートーベン「七重奏曲」を聴いている間は,ずっと幸せな気持ちでした
当toraブログの登録読者が1400人に達しました 普段ご覧いただいている皆さまに感謝いたします これからも1日も休まず根性で書き続けて参りますので,引き続きお読みくださるようお願いいたします